コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
春菜は最近、三咲と一言も話さなくなり、学校中で流れる噂に悩まされていた。三咲が自分が第三者であることをまだ公表していないことに気づいた春菜は、次第に自分の気持ちに苦しむようになった。彼女は不安と罪悪感の狭間で揺れ動いていた。
「私、どうしてこんなことになったんだろう…」春菜は一人で思い詰めていた。その悩みから逃れるために、彼女はついに渡辺優子に会う決意をした。
放課後、春菜は渡辺に声をかけ、二人きりで話すことにした。場所は学校の静かなカフェテリア。春菜は息を深く吸い、目の前の優子に向き直った。
「実は…私、智也と三咲のことで悩んでいて、あなたに話さなければならないことがあるの。」春菜の声は震えていたが、彼女は決して目を逸らさなかった。
優子は春菜を冷静に見つめながら、「なに?こんなに真剣な顔して…もしかして、あなたがあの三咲ちゃんのことを…」と、少し皮肉っぽく言った。
春菜は静かに頷き、「はい、私は三咲と智也の関係を知って、実は…私、智也と付き合っていると思っていました。でも、三咲が本当は智也を好きだったことに気づいて、私も自分の行動を反省しています。すべてが私のせいだと感じていて…」
優子はしばらく無言で春菜を見つめていたが、その目には疑念が浮かんでいた。「でも、どうして今になってそんなことを言い出すの?三咲ちゃんはあなたに何も言ってないし、あの子の性格からしても…あなたが謝る必要はないんじゃない?」
春菜は肩を落とし、悔しそうに顔を背けた。「でも…私は彼女を裏切った。もし私がもっと早く気づいていたら、こんなことにはならなかったのに。」
その時、智也が現れた。彼は優子の前に立ち、「優子、話があるんだ。」と静かに言った。
優子は軽く顔を上げ、彼を見つめた。「何?」
智也は少し戸惑いながらも、しっかりと目を見据えて言った。「実は春菜が言う通り、俺も三咲に対して少し責任を感じているんだ。でも、俺は春菜と一緒にいたい。だから、優子、お前に頼みたいんだ。」
優子はその言葉に冷静を装いながらも、内心では驚きと興奮を覚えていた。智也は確かにイケメンで、ただの好青年ではない。彼の魅力に引き寄せられ、優子は思わず微笑んだ。「智也、あんた、なかなか面白い人だね。」
智也は無意識に答えた。「まあ、そうだろうな。」
優子は少し間を置いてから、試すように言った。「じゃあ、今度二人で会わない?別に仕事のことでも何でもないけど、ちょっと話してみたくなった。」
智也は気軽に答えた。「いいよ、どうせ俺も忙しくないし。」
その日、二人は静かなカフェで会うことになった。優子は、智也がどんな人物なのかを観察し始めた。彼の言動がいちいち不自然で、よく考えずに発言していることが多いと感じた。優子は次第に、智也がただの優しさと魅力だけでなく、その裏に少し浅はかさがあることに気づき始めた。
その夜、智也と過ごした後、優子は帰宅しながらふと思った。「あんな男に関わったら、絶対に後悔するよね。でも、ま、ちょっと遊びにはちょうどいいかも。」
翌日、学校に戻った優子は、三咲に対しての態度が一変していた。これまでの冷徹な言動はどこへやら、彼女は三咲に微笑みかけ、かつてのような陰口を叩くことはなくなった。
そして、彼女は心の中で決心した。「私が悪者にならないためには、三咲を守るしかない。智也のことは少し楽しんだ後、しっかり整理しないとね。」
その日、三咲は再び教室で自分を見守ってくれるようになった優子に気づき、どこか疑念を抱きながらも、彼女が以前のように自分を無視しなくなったことに少し驚いた。
春菜は、自分が抱えている罪悪感と向き合わせながらも、三咲との関係をどうにかしようと考えていた。そして、智也との関係がどれだけ複雑になろうとも、彼女の心は次第に揺れ動いていた。