テラーノベル
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「、ふ、ぁ?」
あれ、おれ、
なに、してたっけ、
”〚・・・奏斗と喧嘩した、みたいな、?〛”
ぼーっとしながらそんなこと聞いたなぁと思い返す
「・・・ッあ”?!」
まって、まってくれ、友達がきてくれているなか寝てしまうなんて
・・・いやまて、しかも俺カナに寝かしつけられなかったか、?
「、っはぁッず………」
誰も見てなんていないのに、両手で顔を覆う
だって、そんな、こんなこと、寝かしつけられるとか、
こんな歳にもなって、?
しかもカナに、??
目の前で泣いてびっくりさせてしまった相手の前で???
・・・流石に恥ずかしすぎる、
あれだけ迷惑をかけておいて、次は寝落ちて見送りもできない、???
「あ”〜っ!!」
「っも、ぅ最悪、」
はぁぁぁ、と重くため息を吐き、足を抱え頭をうずめながらしゃがみ込む。
そうしていたところで、起きたことに変わりはないんだけど、
「カナに、連絡、しなきゃ、 な、」
そう言葉にして、行動に移そうとした瞬間
『”大丈夫ー?ゆっくり休めよー”』
「、ぁ」
奏斗に、まだ返信できてない
どうしよう、既読はとっくのとうにつけてしまっている、嫌われるかな、いやもう嫌われてるのかもしれない、
”『えっ、と、何?僕のこと、好き、って、』”
ビクッと肩が跳ねる
”『いや、ぁの、ごめん。・・・僕、雲雀のこと相棒だって、思ってて、さ。』”
、これ、は、さっきの、
”『雲雀のこと、そういう風に見れない』”
さっきの、夢だ
”『それに、さ、僕』”
奏斗は、
”『椿さんが、好きなんだ』”
奏斗は、そんなこと言ってない、
”『だから、雲雀とは、相棒でいたい』”
こんな、こと、
”『僕とずっと、相棒でいてくれる?』”
言ってないのに、な、ぁ、
朝から泣きすぎて、俺はもう涙も出なかった
、奏斗からしてみれば、俺は相棒なんだろう
昔も、今も、これから先も、ずっと
きっと、それが変わることはないんだろうな、
”『椿さんが、好きなんだ』”
・・・あぁ、その通りかもしれない
奏斗は、最近一緒にいるあの子・・・椿さんのことが好きなのかもしれない
あぁどうしよう、どうしようか、
悩んだところで、どうしようもないんだけど。
最近見かける奏斗はいつも椿さんを見ている
優しい、優しい笑顔で
そのくせ、俺には優しく笑いかけるどころか、目を合わせることも減った
奏斗、
なぁ、奏斗
俺じゃだめ?
、なんて、だめだから、こうなってるんだろうに
そんなことを考えながら俯いてぼーっとしていると、スマホが光ったことに気がついた
スマホに目を向けると
『”カナがごめん。説教しとくから”』
かな、と、
あぁもう、もう、
メッセージがきた、そんなことにも喜んでしまう
嫌われてなかった、よかった、なんて
震える手で文字を連ねていく
「”全然大丈夫!むしろいてくれて安心したし助かった!”」
「”朝の返せてなくてごめんな!”」
緊張をほぐすように、ふぅ、と息を吐いてから送るとすぐ既読がつく
なんかもう疲れたな、後はぼーっとして過ごそう
そう思い、俺はリビングでテレビをつけた
奏斗 side
「”全然大丈夫!むしろいてくれて安心したし助かった!”」
そんなメッセージが送られてきて、思わず唇を噛む
”いてくれて安心した”
そんな、僕ですらお前に言われたことのないことを、カナに言う訳?
そう思い、勢いで返信しようとして思いとどまる
・・・それは、相棒の範疇を超えているのではないだろうか
誰に安心しようが、それは雲雀の自由なのに
、僕には安心してないのかな
その可能性が脳裏をよぎって先程よりも強く唇を噛む
そして深く深呼吸をした後、もう一度考え直す
相棒としてなら、あの返信をしたっていいんじゃないか
そう思い文字を打っていく
『”いてくれてよかった〜なんて、相棒の僕ですら言われたことないんですけどー??カナのこと好きなの?”』
”カナのこと好きなの?”、なんて
そんな訳ないやろ!!って焦ったように真っ赤な顔で否定するのかな
真っ直ぐ僕の目を見て、うん、好き、なんて言うのかな
、すき、なんて、照れながら言うのかな
あぁもう、想像しただけでかわいいのに、内容が本当に気に食わなくてイライラする
その道を選んだのは、僕なんだけどさ
”「だいすき、」”
『、はぁ、クソッ……』
最後の一文を消して送信する
『”いてくれてよかった〜なんて、相棒の僕ですら言われたことないんですけどー??”』
”相棒”なんて言葉で、このどろどろしたような感情も妄想も、一方的な愛も、全て覆い隠している
これは、”相棒”としての独占欲
そう言い聞かせるように瞼を閉じて、 それも嫌がられてしまったら、と考える
・・・いや、大丈夫、僕は、大丈夫
その時は、”冗談に決まってんだろ、お前に独占欲なんて湧かねーよばーか”、とでも送ってやろうか、なんて考えて
そんなことを打ったところで、後にしんどくなるのは僕の方だ
、本当に、独り占めできたら、どれ程いいか
そんな、頭に浮かんだ考えを振り払うように頭を振り、スマホの電源を切る
・・・これは、僕が自分で選んだ道だ
それでも、僕だけを見てほしいだなんて、酷い我儘だ
コメント
3件
わあああああああああ!!本当にめっちゃ話の構成が好きです!!😭語彙力の塊で本当に尊敬です、💕毎回更新されるたびにウキウキで見にきてます!!いっつも面白いです〜🙌😭すれ違いが尊いです、😭本当にありがとうございます😘💕