……入学式のあと……
〇〇は、木兎光太郎に用事があって男子バレーボール部に向かっていた。男子バレーボール部は、メンバーが集まるまでの時間に、この日は春の陽気で桜咲く庭でホースの水を噴水にしてふざけて遊んでいた。
「おっ!すげー冷めてー!」
ワイワイきゃっきゃっと楽しんでいたが、運悪く、〇〇に木兎光太郎が振ったホースの水がバシャリとかかった。
〇〇は固まって…木兎はまずい!ヤバい!と察知して
「〇〇、すまん!ほんと…すまん。ほんと、この通りだ。〇〇、怒ってるよな…?」
木兎は恐る恐る、〇〇の顔を覗き込む
「ん?怒って…ないよ笑」と言う〇〇の目は笑っていない。
木兎は急いでタオルを取ってきて〇〇の頭を拭く。
「んッ!痛いよ、光太郎。ガシガシ拭かないで。あとは自分で拭けるから大丈夫だよ。ほら、練習に行って…」
少し経つとメンバーが揃って練習が始まる。
木兎がコート練習に入ると、歓声が周りから上がる。木兎光太郎は2年生ながら、バレーボールが大好きで、梟谷のエーススパイカーだ。
〇〇は、髪と制服を拭きながら光太郎を見つめていた。そこに、新1年生のグループがやって来て、その中に赤葦京治がいた。赤葦京治は、木兎光太郎を追いかけてこの梟谷にやって来たのだが、木兎光太郎を見つめる〇〇に 覚えがあり、でも…詳細を思い出せないでいた。
「男子バレーボール部に入部希望の1年〇組赤葦京治です。よろしくお願いします」
赤葦は、〇〇に入部届を渡す。
「あっ…ごめんね…。私、マネージャーじゃないの。」
〇〇は、赤葦に謝りながら、かおりに声をかけて、赤葦から入部届を受け取ってもらう。
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