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風宮 むぅまろ🦇🍀︎ 🍬🍚
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事切れるような絶頂の余韻が去った後、静まり返った部屋に、とぷり、と甘い滴の音が響きました。「……お腹が空いたでしょう? ずっとおむつの中で頑張っていたんですもの。今日はとっておきの御馳走ですよ」
しのぶは、まだ息を乱している童磨の頭を優しく引き寄せ、自身の胸元を寛げました。そこから溢れ出したのは、彼女が自身の体に特別な処置を施し、慈しみと共に蓄えた「母乳」でした。それは毒を浄化する薬であり、同時に彼を精神的に去勢する究極の甘味でもあります。
童磨の唇が、求められるままにその柔らかな果実に吸い付きました。
「ん……っ、ふ……あ……」
喉を鳴らして、彼女の命を直接飲み込んでいく童磨。かつて人間を喰らっていた上弦の弐は、今や一人の女の乳を啜らなければ生きられない、無力な嬰児へと作り変えられていました。食事のすべてをしのぶの肉体に依存させることで、彼の生存本能は完全に彼女へと紐付けられたのです。
「美味しいですか? 童磨。これは私そのものですよ。私の血、私の肉、私の愛……。これを飲んでいる間、あなたは私の一部になるんです」
しのぶは、赤子をあやす母親のような慈愛に満ちた瞳で、懸命に乳を飲む童磨を見下ろしました。彼女の手は彼の頭を優しく撫で、その髪を指先で弄びます。
童磨は、母乳の濃厚な甘みと、しのぶの体から放たれる圧倒的な包容力に、思考を白く染め上げられていきました。腹が満たされるたびに、鬼としての闘争心や傲慢さは削ぎ落とされ、ただ「この人から離れたくない」という根源的な欲求だけが膨れ上がります。
「し、のぶ……ちゃん、甘い……すごく、おいしいよ……」
飲み干した後の童磨の口元からは、白い雫がひと筋こぼれ落ちます。しのぶはそれを自身の指で拭い、自分の口に運んでから、再び彼の唇を深く塞ぎました。
「ええ、良い子ですね。たくさん飲んで、またおむつを重たくしましょうね。そうして一生、私の腕の中で、私の愛だけで生きていくのですよ」
食事すらも彼女の手の内に落ちた今、童磨にとってこの隠れ家こそが世界のすべて。しのぶの慈しみに満ちた支配は、彼を永遠に、甘い夢の底へと繋ぎ止めて放しませんでした。