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#鬱展開
Mist-404
553
第十一話「曖昧の能力」
デッドが倒された翌日。
マフィア本部。
静まり返った会議室で、ボスは幹部たちを見渡していた。
「デッドが敗れた。」
「……古流斬。」
ボスの目には怒りではなく、冷たい失望が浮かんでいた。
「やはり、お前は裏切ったか。」
⸻
ザッドの報告
幹部・ザッドは静かに前へ出る。
「ボス。」
「古流斬は一般市民を守り、デッドを倒しました。」
部屋が静まり返る。
ボスは低く笑う。
「そうか。」
「ならば、お前に最後の任務を与える。」
「古流斬を連れてこい。」
ザッドは一瞬だけ黙る。
そして首を横に振った。
「……できません。」
⸻
裏切り
「俺は、あいつを殺したくありません。」
その一言で空気が凍る。
ゴッドもグッドも驚きを隠せない。
ボスは静かに立ち上がった。
「そうか。」
「お前も不要だ。」
⸻
破壊
ボスが右手を軽く上げる。
能力――破壊。
ザッドの足元から空間がひび割れる。
「ボス……!」
ザッドは逃げようとするが間に合わない。
能力が体を飲み込み、崩壊していく。
最後にザッドは小さく笑った。
「古流斬……。」
「生きろ。」
その言葉を残し、ザッドは消滅した。
⸻
古流斬
その頃。
古流斬はケイトと共に街を巡回していた。
そこへ一人の少年が走ってくる。
「大変だ!」
「マフィア本部で……ザッドさんが!」
古流斬は息をのむ。
「……遅かったか。」
⸻
能力の正体
ケイトは古流斬を見る。
「お前の能力って何なんだ?」
古流斬は少し黙ったあと、初めて口を開く。
「俺の能力は――曖昧。」
「存在を曖昧にする能力だ。」
「相手の認識から外れ、攻撃をすり抜け、気配すら消せる。」
「でも万能じゃない。」
「使いすぎれば、自分の存在まで曖昧になってしまう。」
ケイトは静かに聞いていた。
「だから、いつも無理をしていたのか……。」
古流斬は小さくうなずく。
⸻
決意
古流斬は夜空を見上げる。
「ザッド……。」
「あなたの死は無駄にしない。」
その瞳には、もう迷いはなかった。
遠く離れたマフィア本部では、ボスが静かに笑う。
「さあ来い、古流斬。」
「次は私が相手だ。」
マフィアとの最終決戦が、ついに始まろうとしていた。
――第十一話「曖昧の能力」 完
コメント
1件
みぅ🤍🥀です。 11話、読み終えました…。 ザッド、最後に「生きろ」って……それだけで胸がぎゅってなったよ。 「曖昧」の能力もすごく切ないね。使いすぎると自分が消えるって、もう古流斬の生き方そのものじゃん…… ボスとの最終決戦、心の準備しつつ読みに行くね。次もちゃんと受け止めるから。