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〔第十八章:自分なりのケジメ〕side:豊
昼休み。
今日は僕なりのケジメをつけるために、蜜奇さんを呼んだ。
「冬川くん?どうしたの?生徒会?」
「いいや、生徒会じゃない」
(今日こそケジメをつけなきゃっ…)
急に声が詰まる。
「すっ…好きだったんだ、ずっと…無理だって分かってた、けどっ…ケジメをつけたかったんだ!」
「…ありがとう、言ってくれて、嬉しかった…でもごめん」
その答えを聞き、不意にあることが頭をよぎる。
「そ、そういえばさ、変なことかもしれないけどさ…緑川のどこが好きになったの…?」
「ん?えーっと、面白くて一緒にいて安心するとこかな?」
「いつから好きなの?」
「いつから、かぁ…本気だって気付いたのは5年だけど…」
「分かんない、かなぁ〜?(笑)」
「そう、なんだ」
「じゃあね、改めてありがとね」
「あぁ、うん」
僕が恋した人は、こんなに素敵な人だったんだ。
・・・
「どう?ケジメついた?」
夏目がひょこっと顔を出した。
「あぁ、うん、ついた」
「良かったじゃん!」
「冬川くん」
「「うわっ⁉︎」」
「もう、冬川くん!夏目さんも何をそんなに驚いて!そんなつもりじゃなかったのに」
「あぁ、うん、分かってる」
「冬川くん、放課後いい?空いてる?」
「あぁ、空いてる、どこに行けばいい?」
「南口公園でお願いします」
「あぁ、分かった」
(水野さん…何があって呼んだんだろう。)
僕にはさっぱり意図が読めなかったが断る理由もないので、南口公園に行くことにした。