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「やべぇ寝過ぎたぁー!」
いきなり大きな声を出して飛び起きた永山くんは、まぁいいっかって二度寝をし始めた。
私も心地が良くてうとうとしていた時。
「俺たち付き合っちゃうか…」
風にかき消されそうな声でつぶやいて、手を握ってきた。
私は声も出せず、頷くことしかできなかった。
やがて寝れなくなってしまった私たちは、沈黙が続いて…
気まずくなって逆を向いた瞬間、後ろからハグをされた。
「俺なんかに好きなんて言ってくれてありがとうなー。絶対後悔させない!たくさん思い出作ろう。」
全てがものすごいスピードで進んでいった。
お花見会場まで歩いている最中に、何人も同じ学年の生徒がすれ違って…
「明日の学校で噂になったりしないかな」
なんて余計な心配を口にしてしまった。
「俺のことは拓って呼びな!そんな呼び方する人いねーし特別な感じするじゃん!?
言わなくても付き合ってるってわかるよ絶対に(笑)」
ちょっと浮かれてしまったかな。
段差に転けて大爆笑する拓に、私は一生この笑顔を大事にしたいと誓った。
「お好み焼き食べよーぜ!!」
私が食べるのに10分くらいかかったお好み焼きをわずか2口で食べてしまった拓は、物足りない、物足りないとたくさん買い集めていた。
「俺食べ過ぎだよなー!あははは」
食べてる姿も愛おしくてカッコ良い。
大好きがとまらなかった。
帰りは拓が自転車を片手に、私と手を繋いでくれて家まで送ってくれた。
3駅ぐらい離れているのに、あっという間に時間が過ぎた。
「明日からの学校もよろしくな!いつでも連絡してよね!」
LINEを交換した後は拓がうざすぎるぐらい連絡してきて、本当に楽しかった。
けど、この楽しさは明日からは一旦お休みなんだな…
お互い強化部に入ってしまうせいで、休みは次のテスト期間までお預けになった。
「同じクラスだし大丈夫っしょ!
俺ずっと萌のこと考えてサッカーも勉強も頑張るよー!!」
不安で寂しいLINEを送りつけてもすぐ元気を取り戻してくれる拓に、惹かれるものしかなかった。
本当に大好きすぎて、心がしんどかった。