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『あっちゃー』
朝の通学中、突然自転車のチェーンが外れた。
”しまった。俺これ苦手なんよな・・・”曽野は昼食を買いにコンビニに寄るため早めに家を出たが
チェーン外れの件で遅刻しそうだ。
なんとかならないかと調節するが、焦れば焦るほどに上手くいかない。
「みるみる学園の生徒さん・・・?」
上から降ってきた声に反応し、見上げると先週から入ってきた実習生の彼が立っていた。
『あぁ、先生。』
弱弱しく声を出すと太智は”おぉ!”と若干ビックリしつつ曽野のことを覚えていたのか
「チェーン外れか」
と言いながら、袖まであったシャツを捲る。
『先生、手汚れるで。この油なかなか落ちらへんし・・・』
言い終わる前に地面に膝をつきチェーンを観察したかと思えばすぐさま手を動かし車輪とチェーンを調節させる。
彼の綺麗な指が少しずつ黒い油で汚れていくのを見て罪悪感を覚える。
白いから余計に目立つのが目に毒だ。
”ガチャン”
「ハマったで」
彼は嬉しそうに曽野の方を向き”手、洗いに行くか”と両手を見せながらコンビニへ誘う。
曽野は申し訳なさと嬉しさでいっぱいだった。
手の油は完全には落ちなかったが、2人だけのお揃いのようで心が弾んだ。
きっと一人だとこんな汚れ憂鬱という言葉以外見つからないだろう。
『ホンマにありがとうございました!先生、俺昼買うんすけど、何か好きなのあります?』
「いやいや、ええよ」
『でも・・・』
「いや、ホンマに!生徒カツアゲしてるみたいやん。逆に止めてや;;」
本当に困った表情で断られると、曽野もそれ以上は言えなかった。
『じゃあ、何かあったらいつでも俺を頼ってくださいね!俺何でもします!!』
「ぷっ、なんやお前わんこみたいでかわえぇなぁ~」
太智は満面の笑顔で曽野の頭をわしゃわしゃと撫でる。
(あぁ、俺今日からわんこになるわ・・・)曽野はつい至福の表情で目を閉じた。
「やばっ、遅刻するから俺先行くな!曽野くんも気を付けて登校するんやで!」
そういうと彼は足早に走っていった。
『先生、こういう時こそ2ケツしよや~』
自分の名前を憶えてくれていたことが嬉しく、曽野も彼の後を追うように自転車を走らせる。
職員の朝礼が終わると仁人が声を掛けてきた。
今日は担任が休みのため、代わりにクラスへ向かうという。
一緒に来るように指示された太智は慌てて準備をし、クラスへ向かった。
”ガラガラガラ”
仁人は教壇に立ち、今日は担任が休みということと1日のスケジュールを生徒に伝える。
その姿を太智は目に焼き付けながら頷いていると、ひらひらと一番後ろの窓側から美男子が手を振っているではないか。
「はぁ?!」
思わず大きな声が出て”すいません・・・”と咄嗟に手で口を押さえる。
そうなのだ、バイト先の柔太郎がこのクラスの生徒ということにここで初めて気付くのである。
柔太郎はその姿に驚き、笑みが隠せず、顔を下に向けて誤魔化す。
ホームルーム終了後、仁人に少し教室に残ることを伝える。
彼の姿が見えなくなると慌てて柔太郎を呼び出した。
「柔ちゃん、上の名前”山中”だったのね・・・」
『そうなの。うちのバイト先、基本皆下の名前だもんね。
ぷっ、太ちゃんのあの顔夢にまで出てきそう・・・はははは!もうお腹痛い・・・』
「あぁ―、もうあんな大きな声出したからきっと俺怒られるわ・・・」
頭を抱えしゃがむ太智を横目に柔太郎はにやにやと
『でも、俺、だいちゃんがクラスに居てくれたら本当に学校楽しめそう。
2週間と言わずもう就職しちゃえば?私立だからどうにでもなりそうだけど。』
「いや、そんな簡単な話じゃないのよ柔太郎くん・・・」
”じゃあ、また”と告げると太智はひらひらと手を振り足早に職員室へ戻っていった。
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もし、宜しければ感想お聞かせください💦
自分だとよくわからなくて・・・
最期、誰と結ばれて欲しいかもコメントでお伝えしていただければなるべく尊重します! 笑
コメント
4件
めちゃめちゃ引き込まれて読んでいます♡素敵な作品をありがとうございます♡
続きが気になりすぎて、更新がとても楽しみです!✨ 吉田先生との絡みがまだ少ないので、これからどう絡んでいくのか楽しみすぎます😊 個人的には塩レが大好きなので、吉田先生とくっついてほしいですが、佐野先生も迷いますね…🤭