テラーノベル
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コメント
25件
めちゃめちゃ好きです、自覚ないのは最高ですね、好きです
全然思ってたんと違くて泣く
oh...好き… 自分で自分の村やっちゃったんだ…すごい…ね…(語彙力がッ…
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
co「…は?」
目の前に広がるのは酷く惨たらしい焼け野原
…そして、俺らが住まう村があっただろう痕跡と残骸
まだ煙が燻っており、灰と微かな火花が舞っている
co「誰が……こんなことを?」
クラーケンの住処は結界で守られている
そのため、魔獣や魔物は入って来れない
そう、犯人が居るのだ、絶対に。
co「……絶対に、」
co「絶対に見つけ出してやる…」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ガバッ…
co「また…あの夢……」
いつも見る“あの日”の夢
最近は見ていなかったのに…
co「ふぅ〜…着替えよ… 」
冷や汗でぐちょぐちょの服を脱ぎ捨て、コーヒーを口に流し込み、いつものスーツに着替える
ニコニコ笑顔を貼り付ければ、『コンちゃん』の出来上がりだ
co「…今日こそは見つけたいなぁ〜」
今日も外へ出かける
犯人を見つけ出すためだけに。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ガヤガヤ…
「寄ってらっしゃい見てらっしゃい、新しい魔具の紹介だよ〜!!」
「大魔法石の競りだよぉ〜!滅多に採れないムジュラ鉱山の大魔法石だよ〜!!」
魔法市場…通称魔市は賑わっており、店主達は声を張り上げる
でも俺の目的は魔具や魔石じゃない。
市場の奥の奥、そこにある路地裏を抜けた先
小さくこじんまりとした煙草屋がある
co「どーも。」
?「あー、いらっしゃい」
煙草屋の店主は口にくわえていた煙草を灰皿に押し付け、手に持っていた新聞を畳む
?「それで、何番が欲しいんや?」
co「いえ、”カクテル”を一つ。」
店主は一瞬驚いた顔をしてからニヤリと笑い、新しい煙草を咥える
?「うちはバーじゃねぇ。」
co「おや、では…”葉巻”を下さいな?」
?「中にどうぞ」
店主はニヤリと笑い、店の奥に案内される
?「…よし、、いやぁ、ませた兄ちゃんだなぁ」
?「俺ァこんなに若ぇ兄ちゃんは初めてだ」
そう、表の顔は煙草屋だが、裏の顔は情報屋なのだ
暗号は『カクテルを一つ』
そして断られたら『葉巻を下さい』
co「…情報を下さりませんか?」
?「フッ…そう急ぐな兄ちゃん」
kyo「俺は金豚きょーや、偽名やけどな」
kyo「兄ちゃんの名前は?」
co「…コンタミです」
kyo「は…」
店主は驚いた顔をして、咥えていた煙草を落とす
kyo「…そらァ、随分と良い客やんなァ」
co「私の事を知っているのですか?」
kyo「情報屋やからなぁ…」
ふぅっ、と煙を含んだ息を吐く
kyo「…なんの情報が欲しいんや?」
co「俺以外に生き残ったクラーケン…それか、クラーケンに恨みがあった人など知りませんか?」
kyo「…特には思い当たらんなぁ……」
きょーさんは手帳をぺらぺらと捲り、書類を漁る
kyo「…すまん、俺の情報にある中ではおらんわ」
co「いえ、ありがとうございます。」
kyo「…あぁ、そうそう、あそこに行ってみるといい」
co「あそこ?」
kyo「あぁ、俺の信頼できるツテだ」
そう言ってきょーさんは地図と建物の写真を俺に渡す
co「ほう…ありがとうございます、行ってみますね 」
ニコリと笑い、料金と多めのチップを渡し、店を出る
…あぁ、ここでも見つからなかった
co「次こそは見つけられますように」
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地図を見て歩き、写真と同じ建物にたどり着いた
どうやら図書館兼古本屋のようだ
とりあえず中に入ってみる。
「あ、いらっしゃいませ。」
co「こんにちは、金豚きょーさんに言われて来ました。」
「!…こちらへどうぞ」
図書館の奥、バックヤードのような場所へと通される
ru「俺はレウです、どのような御用ですか?」
co「俺はコンタミと申します、少し…探している人が居まして。」
ru「あー、探し物…特徴や名前などは分かりますか?」
co「…すみません、あまり分かってないですね」
ru「うーん、俺は情報からヒントを導き出すことを得意としているので、直接的な答えを導き出すのは難しいのですが、 」
ru「もしかしたら…答えと繋がるヒントを見つけられるかもしれません、少し探してみます」
レウさんは目を閉じ、なにかを唱える
その瞬間、図書館の空気が澄み渡り、
本が1冊から浮き上がる。
ru「こっちに来て」
レウさんがそう言うと、
浮き上がった本が引き寄せられ、
レウさんの手に収まる
ru「どうぞ、この本は持っていってください」
co「いいんですか?」
ru「もちろん。むしろ貰って下さい、この本も誰かの役に立ちたいと思ってるはずです」
co「なら…お言葉に甘えて頂きます、ありがとうございます。」
本を貰って、図書館を出る
本には2つ、場所が書いてある
co「物は試し、この本達に書いてある場所に行ってみるか」
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静かな森の中を歩く
…確かここら辺に__
?「コンニチハ」
co「こんにちは。」
?「…コンナトコニナニシニキタノ」
co「少し…ね。」
?「…分カッタ、オイデ」
森の奥へと連れられ、大樹の前に連れてこられる
そう、魔竜と幽霊の血が混ざっている“魔法使い”の巣だ
?「…〜〜〜、〜〜」
魔法使いが聞き取れない言語を囁くと、一瞬にして巣の中に移動した
?「テレポートダヨ」
co「ほう…流石魔法使いですねぇ。」ニコリ
?「…嘘ノ匂イダ、作リ笑顔ダヨネ?」
co「…」
md「ア、名乗ッテナカッタネ、俺ハミドリ。」
気を使ってくれたのか、みどりくんは話題を変える
co「俺はコンタミです。」
md「ヘェ…ナンノヨウ?」
co「…呪いの薬が欲しいんですよねぇ〜。」
魔女族に伝わる秘伝の薬、呪いの薬。
それは強力で とても興味深い効果があるんだとか
md「ンェ、ナンデ?」
co「…少し、必要でして。」
md「…フゥーン」
みどりくんはどこからともなく瓶2つを取り出す
瓶の中にはそれぞれ青色の液体、そして赤色の液体が入っている
md「コノ2ツヲ混ゼレバ…探シテイルヒトニ毒状態ガ付与サレル」
md「ケド注意点ハネ、スグ見ツケナイトイケナイ」
md「スグ見ツケテ、解毒薬ヲ飲マセナイト死ンジャウカラ」
そう言いながらまっ白な液体を取り出し、渡してくる
md「コレ、解毒薬」
md「絶対ニ、絶対ニ飲マセルンダヨ」
co「えぇ、もちろん」
この薬の興味深い効果…
それは、“一生続く毒状態を付与する”こと。
そのことから“呪いの薬”と言われている
勿論、解毒薬は飲ませるつもりだ
…一生、一生犯人を苦しませるために
md「ジャア…バイバイ」
co「ありがとうございましたぁ。」ニコリ
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犯人を一生苦しませるには、犯人の居場所が分からないといけない
そのため、とある場所を訪れることにした
森の奥深くの洋館…ここだろうか?
コンコンコン…
返事はない。
その代わり、背後に気配を感じ、振り返る
「こんにちはぁ、お客さん?」
co「こんにちは、青鬼さんですか?」
rd「ん〜…合ってるけど、青鬼さんじゃなくて”らっだぁ”って呼んで?」
co「えーっと…らっだぁさん、でいいですか?」
rd「らっだぁ、呼び捨てでらっだぁ。あとタメ口でよろしく」
co「…らっだぁ、、俺はコンタミ。」
rd「ん〜…じゃあコンちゃんね!」
rd「こんなところになんの用?」
co「少し…人を探してて。」
rd「ふぅーん、良いよ、俺が見つけてあげる」
そう言ってらっだぁは目を瞑り、なにかを唱える
rd「…あれ?」
らっだぁはもう一度、なにかを唱える
rd「…あ、そうだった」
rd「コンちゃん、コンちゃんがその人を探したいって強く願った場所、その場所に行ってみて」
rd「そこについてしばらくしたらその人とコンちゃんの小指が青い糸で繋がれるよ」
co「ほう… 」
だとすれば、村の跡だろうか…?
co「行ってみる〜。」
rd「ん、気をつけてね、コンちゃん」
俺はらっだぁにお礼を伝えて、その場を後にした
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co「変わった…な」
焼け落ちた跡しかなかった悲惨な村の跡は、
今では草花に溢れる自然の一部に還っていた
co「よし…」
みどりくんから貰った二つの瓶の中身を混ぜる
みるみるうちに混ざっていき、毒々しく、深い紫色に染まっていく
しばらくすると、完全に紫色の液体が出来上がった
ドクン…
心臓が嫌な音をたてる
co「ぁ”ッ…」
co「え”ッ、な”んで…ッ、、」
co「ッ”…なんで俺に”?」
ドクン…ドクッ…
バタッ……
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kyo「ふぅ〜…」
いつも通り、煙草を吸いながら新聞を見やる
やけに大きい見出しが目に入る
《クラーケンの生き残り、両手の小指に青い糸が巻かれた状態の遺体で発見》
kyo「……コン、タミ?」
ー復讐成功ー
END