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(初代や最高神にとっては)ハッピーエンドだけど(めめ村メンバーにとっては)ハッピーエンドじゃない
え、これ終わったんですか?
HappyENDともBADENDともTRUEENDともいえない…
──────いえもん視点──────
俺は、ノイズを代償として【最高神】の力を手に入れた。───こんなものに、価値なんてないのに。魂の再構築を───と、思ったが、果たしてそれはノイズなのか。俺は、今や、全く同じ存在を作ることはできる。だが、俺と体を分け合ったノイズを生み出すことは出来ない。こんな力、俺には不要だったのだ。
「こんな力…ッ要らなかったのに…!!」
俺がそう嘆いてもかえってくる言葉は───
「…いえもんさん。落ち着いてください。」
俺はバッと後ろを振り返る。そこにいたのは既に冷静さを取り戻しためめさんだった。めめさんは、無言で俺を抱きしめてくれる。
「大丈夫です。大丈夫ですから。勇者が死んだのは、あなたのせいじゃない。」
「…ッッ!!」
めめさんは、そう言って俺の頭を撫でる。その温かさに触れ、俺はこらえきれなくなり泣いてしまう。
「うッうわぁぁあああッッ!!なんでぇッなんでだよぉぉおおッッ!!」
子供のような泣き方も、普段なら絶対にしない声を出しながら、感情のままに泣き叫ぶ。めめさんは、それを黙って受け入れてくれた。それが、余計にノイズがいなくなった現実味がまして、さらに泣いてしまう。
この世界で、たった2人になってしまっためめさんと俺。失ってしまった仲間。手に入れた無意味な力。どれもこれも、望んでなんかいなかった。平凡でよかった。力なんてなくてよかった。だから、みんなで幸せに暮らしたかった。頑張った結果、報われない。俺たちは幸せになる権利を神に奪われたのだ。初代によって、いいように使われていたのだと、悟ってしまう。
失うなら、最初から何も与えないで欲しい。そう思ってしまうのは、失った痛みを知ってしまったからだろう。
───どれくらい泣いたのだろうか。ようやく、涙がかれ、感情が収まる。
めめさんは、俺を何回も撫でて、そして言う。
「大丈夫です。いえもんさん。きっと、まだやり直せますから。」
そう言って、めめさんが笑顔をうかべる。───きっと、俺を不安にさせない為に笑ってくれてるのだろう。めめさんだって、本当は不安だろうし、怖いだろう。そんな、めめさんのことがわかってしまって、余計に辛いし、申し訳ない。つくづくそう思ってしまう。
めめさんは、よろよろと立ち上がり、棺の元へ向かう。そこの蓋を開ければそこには目を閉じためめ村のみんな。安らかな表情でその中で永遠のときを眠っていた。
「魂は…あります。…!!もしかしたら、生き返らせられるんじゃないですか!?」
そう言って、めめさんがふと、思いついたかのように言う。なるほど、と思う。めめさんは、魂があれば生き返らせることが出来るだろう。なら、と少し希望が湧く。
───その時だった。
めめさんの、目が、パキンッと音を立てて割れる。
「───え?」
俺が困惑したかのような声が出る。が、そんな反応をしている間に、目を中心にどんどんめめさんに亀裂が入っていく。顔がガラスのようにポロポロと崩れ落ち、体全体に亀裂が入る。
めめさんは、泣きながら、あ、と声を漏らす。
「───そっ、か。最高神がいないと、神は、存在、できない、の、か。」
めめさんがそう言って、目が合った場所から、涙を流す。いや、それはもはや涙では無いのかもしれない。めめさんは、それでも笑って、最後の言葉というように口をパクパクとさせる。
『ありがとう』
そう、口元が動いた後、ゆるりとその口は微笑へと変わる。そして、
バキンッ
一際大きな音を立てて、めめさんは原型をなくし、崩れる。そこに残ったのは青色の宝石のようにキラキラと輝く物体の破片。それが、サラサラと粉に変わり、そして、解けるように消える。
その瞬間、脳が最高神の記憶を手繰り寄せる。
神々は最高神に逆らってはならない。何故ならば神を創造したのは最高神であり、最高神が消えたのならば、用済みとなり、宝石となり、消える。
故に、最高神を守り、滅ぼしてはならぬ。ここに永遠の誓いをたて、最高神を守ることを身に刻め。
脳内にその情報が流れ、俺は足から崩れる。目の前で、めめさんを失った。しかも、目標としていた最高神を消すことを達成したことによって。めめさんは、このことを知っていたはず。なら、なぜ?元々死ぬ気だったのだろうか?…いや、さっきの反応的に違うだろう。
そもそも、最高神の魂は俺が取り込んだはずだ。なら、なぜめめさんは死んだのか。
その時、理解した。
俺は、最高神の魂を取り込んでも、最高神では無いのだ。だから、力を持っていたとしても、その力を振るうことは出来ない。
本当に、意味の無い力なのだと理解する。
しかし、俺は正気を疑う奇策を思いついてしまう。悪魔の囁きのような案。だが、これに乗るしかない、と何故だか脳が断定する。これが、きっと幸せになれるのだと。そう、何かが囁くから。
「俺が───俺が新たな【最高神】になる。」
ここで切ります!いや〜皆様予想出来た展開でしょうか?正直意外な展開にしたくて、あまり伏線をはらないようにはしてましたね〜。これはハッピーエンド…なんでしょうか?ハッピーエンドだと思ったらコメントお願いします(乞食)
それでは!おつはる!