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白い花と黒い花が一つになってから。
ちぐさくんの前に現れる花は、少しずつ姿を変えていた。
前みたいに、隠した気持ちを責めるようなものじゃない。
まるで、
「ちゃんと向き合えているか」
そう聞いてくるようだった。
⸻
「ちぐ、最近ちょっと変わったよな」
まぜ太が言った。
「いい意味で?」
あっきぃが聞く。
「うん」
まぜ太は頷く。
「前より、自分のこと話すようになった」
「確かに」
ぷりっつも笑う。
「前のちぐなら、絶対『大丈夫』で終わらせてたやろ」
「……」
ちぐさくんは少し照れたように笑った。
「だって俺、リーダーだから」
その言葉に、みんなが静かになる。
⸻
「リーダーだから、ちゃんとしなきゃって思ってた」
ちぐさくんは続ける。
「みんなを引っ張らなきゃ」
「みんなが不安にならないようにしなきゃ」
「俺が笑ってれば、みんなも安心するかなって」
小さく笑う。
「でもさ」
「俺だって普通に怖くなるんだよね」
⸻
「ちぐちゃん」
あっきぃが呼ぶ。
「俺、前から思ってた」
「ちぐちゃんってさ」
「俺らのこと、ちゃんと見てくれてるじゃん」
「だから」
あっきぃは笑う。
「俺らも、ちぐちゃんのこと見るよ」
⸻
「俺も」
まぜ太が言う。
「ちぐはいつも俺らのこと優先するけど」
「たまには俺らに頼れよ」
「まぜたん……」
「リーダーだからって、一人で全部背負う必要ないだろ」
まぜ太は真っ直ぐ言った。
⸻
「ぷーのすけは?」
あっきぃが聞く。
「俺?」
ぷりっつは少し考える。
「俺はさ」
いつものように笑う。
「ふざけてること多いやん?」
「うん」
「でも」
少しだけ真面目な顔になる。
「ちぐが頑張りすぎてる時くらい、ちゃんと気づきたいと思ってる」
「俺ら仲間やから」
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「あっとくんは?」
ちぐさくんが聞く。
あっとは少し迷ってから口を開いた。
「俺は」
「ちぐがリーダーだからついていってるんじゃない」
「ちぐだから、ついていってる」
その言葉に、ちぐさくんの目が少し揺れる。
「……」
「リーダーって、一番強い人じゃないと思う」
あっとは続ける。
「一番みんなのこと考えてる人だと思う」
⸻
「僕も」
けちゃが優しく言う。
「ちぐ」
「ん?」
「僕、ちぐが笑ってるところ好きだよ」
「でも」
けちゃは少し笑う。
「無理して作った笑顔じゃなくても、僕たちは好きだよ」
「だから」
「僕たちの前では、ちゃんと僕たちを頼ってほしい」
⸻
静かな時間。
でも。
その空気は苦しくなかった。
「……そっか」
ちぐさくんが呟く。
「俺、ずっと勘違いしてたかも」
「何を?」
「リーダーって、全部一人で背負う人だと思ってた」
少し笑う。
「違ったんだね」
⸻
その夜。
白い花が現れた。
でも、今日は一輪じゃなかった。
6つの小さな花が寄り添うように咲いている。
『一番前に立つ花にも、支える根が必要』
ちぐさくんは花を見る。
「……俺、一人じゃないんだ」
風が吹く。
花は優しく揺れた。
「ありがとう」
今度の笑顔は。
誰かを安心させるためだけじゃない。
自分自身が安心できる笑顔だった。
コメント
1件
第5話、めっちゃ良かった……! ちぐさくんが「リーダーだから」って一人で背負いすぎてるところ、仲間たちが一人ずつ「ちゃんと見てるよ」「頼っていいんだよ」って伝えてくれる流れがもう、じんわり来た。特に「ちぐだからついていってる」ってあっとの台詞、刺さったわ。最後の6つの花、本当にいいシーン。無理しない笑顔が見られて良かった〜!