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最後の十分間

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最後の十分間

12 - あとがき

♥

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2026年01月01日

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│ あとがき │


この物語は、最初から最後まで「犯人探し」の形をしています。


鍵、足跡、空白の十分間、それぞれの証言のズレ、誰かの行動が少しだけおかしいように見える描写。


けれど実際に読者が追っていたのは、犯人そのものではありません。




最大のトリックについて】


この物語の最大の仕掛けは、


殺人事件だと、誰もが疑わなかったこと


です。


被害者が亡くなった瞬間から、登場人物も、読者も、無意識にこう思い込んでいたと思います。


• 誰かがやったはず

• 犯人がいるはず

• 理由があるはず


その思い込み自体が、物語のレールであり、最大のトリックでした。


実際は、本当にただの偶然が重なってしまった"事故"だったのです。




【伏線①「空白の十分間」】

物語中で何度も強調された “最後の十分間”がありましたね?


これは犯行時間ではなく、非常灯が消えてしまっていた時間でした。


しかし五人はその事を忘れていました。


というよりも、気付かないふりをしました。


1人目の事件後だから余計に。



暗闇は

・何が起きたかを見えなくし

・記憶を曖昧にし

・人に「都合のいい解釈」

を与えます。


この十分間があったからこそ、誰もが


「見なかったこと」


「知らなかったこと」


を後から“罪”に変換してしまったということです。




【伏線②「証拠はすべて“弱い”」】

鍵、足跡、写真、位置情報。


どれも一見すると犯人を示しているようで、決定打にはならないものばかりでした。


これはもちろん意図的です。


なぜなら、そもそも 真実が「事故」である以上、本物の決定的証拠は存在しないから。


証拠が曖昧だからこそ、疑いは人から人へ移り、読者の視線も揺れ続けます。



では、予備鍵は なぜ佐野のポケットに?


その夜、

  1. 非常灯が一瞬消える

  2. 軽い混乱が起きる

  3. 誰かが「落ちていた鍵」を拾う

  4. とっさに一番近くにいた佐野に渡した or 持たせた

  5. 佐野本人は重要なものだと思わずポケットに入れたまま忘れる


→ 完全に無意識の行動


だから、

• 鍵は使われていない

• でも「使われたように見える」

• 佐野自身も覚えていない


という、犯人に仕立て上げやすい状況が出来上がってしまった。



では曽野舜太のスマホの写真はなぜそんなことが起きた?


これも理由はひとつ。


曽野が席を外した「ほんの数分間」、スマホがロビーのテーブルに置かれたままだったから。


このとき、

• 誰かがスマホを操作した

• もしくはすでにある写真を誤って(あるいは意図せず)同期・上書きした


ここも「悪意」とは限らない、混乱と偶然の重なりが原因


だから曽野は 「写真を撮った記憶がない」 それは正しいことになる。


というわけです。



【伏線③ 誰かが被害者を呼び止めたこと】

これは、読者が最後まで引っかかるための唯一の未確定要素です。


呼び止めた人物は明かされません。


なぜならそれは、殺意でも、計画でも、罪でもないから。


偶然の一言、何気ない会話、ほんの数秒の出来事。


それを 「もしあの時」と悔やむのは、人間なら誰でもすること。


そんな経験ございませんか?


すなわち、これもまた偶然だったのです。



偶然といものは、なんだか恐ろしいですね。




【この物語の“犯人”とは?】


結論として、

• 法律上の犯人 → 存在しない

• 殺意 → 存在しない

• 悪意 → 存在しない


けれど、


疑いを生み出した犯人は、確かに存在します。


それは

「理由がない死を、受け入れられない心」


犯人を作らないと前に進めない弱さでした。


その弱さは、誰の中にも存在します。


だからこの物語では、誰も完全な悪者にならず、誰も完全に潔白ではありません。


この真実を知ったあと、五人は何も失っていません。


それどころか、

• 疑い合わなかった

• 誰かを断罪しなかった

• 事実を事実として受け取った

だからこそ、彼らは同じ方向へ歩き出せた。


この物語、実は 「事件が解決した話」ではなく、人が人でいられた話でした。



最後に。


もし読み終えたあと、「犯人がいなくてよかった」と少しでも思えたなら。


その時点で、私の中ではこの物語のどんでん返しはきちんと成立していると思っております。



私自身、初めはM!LKの中の誰かを犯人にしたミステリーを作ろうと試作していたのですが、


どうも誰を犯人にしたらいいのだろうと、頭を悩ませていました。(推しが犯人とかちょっと嫌だなっていう方も少なからずいらっしゃると思いまして…)


だからこそ、どういうオチに持っていこうか、どんな話にしようか、それはもう大変でした笑ミステリーってだけあって、なかなか思うように伏線が張れず…


王道のミステリー(真犯人はこいつだ!)というものとは違う方向性になってしまいました。


もし、「M!LKの誰かが犯人の物語が読みたい!」「推しが犯人でもいい!」という方がいらっしゃるのなら、再び書き始めようかな、、、なんて



すみません、長くなってしまいましたね。


ここまで読んでいただきありがとうございます。


では、また他物語で会いましょう。

この作品はいかがでしたか?

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