朝目が覚めると横で寝てた棪堂が居なくて……
皐月(早起きなんだなぁ…)
と軽く思いつつリビングへ向かった……が、
皐月『おま、その隈どうしたんだ…?』
棪堂は目の下に隈を浮かべながら朝食を作っていた…
棪堂「…おー、はよ皐月ぃ、飯もうちょっとで出来るから待っててくれ」
皐月『俺も手伝うから!やっぱり俺が泊まるの無理させたよな、ごめん…』
棪堂(ホントにコイツ無自覚過ぎるだろ……)
棪堂「なぁに?俺の事、心配?」
皐月の事だ、野良猫みたいに否定するだろ…
皐月『当たり前だろっ!泊めてくれてる家主が寝不足なんて、俺、申し訳ねぇよ……』
皐月はシュンとして俺の服の裾を握ったまま泣きそうになってた……
これじゃあ風鈴に帰せねぇよ?
棪堂「…なぁ、皐月」
皐月『何だよ?』
棪堂「俺の恋人にならねぇ?」
皐月『え?』
棪堂「言うこと聞くって約束だったよな?俺の恋人に、なってよ」
皐月『……ッ、そ、それは……』
皐月side
俺一応桜と梅宮の恋人だし……でも、約束は約束だし……どうすれば……ッ
棪堂「ははっ!じょーだんだよ!俺にはもう既に心に決めてる奴が居るし、確かに皐月も捨て難いけど……お前の守り隊がうるさそーだし!」
皐月『…へ?』
棪堂「まぁこれだけ言っとく、本当に居場所が無くなったら俺の元に来て恋人になろうなぁ」
それから数日泊まって俺は自分の家に帰った……。
棪堂からはまだ泊まっていいと言われたけど…逃げてる自分に嫌気が差したんだ……。
いざ自分の家に帰るとどこか新鮮で尚且つ懐かしくなって……。
寝室まで向かって思いっきりベッドに身を沈めた…
うん、懐かしい匂いだ、俺の安心出来る匂い…。
この空間には俺しか居ない…、寂しいけど、ずっとこの空間が当たり前だったんだ……。
誰かと居る、それがどれだけ大切なのか…分かった気がする……。
そうか、これが、寂しいんだな……。
俺は独り、お気に入りのぬいぐるみを抱き締めて眠った……。
寂しさを紛らわす様に……。
次の日
皐月『んぅ?……朝か……』
お気に入りのぬいぐるみを抱き締めようとすると…?
何故か暖かくて…、抱き締められてる…?
眠気が一気に飛んで目を見開くと…
皐月(な、何で梅がいるんだよ!!?)
梅宮「うぅん、むにゃむにゃ」
皐月(いつ入ってきたんだよ……不法侵入か?)
でも何故だろう、不思議と嫌な気持ちにならない…寧ろこのまま寝てる顔を見ていたい……。
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