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もう、ダメだ。
家に駆け込むなり、私はベランダへ飛び出した。
もう、何も考えられない。
思考が溶けていく。
ただ、ただただ。
取り憑かれたかのように虚ろな目で。
押し入れから麻縄を取り出す。
覚束ない足取りで洗面所まで行き、石鹸を縄に塗り込む。
こうしておくと、よく滑るらしい。
何分か、たったころだろうか。
ふと、顔を上げた私の目に映ったのは。
まるで死神のようにやつれた、「私」の顔だった。