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「はあ…すっかり遅くなったなぁ」
顔を上げると西の空が赤く染まっており 子供たちが今から家に帰るのか笑いながら住宅地に走っていくのが見えた
「とりあえずレナに会いにいくか 確か射撃場に行くって言ってたよな」
そういいながら住宅地と逆の方向…街の外れにある射撃場に向かった
射撃場では人型のターゲットに散弾を撃ち込むレナの姿が見えた
一通り弾を撃ち終えたリアに「お見事」と言うとこちらに気づいたのか近づいてきた
「アストも試し撃ちしにきたんだ」
「違うって 実はな……」レナにシュドのこと ガイルさんと話したことを伝えた
最初は困惑していたリアだったが状況を飲み込んだのか「わかった 明日ガイルさんのとこにいってみる」
と言い 射撃場の料金を払い出て行った
「…自分もそろそろ帰るか」
その日は家に帰ってハンドガンのメンテナンスをしてそのまま寝た
「久しぶりに来たな スピネル第6孤児院」
正門に近づくと自分に気づいたのか子供たちが寄ってきた
「あれアスト兄ちゃんじゃない?」「え?本当?」「ホントだ!」「アスト兄ちゃん久しぶり!」
「その声 クルトか! 大きくなったな」
(自分でもこの言葉は親戚のおじさん感が強いと思う)
「へへ ねえ兄ちゃん鬼ごっこしようよ」「また後でな」
そう言い孤児院の中に入って行く
院長室の扉にノックする 中から「どうぞ」と言う声が聞こえる
「失礼します」
扉を開けると部屋の中には椅子の上に初老の女性が座っており 机の上には書類や万年筆などが綺麗に整理されて置いてあった
「お久しぶりです ベイラ院長」
「本当に久しぶりですね さて ここに来たのは何か理由があるのでしょう 話してみなさい」
「…この街が戦争に巻き込まれます、だから」
「その情報は信じられるのかしら?」
「信じられます!」
ガイルさんに言った時と同じようにはっきりと言った
「物的証拠は?」
「…いえ、ありません」
「いい?何度も言っているように言葉だけでは証拠にならないのよ その情報が確実な物となったとき もう一度ここにきなさい」
「…はい」
(言葉だけでは証拠にならない…か)
院長室から出て扉を閉じる
窓から入ってきた鳥を見つめる 鳥はハチドリのように翼を羽ばたかせ、忙しいのかすぐに飛び去ってしまった
「………もしあの子の情報が正しかったら…か
なり面倒なことになりそうね…」