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咲乃ルイ
#バトル
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「夢界隈の妖怪の力は、基礎体力となる『妖力』と、それを活用する『自由』『混同』『支配』の三項目によって表される。私は妖力は三十で、自慢でも何でもなく全妖怪最強なんだけど、この三項目の相性で戦いが変わってくるんだよ。」本当に自慢してないのか?と思ってしまったが、確かに、相性の問題とかはありそうだ。
「まず私の自由性は、十三だね。」
「強いじゃん。」
自由性は、いかにぶっ飛んだ夢でも夢を維持させるからしい。あまり夢のストーリーが膨大だったり過激だったりすると、人間の脳が破壊されて夢が強制停止されたり、目が覚めてしまうこともあるそうだ。
「クリスマスの時の夢なんて、数万年前の雑魚妖怪だったら、魔王が巨大化する辺りで人間の目を覚ましちゃうからね。」
「まあ確かに。」
「そして混同性は十五。よく使うよねー。」
混同性とは、人間の現実と夢を混乱させてしまう力で、僕たちが人間を洗脳する時に大変お世話になっているのだ。
「あれ?項目三の支配性ってやつは?」
「あ、えっと…。二。」
支配性とは夢の支配権を得られるかだ。支配権の高い奴と夢で一緒になると、夢の主導権が奪われるらしい。勿論常人には影響ないが、前の戦争では、支配性の弱さに気づいた妖怪に何回も殺されかけたらしいし、クリスマスの時のあのカップルのように、愛情など強い感情を持つ人間にも、支配が効かなくなることはあるらしい。
「お前、それでどうすんだよ!」
と言ったものの、今生き残ってる妖怪は一項目が突出していることが多く、暗夢は圧倒的な妖力があるだけ恵まれた環境らしい。
すると暗夢が何やら百科事典らしきものを開いて見せてきた。
「それでこの前牙向いてきた夢空ってのはね、妖力は十九。突出してるのは自由性の十四で、後は混同性が三、支配性が二だね。出没地域は箱根、夢の支配地域は宇都宮から静岡。」
「暗夢なら勝てない相手じゃない?」
「そうでもないよ。支配性が同じだからジリ貧になる分、自由性が高いから、えげつない攻撃を喰らう可能性は高いよ。夢界隈の妖怪の死は夢を司る相手の頭を機能停止にさせること。支配性が同じなら自由性は手札の数になる。」
珍しく慎重だ。
「夢空は昔から小学校に紛れ込んで、私でいう白夜くんみたいに一人のクラスメイトを妖怪にして、一緒に夢の中で他のクラスメイトと遊んだりしてるらしい。」
「何かほのぼのしてるね。」
「自由性が強いやつはそうなりやすいよ。小学生のユニークさを現実にしたらどうなる?」
「最強パンチとか、バリアとか、一抜けとか…。やばいね。」
暗夢もここまで中学校のノリについていってるってことは、小学生の攻撃なんて…、考えるだけで恐ろしい…。
「じゃあ、勝ってる混同性を使って、夢から覚めた時にまだ催眠があると…現実で絞め殺すのは出来るのか。」
「それで行くよ。」
暗夢は本気だ。まあ万年の悲願だし当然か。
次の日、僕は学校から神社へ帰る時に小学生に話しかけられた。
「ねえ、兄ちゃん神様?」
「え?君も妖怪なの?」
「うん!人間だったけど最近なってね!兄ちゃんは元人間で、最近神様になったんでしょ?凄いね。有名人じゃん!」
そういえば僕は暗夢に神様を押し付けられたのを忘れていた。神様っていっても妖力五だし仕事は天使がやるし…ただの弱小の妖怪と何も変わらないんだよね…。
「で、兄ちゃん助けてよ。僕を妖怪にした友達の夢空君がね、中学生みたいな妖怪にね、カツアゲされててね。」
「え、待って。君はどこから来たの?」
「箱根ってとこ。」
「夢空くんって子、夢の術使える?」
「うん、僕がいたずらされた時、夢の中で仕返ししてくれたんだ。凄く強いんだよ!」
「そのカツアゲした中学生って?」
「え、女の子だったよ。だからさ、神様、なんとかしてよ!」
僕は青ざめた。暗夢、もうおっぱじめたのか!
「場所分かる?」
「橋の下。連れてくよ。」
連れられた先には、二人が寝ていた。
「夢空くんが話してたけど、もしかしてこの姉ちゃんも妖怪?」
「そうだよ。」
「アイツ、カツアゲって嘘ついてのかよ…。」
小学生の妖怪が泣き出した。
「親友だよ、死ぬのを黙ってるなんて、僕…辛いよ。」
いや早い早い。親友さんまだ死んだわけじゃないよー。まあ暗夢に喰われるのがこっちとしてはありがたいけど。
「ひとまず、夢に入ってみよ、僕神だから、大丈夫だよ。」
白夜ー!何戯言言ってんだ自分!と思ったが、同族が泣いてる時には助けてあげなきゃ!神様なんだから…。ワンチャン巻き込まれて死ぬけど…。
「じゃ、行く…。」
僕は暗夢、小学生は夢空という妖怪の肩を叩く。