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君が逃げる理由を、僕が壊す。

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君が逃げる理由を、僕が壊す。

9 - 第9話 裏切りのキスと罰の夜

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2025年06月15日

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「……今日は、自由に外出していいよ」

そう言われたのは、数週間ぶりだった。

悠真の瞳はいつもより柔らかく、晴人を信じようとしているように見えた。


「ありがとう……悠真、ちゃんと戻ってくるから」


「……当たり前だ。お前は僕のところに戻るしかない」


(ちゃんと、信じてくれてるんだ……。裏切らない。絶対に)


晴人はマスクをつけて街へ出た。人の目に慣れていないせいか、少しふらつきながら歩く。

その時、後ろから声をかけられた。


「……晴人?」


振り返ると、大学時代に同じゼミにいた女性、**橘 環(たちばな たまき)**がいた。


「うそ……久しぶり! こんなところで会えるなんて!」


彼女はすでに酒気を帯びており、赤らんだ顔でフラフラと晴人に寄りかかってくる。


「あの時、私……ずっと好きだったのに……晴人、何も気づいてくれなかったんだから……」


「た、環さん……もう、やめ――」


ふらついた拍子に、彼女の唇が晴人の頬をかすめ、そして軽く唇を押し当てられた。

次の瞬間――


「……何してるんだ、お前」


氷のように冷たい声が、すぐ背後から響いた。


振り返ると、悠真が立っていた。

その顔は、怒りも呆れも超えていた。燃えるような独占欲と、圧倒的な“否”があった。


「違うっ、違うんだ! これは事故で、俺は――!」


晴人が叫んだ瞬間、悠真は女性の腕を取って言った。


「……タクシーに乗って。少し話をするだけだから」



ホテル――


環はベッドに倒れ込むようにして眠っていた。

晴人は必死で説明しようとした。


「本当に……本当に事故だったんだ。環さんは酔ってて、俺は止めようとして……!」


「……じゃあ、なぜあの女を拒まなかった?」


カチャン――

右手首に冷たい鉄が巻きついた。ベッドのフレームに繋がれた手錠。


「っ、悠真……っ、やめっ……!」


「もう言い訳はいい。……罰だ、晴人」


悠真の手が首元を這い、舌が耳をなぞる。


「キスされたその唇。僕のじゃなくなったのなら、全部取り返すしかないよな?」


ぐいと身体を押し倒され、シャツを引き裂かれる。

乳首を吸われ、指で執拗にこねられ、腰を強引に押さえられる。


「他人に触れさせた口も、肌も、全部、汚れてる。俺が浄化してやる」


「ちが……っ、ちがう、ちがうのに……!!」


ぐちゃり――

下肢に差し込まれた指が、容赦なく内部を掻き回す。


「ほら、感じてる。……俺のじゃないと満たされないんだろ?」


「い゛っ、あっ、っああっ……っ!!」


ズンッ!

勢いよく挿し込まれ、悲鳴が喉から洩れる。


「環、とか言ったか……あの女はすでに帰した。金を渡してな」


「な、なんでそんな……!」


「僕以外の名前なんて、忘れていい。……君はもう、俺の以外を知る必要はない」


ズチュズチュと淫らな音が響く中、悠真は熱く突き上げる。


「全部、俺に返せ。お前の快楽も、痛みも、心も、身体も……」


「うっ……ひぁっ、っあっ、やだ……ごめんなさいっ、悠真っ……!!」


悠真の動きがさらに激しくなる。


「……信じて、いたのに」


ガリッ


舌を、噛んだ音。

晴人の唇に熱い滴が落ちた。


「――っ……!?」


「これが、裏切りの代償だよ。……泣いて、許されると思うな」


晴人はその血を、舌でぬぐい、飲み込むように口を吸い寄せた。


「ごめんなさい……許して、許して、悠真だけが、俺の全部で……っ」


「……二度と、誰にも笑うな。お前は俺だけのものだ」


その夜、何度も身体を貫かれ、汗と涙と血が混じったまま、晴人は悠真の腕の中で嗚咽しながら果てた。

君が逃げる理由を、僕が壊す。

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