「…あれ、べるさんは?」
教室に入ると、教室の中にべるさんの姿が見えなかった。
「べるちゃんならさっき体調悪いから休むってラインで言ってたよ。」
「まじかー…」
べるさんがいなくて落ち込んでいると、凸さんがニヤニヤし始めた。
「さもさんべるちゃんのことほんと好きだよな。」
「え、は、ちょ、凸さん!」
凸さんの言葉に俺は顔が熱くなるのがわかる。
「う…ほ、ほら!もうホームルーム始まるよ!」
「はいはい。」
グッドタイミングで鳴ってくれたチャイムに心の中で感謝しながら俺は自分の席に座った。
「…お前ら動くな!」
「え」
授業の途中、突然武装した集団が教室に入ってきた。
「少しでも怪しい動きしたらすぐ撃つからな!」
(…こいつら、テロリスト…?)
ほとんどが悲鳴を上げたり泣いている中、俺は少し冷静だった。
「お前らうるさいぞ!」
テロリストがそう言っても皆は騒いでいた。
その直後、バンッ!という銃声が聞こえる。
すぐに皆が静かになった。
「…そうだな、見せしめに誰か殺すか。」
「…え」
テロリストが俺に近づく。
恐怖で身体が動かなくなる。
「…さもさん!」
おどろくさんが俺の元に近づこうとする。
「…おっと、動くな、お前も撃つぞ。」
テロリストに銃口を向けられたおどろくさんは顔を真っ青にして立ち止まる。
「…!」
俺は目を強く瞑る。
…何秒経っても俺の身体には何ともなかった。
「…?」
目を開けると、テロリストがあの時の助けてくれたリアに蹴られていた。
「(大丈夫)」
俺を見たリアの目はそう言ってるように感じた。
………二回も助けられちゃった。
「…ありがとう。」
俺は小さく、けれどはっきりと感謝の気持ちを伝えた。
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