テラーノベル
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痛みに声を上げたら、さらに酷い暴力が降ってくる。
だから、ショウは声を消した。 父親は理不尽に拳を振るい。
母親は「あなたのために」と泣きながら、二人きりになるとヒステリックにショウを殴りつけた。
誰も味方はいない。
ショウの心から表情と感情が消え失せるのに、さほど時間はかかりまかった。
夜、冷たい地面の広がる家の外へと追い出される。
家の周囲は深い森。
暗闇からは、夜行性の狂暴な野生動物たちが、飢えた眼光を光らせてショウに襲いかかってきた。
最初は、143cmの細い体を縮めて逃げ回るだけで必死だった。
しかし、生き延びるためにショウは学んだ。
動物の動きを見切り、急所を突き、時には素手で、時には拾った鋭い枝で、その命を狩る術を。
12歳になる頃には、野生の獣すらショウの気配を恐れて避けるようになっていた。
そして、12歳の誕生日。
いつも通り家を追い出されたショウは、振り返ることなく歩き出した。
(もう、ここには戻らない)
ショウは賢い子だった。
12歳という若さながら、働かなければ生きていけない現実を重々承知していた。
辿り着いた街で、ショウはひもじさに耐えながら彷徨っていた。
そんな時、大通りで歓声が上がる。
『賞金付き!力自慢大会!』
痩せ細り、虚ろな目をしたショウを見て、周囲の大人たちはニヤニヤと笑った。
「おい坊主、あっちの並びに入りな! 」 背中を押され、舞台に立たされる。
対戦相手の巨漢が、ショウを見下ろして拳を突き出してきた。
──ドンッ!
鈍い音が響いた瞬間、吹き飛んだのは巨漢の方だった。
野生動物の牙を、速度を、暴力を凌駕してきたショウの拳は、大人のそれよりも遥かに容赦がなかった。
呆然と立ち尽くす観客と主催者。
ショウは無表情のまま、差し出された賞金袋をサッと奪い取ると、一目散に近くの酒場兼食堂へと走り去った。
カウンターの隅で、手に入れた金で買った硬いパンとスープを夢中で頬張る。
その時、目の前の席に、凄まじい存在感を放つ影が座った。
身長190センチ。
筋肉バリバリの巨体に、片足は木製の義足。
しかし、その口から出たのは、あまりにも不釣り合いな優しい口調だった。
「ねえ、そこのボウヤ。いい拳を持ってるじゃない。……私のダンジョングループに入らないかしら?」
男──この街で「ダンジョングループ(冒険者事務所)」を営むおじさんは、真剣な目でショウを見つめた。
「うち、最近困っててねぇ。舐めてダンジョンに入ってはすぐ辞める軟弱者ばかりで、主戦力で戦ってくれる子がいないのよ。あんたなら、いい線行くと思うんだけど……どう?」
生きていくためには、仕事が必要だ。
ショウは無言で、コクンと首を縦に振った。
コメント
1件
うわ、びゃさん…第1話から心抉られる重さですね😢 ショウが12歳で「もう戻らない」って決断する場面、胸がぎゅっとなりました。生まれた場所でさえ味方がいなくて、自分で生きる術を身につけていくの、痛いほど伝わってきた… 無表情で賞金奪ってすぐ食いに向かうショウと、190cmの義足のおじさんが「ボウヤ」って話しかけるギャップにくらっときた🫠 荒んでるのに可愛いね、ショウ…。次も読みます。
#気軽にコメントして!!
びゃ
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びゃ
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びゃ
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