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#自作物語
びゃ
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びゃ
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読了しました。ショウが初めて笑顔を見せる場面、本当に胸が熱くなりました。アカネたちがわざと気まずい空気を崩そうと茶化すやり取り、あれが「偽りの優しさ」じゃない証拠ですよね。父親が現れたときの絶望感と、その後の仲間たちのナチュラルな守り方。最後の横転で終わる展開、次の一瞬が気になりすぎます。
「あら、この子が新しいメンバー? よろしくね!」
そう言って快活に笑ったのは、23歳のヒーラー、アカネだった。
杖の先に美しい水晶がついており、彼女の優しさを体現したような佇まいだ。
「へえ、12歳? 俺と5歳しか変わらねえじゃん! よろしくな!」
筋肉ですべてを解決しそうな17歳のボンルが、豪快にショウの肩を叩く。
彼は女性に弱そうな鼻の下を伸ばしつつも、ショウを歓迎してくれた。
「……よろしく、ショウ。私はガイユ」
腰にサムライのように短剣を帯びたガイユが、おしとやかに微笑む。
「メンバーはもう揃ってるから、早速出発よ!」
おじさんに送り出され、ショウたちはダンジョンへと向かう馬車に乗り込んだ。
道中、魔物の襲撃を受ける。
ショウは無表情のまま、ある時は素手で、ある時は剣を抜き、容赦なく魔物を屠っていった。 「ショウちゃん、怪我はない!? 痛むところは?」
アカネが心配そうに駆け寄る。ショウは不思議そうに自分の腕を見た。
少し血が出ているが、痛みは感じない。
「大丈夫……」
ショウは、彼女たちの優しさを疑っていた。
(どうせ、最初は優しいんだ。本性を現して殴るに決まってる)
しかし、馬車の中での彼らは変わらなかった。
ボンルがアカネの下着の色の話をしようとしてガイユに本気で殴られていたり、アカネがショウの細い体を心配して、自分のおやつを分けてくれたり。
(本当に、この人たちは裏切らないのだろうか……)
ショウの頑なな心に、小さなひびが入り始めていた。
だが、目的地であるダンジョンの直前、事件は起きた。
キィィィィッ!! と激しい制動音を立てて、馬車が急停車する。
「な、なんだぁ!?」
ボンルが窓から顔を出す。
道の真ん中に、一人の老女がいきなり飛び出してきたのだ。
ショウはその顔を見て、息が止まった。見覚えがある。
……母親だ。
「ショウ! やっぱりショウじゃないの!」
さらに、道脇の木陰から、酷く酒臭い男が怒鳴りながら現れた。
父親だ。
「このクソガキ、勝手に家出しやがって! どこでそんな金を溜め込んでやがる、寄こせ!」
「ショウ、お母さんを置いていくなんて酷いわ、戻ってきなさい!」
醜い言い合いが始まる。
ショウはただ、カタカタと震えながら俯いた。
(見られた。みっともないところを、仲間に見られた。これで、俺はまた捨てられる)
「ちょっと、あんたたち! 誰に足向けて口叩いてんのよ!」
前に出たのはアカネだった。
ガイユも冷徹な目で短剣に手をかけ、ボンルが割れた腹筋を誇示するように父親を睨みつける。
仲間たちのただならぬ気迫に恐れをなした両親は、「チッ、覚えとけよ!」と捨て台詞を残して森の奥へ逃げ去っていった。
馬車の中は、最悪の気まずさに包まれた。
ショウは完全に殻に閉じこもり、膝を抱えていた。
だが、そんな雰囲気を破ったのはボンルだった。
「いや〜! さっきのガイユの顔、魔物より怖かったな! ほら、アカネ、お前の水晶でガイユの顔照らしてみろよ、絶対呪いのアイテムに見えるから!」
「ちょっとボンル、失礼ね! でも確かにガイユ、般若みたいな顔してたわよ!」
「ふふ、二人とも、あとで裏にきなさい」
クスクスと笑い合う三人。
その馬鹿馬鹿しくも温かいやり取りを見ていたショウの口元が、ほんの少しだけ、緩んだ。
(あぁ……温かいな)
12年の人生で、ショウが初めて見せた「笑顔」だった。
「あ、ショウちゃん、今笑った! 可愛いー!」
「よし、このままダンジョンもサクッとクリアしちまおうぜ!」
車内が和やかな空気に包まれた、その瞬間だった。
──ズゥゥゥゥンッ!!!
大気が震え、馬車が大きく横転した。