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「ということで!一年生諸君!軽音部へようこそ〜!!かんぱーい!!」
黒羽は居酒屋で住み込みバイトしているらしく、夜十時ごろには常連客でごった返していた。店内は活気に満ち、賑やかな話し声と笑い声が溢れている。
「かんぱーい!」
黒羽の合図で六人もコップを掲げる。周りの常連客も盛り上がっていた。
黒羽の元気な声に応えて、六人も一斉にコップを掲げた。グラス同士が軽やかに触れ合い、爽やかな音が広がった。店内の常連客たちも笑顔で乾杯に参加し、雰囲気はますます盛り上がる。卓上にはカラフルな料理や美味しそうな一品が並び、食欲をそそる香りが漂っていた。
黒羽は一人一人に飲み物や料理をサーブしながら、楽しそうに話しかけてくる。彼の目は明るく、心から歓迎している様子が伝わってくる。
「今日は存分に楽しんでな!軽音部の初めての夜、最高に楽しい思い出にしよう!」
黒羽の言葉に、六人は嬉しそうに頷き、笑顔を交わした。新しい仲間たちとの初めての乾杯は、心温まる時間となり、店内の活気と共に一体感が生まれていった。
すると突然、黒羽がビールをつかんで飲もうとした。すちが慌てて声をかける。
「く、黒羽先輩?それお酒…」
「え!?あ、あっぶな!ありがとう!」
黒羽は目を見開いて礼を言った。危なかったーと、すちは胸を撫で下ろした。いるまがジンジャーエールを片手にうつらうつらしていた。
「あれ、いるまくん?」
こさめが声をかけるが、返事がない。ジンジャーエールを持ったまま寝てしまったようだ。危ないのでジンジャーエールを机に置き、いるまを寝かせる。
「酒は飲んでないよなぁ?」
黒羽がいるまの顔を覗き込みながら言った。すると急にいるまが目を開けた。
「あ、起きた?」
「うわぁ!?先輩!?」
目の前の先輩にびっくりしたのだろう。飛び起きて壁の方にシャカシャカと足を動かして走って行った。
「いるまびびりすぎw」
「まじびびったわ〜」
「いやウチもびびったw急に起きるからw」
いるまはジンジャーエールを一口飲むと、暇72のヘアピンをいじり始めた。
「あれぇ?店長〜〜!いるまのジンジャーエールになんか入れた〜〜?」
黒羽がカウンターにジンジャーエールのボトルを持って行った。今にも寝落ちしそうないるまの頭を暇72はそっと撫でた。黒羽がいないと急に静かになるな。そう口の中で独りごちる。
「あ、いるまとひまちゃん寝た?」
LANがフライドポテトをつまみながら言った。見ると、いるまが暇72を抱っこするようにして横になっていた。すちが気まずそうに座布団を二人にかける。みことは無言でコーラを飲んでいた。
「別になんも入ってへんかったかぁ〜…ただ眠いだけか…?いるまオレンジジュースは飲め…え!?」
黒羽がカウンターから帰って来た。…あ、これ…なんとなく予想はつく。
「うわー仲良いなぁ…!尊い!」
あれ、思ってたのと違った。もっと勢いよく突っ込むかと思いきや、まさかの反応だった。
「二人も寝ちゃったし、もうすぐ帰るか。」
時計の針は十一時をまわっていた。