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僕らはまだ死にたくない!!
第14話.過去2-2.
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🧸*̩̩̥ (他人格)目線
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(玖音(12))目線
私は使命を果たす為作られた。
私には名前が無かった。
ただ久玲葉ちゃんの中に出来た
ただの人格だったから。
久玲葉ちゃんの中に出来た
ただの感情だったから。
久玲葉ちゃんには両親とお兄ちゃんが居た。
私には……。
私には無理だ。
久玲葉ちゃんの気持ちは分からない。
永遠に。
両親なんて……家族なんて居ないから。
私には……。
分かんないから。
他の人格に……。
……いや。無理か。
だって私達には……。
(久玲葉(18))目線
十二歳の人格は人一倍責任感を感じていた。
私は仕方ないって言っていた。
私達のような後から造られた……。
後から付けられた人格に家族なんて居ない。
家族なんて存在の大切さ。重要さ。
そんなもの分からない。
考えるなんて馬鹿みたいなことしてる暇なんて無い。
早く久玲葉ちゃんの精神を
安定させてあげなきゃ。
私達のような人間……や。モノに出来ることは
それしか無いのだから。
使命をやり遂げ無ければ私達が出来た
意味が無い。
それでも十二歳の人格は責任感を
捨てなかった。
(五歳)目線
私はいつも久玲葉ちゃんと一緒に居た。
お姉ちゃん達はいつも難しい事を話してた。
いつも難しい顔をして。
私はそれが分からなかった。
脳が足りてないから。
私はお姉ちゃん達にいつも久玲葉ちゃんの
隣に居るように命じられた。
それが私の使命だった。
私は久玲葉ちゃんの隣に居たからお姉ちゃん達
が知らない久玲葉ちゃんを知っていた。
とても怖がりだけどいつも自分よりも年下の
二歳の人格を気にしていた。
精神状態はとても悪かった筈なのに。
いつも笑っていた。
[私の前では泣いてもいいんだよ。]
そう言った時には久玲葉ちゃんは
驚いた顔をした後
一瞬笑った。
でもすぐに顔をベチャベチャにしながら
泣いていた。
これまでに無いくらい。
(二歳)目線
僕はいつも無理して笑っているお姉ちゃんを
見ていた。
でもある時五歳のお姉ちゃんの前で
大きな声を上げながら泣いていた。
[やっと泣いてくれた。]
そう思った。
お姉ちゃんに話しかけに行きそうになった時。
僕に課せられた使命を思い出した。
僕は二歳の小さな男の子を……。
なんて。
これはまだ僕の番じゃ無いか
(五歳)目線
久玲葉ちゃんが元気になってきたのは
この頃からだと思う。
少しずつ私達のような他人格に心を開いて
沢山話せる様になった。
表に出ることはまだ出来なかったけど。
それでも少しずつ元気になった。
表に出ることが出来ない
久玲葉ちゃんの代わりに
私は表に出ていた。
久玲葉ちゃんと同い年だから色々と
似ている部分があったのだろう。
それでも私と久玲葉ちゃんは違った。
私は久玲葉ちゃんの代わりに慣れなかった。
久玲葉ちゃんの十歳の誕生日。
久玲葉ちゃんが待ちに待ったお兄ちゃんが
久玲葉ちゃんの事を迎えに来た。
その時初めて久玲葉ちゃんが自ら表に出た。
久玲葉ちゃんとお兄ちゃんは
十歳の年の差があった。
久玲葉ちゃんが十歳の時。
お兄ちゃんは二十歳。
久玲葉ちゃんはとても嬉しそうだった。
待ちに待ったお兄ちゃんに会えたから。
でも。
その時は……。
その幸せは…。
一瞬にして消え去った。
(十二歳)目線
久玲葉ちゃんが自ら表に出て。
少し時間が経った時。
お姉ちゃん(十八歳)がブツブツと独り言を
言っていた。
私達のような存在は使命が終われば
居なくなる。
そう決まっていた。
でも居なくなるような雰囲気は無い。
私が違和感に気付いた時には遅かった。
久玲葉ちゃんは……。
久玲葉ちゃんのお兄ちゃんは……。
___交通事故にあった。
交通事故にあったのは
久玲葉ちゃんのお兄ちゃんと
もう一人の女の人。
お兄ちゃんには久玲葉ちゃんが。
女の人には男の人が。
目の前で大切な人を失った。
事故を起こした人は居眠り運転をしていた。
近くに居た人が救急車や警察を呼んだ。
すぐに警察が来た。
久玲葉ちゃんはお兄ちゃんに押されたから
軽傷で済んだ。
きっとそれは男の人も同じだろう。
救急車が来てすぐに病院に運ばれた。
でも、助かることは無かった。
運転手さんは逮捕され、久玲葉ちゃんと
男の人は警察の人が精神状態が不安定とみなし
事情聴取みたいなものを受けさせた。
男の人はとても泣きじゃくっていたと言う。
それは当然だ。
大切な人を目の前で無くしたのだから。
出来ることなら自分が変わってあげたいくらい
だろう。
でも。
それが出来ないのが現実だ。
男の人は久玲葉ちゃんよりも早く回復した。
男の人は女の人の遺体を引き取ったらしい。
自分の最愛の人の最後は自分で送り出したい。
そんな感じだろうか。
久玲葉ちゃんの回復はとても遅かった。
初めて見た時の様に閉ざしてしまったから。
もう戻らないかもしれない。
そう何度も思った。
久玲葉ちゃんは入院する事になった。
入院先は優しい人ばかりだった。
久玲葉ちゃんはそこで、お散歩がルーティンに
なった。
いつも通りお散歩をしていたら、___
西さんに誘拐された。