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日帝 side
『…ここは、一体…』
「あ、兄さん起きた」
「本当だ、兄さん起きた」
『海、空、二人もいたのか。』
確か俺たちは死んだはず。じゃあここは死後の世界か?
そうだとするなら、さっきから感じている妙な浮遊感も納得がいく。
「なんかここ、変な感じがする…」
『この場所は恐らく、死後の世界というものだろうな。』
「じゃあ僕たち自由ってこと?なんかここ、ずっと空を飛んでるみたいでなんか楽しい!」
「死んだ後も元気だな、お前は…」
自由に歩き回っている空と、なんだかんだついて行ってる海。
変わらない二人を見て、なんとなく安心した。
二人のことを視界の端に入れつつ、辺りを見渡す。
特に変わったものとかはない、いや、この空間自体がだいぶ特殊で、本当に何もない。
例えるなら…空の上?穏やかな海に浮かんでる?みたいな、本当に何もないところ。
上を見ると、ずっと遠くの方に何かが見えた。星のように小さいなにか。
小さすぎて何かわからない。あれはなんだ?
「兄さーん!こっち来て!!」
『…あぁ、今行く!』
空が大声で呼んでいたので、急いでその場所に向かう。
手招きをされたのでもっと近づいてみると、足元に何か、取っ手のようなものがついていた。
なんだこれ、開くのか…?
「なんだろうこれ。」
「むやみに触らない方がいいんじゃないか…?」
『…いや、これ以外に今のところ何もなかったから、とりあえず引いてみよう』
「じゃあ僕これ開ける!」
「えぇ…本当に大丈夫なの?」
「多分大丈夫でしょ、だってもう死んでるし!海は心配性なんだからー」
そう言いながら空が取っ手を引く。
そこには先が見えない、真っ暗で不気味な空間が広がっていた。
すると突然、何者かに押されたような、そんな衝撃が背中に伝わった。
そのまま前のめりになり、
『っ!』
「わっ、ちょ、」
「兄さん!空!!っ、」
俺たちはその謎の空間の中に入っていった。
〈あ、来たんだ〉
どこからか声がして目が覚める。
そこにはジャージ姿で濃い隈がある一人の人間がいた。
隣には海と空もいる。
「誰だ」
「ここはどこなの?」
『…』
念のため、刀に手をかけていつでも戦闘状態に入れるようにする。
目の前の人物は慌てた様子で
〈ちょ、怪しい人じゃないですから!いや寝てないしこんな顔だしそりゃあ怪しまれるか
とにかく僕は何も能がないただの一般人ですって!〉
そう言って手を上げ、降参のポーズをとった。
とりあえず、危害を加えるつもりがないというのは何となくわかったが…
〈えっとですね、えー、なんていえばいいんだろう…
あなた方って既に亡くなってますよね。〉
『なぜ知っている』
〈待って待って抜刀しようとしないでとりあえず話を聞いてほしいでございますすみません〉
〈まあ本当に用件というか、大事なことだけ言っちゃうと、
これからあなた方を日本さん達と同じところに送ろうと思いまして。〉
「…どうやって?」
〈ほら、日本って自衛隊とかいるじゃないですか。ってかいるんですよ。すんごい凄い方々が。
それで自衛隊って3部隊からなってるんですよ。
「陸上自衛隊」「海上自衛隊」「航空自衛隊」
つまり、あなた方を新しく自衛隊として…言い方あれだけど復活させる?みたいな感じです。
あ、もちろん姿も名前も変わるわけじゃないし、全然もう死ぬ前と同じようにしていただいて。〉
『……にわかには信じられん。何が目的だ』
そいつの話を聞くと、どうも俺たちにしかメリットがないようにみえる。
一体見返りとして何を求めるんだ?
…まあ、その見返りが何であれ、もう一度日本達に会えるなら俺はなんでもする気だ
〈目的なんてそんな!!ただの僕のエゴですよ。
…僕死ネタとかバドエンメリバも好きですけど、やっぱ自分の作品の登場人物たちは最終的には幸せになってほしくて。
僕付き合ってた人が事故って死んだことがあってね。それもあるのかなー、悲しい思いしてほしくないんだよね。
さて、さすがに話過ぎたわ、そんじゃ、今からあっちに送るから元気でね~〉
『あ、おい待て!』
「また落ちるの!?」
突然足元が崩れ、そのまま落ちていく。
結局あいつは何者だったのだろう、あの場所はなんだったんだ?
そう考えているうちに突然眠気が襲ってきて、俺はそのまま意識を手放した。