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―――ひかる。
友達だった昔はそう呼んでいたが、今は滅多なことでは呼ばない。なぜなら、今の照とふっかは王子とメイドだ。立場があまりに違いすぎる。2人っきりだとしても呼ぶのは恐れ多く、それをふっかが拒んでも照はどうにか呼ばせようとする。
ふっかがいつまで経っても呼ばないものだから、照は不満げに口をムッとしながら、きっちりと着こなしたメイドの服に手を伸ばした。
「だから、ダメですって…!」
照の手を拒もうと、両手を使って止めようとするが上手くいかず。しかも照が艶のある瞳で見つめてくるので、どうしていいのか分からなくなる。
「いいじゃん……なぁ?」
「………」
「じゃあ、王子命令」
吐息混じりに言われ、ふっかは顔を強張らせる。
照にそう言われてしまえば逆らえない。王子の命令は、メイドにとっては絶対だった。
頭を巡らせて悩んだ挙句、無理に自分を納得させるかのように目をギュッと瞑り、次第に手の力を抜き始めた。
それを良しとしたのか、照が優しく唇を合わせると、ふっかは顔を真っ赤にさせながら狼狽えた。これから淫らな行為が始まる―――そう宣言されているようで、恥ずかしくて堪らないのだ。
それでも照の行動は止まらない。啄むようなキスをしながら、照はふっかの衣服に手をかけた。一見余裕そうにしているが、早くふっかを抱きたい気持ちが先走り、脱がそうとする手つきが乱暴になる。
それを間近で見つめるふっかは、眉間に皺を寄せる。
「…服…し…しわ…」
「……大丈夫、気をつける」
照は息を荒くしそうになりながらも丁寧な手つきになる。ふっかが着てきた服が皺になってしまえば、この部屋から出た時にすれ違う人たちが不思議に思うだろう。それをふっかは心配していた。
脱がそうとする照に大人しく従い、押し倒されながら下着だけの姿になる。
可愛い柄も刺繍もない薄紫一択のスポーティーな下着に、照はクスっと笑う。
「……相変わらず色気ないな。もっと可愛いやつ、買ってやるって」
自分の下着をからかわれてふっかは恥ずかしさと怒りで赤かった顔が更に真っ赤になり、口をギュッと噤みながら視線を逸らす。
「ごめん、ごめん。怒んないで」
慌てながらふっかの頬に優しくキスをする。それでも機嫌が直らず、ふっかが口をへの字にしていると、照は別なところに手を伸ばした。
「ふっかの胸、相変わらず形キレイだ……」
ふっかの下あごにキスをしながら、下着の上から胸の形を確かめるかのように優しく包む。
「だ、だめっ!」
ムニッと掴まれた瞬間、ふっかの言葉遣いが昔に戻ってしまう。やってしまったとふっかは顔を青ざめるが、照はニヤッと笑って手つきを強くする。
「んっ…!」
柔らかさの中にも弾力がある乳房は、思い通りに形が変わりながらも、照の手に吸い付くようだった。だんだんと乳首の方へ刺激をしていくと、ふっかは甘い吐息を出しそうになるが、必死に自分の口を押える。
「声、出して」
照の甘ったるい声が耳元で聞こえ、ふっかの身体はぞくりとしたが、誤魔化すかのように頭を思いっきり振った。それに機嫌を悪くした照は下着を捲って乳首を咥え始める。
「ああっ…!」
すでに硬くなっていたそこを甘噛みされて、 ふっかは声を出してしまう。嫌だと視線で訴えても、照はまるで面白がるかのように行為を続けた。
しばらく乳首への刺激を与えられて、ふっかは腰が僅かに揺れながらもなんとか耐える。が、気づいた頃には照は下半身へと手を伸ばしていた。
「んんっ!」
穴を下着越しに指で突かれ、ふっかは目を丸くする。
乳首への刺激によって愛液で溢れてきたそれを、照は教えようとわざとらしく指でクニクニと動かす。
「濡れてるけど……ふっか、ここ好き?」
「す、好きじゃ―――「じゃあ、こっち?」」
布越しに陰核を押し潰すように捏ねられて、ふっかの身体は奥底からぞわぞわとした、擽ったい感覚が湧いてくる。
「……んっ……」
ふっかは吐息が漏れないように口を結び、今の状況に我慢する。しかし、照は陰核に刺激を与えつつ、乳房にも再度手を伸ばしていやらしく揉んでくるので、感覚が徐々に大きくなってくる。
「…っ……」
ふっかはこれ以上快楽の波が大きくならないように、必死に喰いしばっていると、照が耳元で囁いてくる。
「イきたい感じ、ある?」
「……行くって、どこに?」
その吐息が耳殻に触れるだけで、産毛が逆立つような快感に見舞われるが、表情に出ないように堪える。そんなふっかを見て、照はまだだめか、と大きく溜め息を吐く。
照はいつもふっかの身体がぞわぞわしてくると、この質問をする。しかしふっかは質問の意図が分からず首を傾げる。
そもそもこの状況でどこに行くというのだろうか。
不思議そうに見つめると、照はますます大きな息を漏らしながら、ふっかのショーツをずらして蜜口に指を滑り込ませる。
「ここは濡れてんだよな…」
愛液が溢れているそこは容易に照の指を受け入れようとするが、恥ずかしくてふっかは無意識に逃げ腰になる。照はそれを許さず、ふっかの肩を掴んで押しとどめ、音をわざと立てるかのように指を抜き差しする。
ぐちゃ、ぐちゃと淫らな水音が部屋に響き、それが自身の恥ずかしい場所から聞こえてくる現実に、ふっかは顔から火が出るかのように真っ赤にさせ、それを隠すように手で覆う。
照は手の動きを止めることなく、ねだるように声を漏らす。
「顔見せて」
「いや、ぁ!」
「強情だな…」
「あっ…!」
指の本数を増やしつつ抜き差しをするスピードも上げってくると、ふっかはなんとも言えない感覚に陥る。
照は意地悪だ。ふっかが命令に背けないのを知って、身体の関係を求めてくる。だからふっかは必死な思いで耐えることしかできない。身じろぐ回数が増えるせいで、しっかりまとまっていた髪もいつの間にか解けていた。
シーツにふっかの美しい髪が広がり、それもまた扇情的に映る。だが、そんなことも気が付かないふっかは早く終わって欲しい、そう切に願っていた。
すると、突然指が抜かれる。
「んんっ…」
これでもかと言わんばかりに動いていた指がなくなり、ふっかは物寂しそうな声が出てしまう。慌てて顔を覆っていた手を口に集中させると視野が明るくなり、照と目と目が合う。
今にも草食動物に食らいつくかのような獣の顔つきをし、ハァハァと息も乱している。
「我慢できない…」
いつもよりも低い声で唸るように言われ、ふっかは身体を強張らせ、その場で固まる。
正直に言うと、ふっかはこの瞬間が苦手だった。
照とは今でこそ王子とメイドという関係だが、昔は友達のように遊んでいた時期があった。その時の彼は愛らしい友達だったが、今は雄のように感じてしまって別人のように見えて嫌なのだ。
そんなふっかの心境を照が悟れるはずもなく、下肢の衣服を寛がせ、猛りだった性器を取り出す。
ふっかが身体をビクつかせると、照は宥めるように名前を呼んだ。
「ふっか…」
照はゆっくりとふっかの両足を割って入り、太ももを押し広げる。散々弄った蜜口に屹立を宛がうと、ふっかは痛いのを我慢するかのように眉間に皺を作りながら目をギュッと瞑る。
「大丈夫…」
安心させるかのように額にキスを送りながら、照は腰を押し進めた。
愛液のおかげでスムーズに中に入るが苦しいものは苦しい。ふっかは眉間に皺が増えつつ、片手は自分の口を塞ぎ、もう片方はシーツを強く握る。
照と身体を重ねたのは、片手で数える程度しかない。それでも膣は照の形を覚えているかのようにしっかりと捉え、その締め付けに照は呻き、我慢できないと言わんばかりに収めたと同時に腰を動かし始めた。
本当ならもっとふっかを快楽の波に溺れさせたくても、照には耐え性がなかった。性欲に負けて乱暴になりつつも、僅かに残った理性でふっかを気遣いながらそれを押しとどめようとする照の葛藤を感じ、ふっかは抱かれながらに考える。
この関係について照はどう思ってるのだろうか、と。
照は王子だ。いつか身分の高い女性を娶らなければならないというのに、どうして自分を抱くのか。それはいつ考えても、皆目見当もつかなかった。
出会った頃は互いに身分を意識せず、友達として接していた。その時から照は常にふっかを傍に置きたがっていたし、それは今も同じで、きっと甘える相手がおらず、慰め者として自分がちょうど良いのだろう。
少し胸が苦しい気がするが、王子である照がそのように求めるのであれば仕方がないと身体を開く。
(まぁ、減るもんじゃないし…)
初めて抱かれた時は恐怖と痛みしかなかったが、数をこなせば少しばかり慣れてはきた。
「ふっか……ふっか……」
照が自分の名を呼びながら、腰を強く押しつけてくる。
近頃身体を重ねていると、身体がむずむずとした変な感覚になる。この感覚が大きくなるのが怖いと思いながら、その揺さぶりに耐える。
照の腰の動きが激しくなり、肌と肌がぶつかる音が生々しくて、ふっかが顔を真っ赤にしている。すると、照がふっかの耳に唇を寄せた。
「ふっか…好き……」
まるで砂糖のように甘く囁かれて、ふっかはどうしていいのか分からなくなる。
事あるごとに照はふっかに「好き」だとか「愛してる」とか言ってくる。だが、ふっかはメイドだ。その言葉には応えられない。
照には早く身分に合った女性と結婚して欲しい。そして、この関係が終止符に付けても―――ふっかはメイドとして傍に仕えたかった。
照が王子から王となり、妻と子を為し、その子どもが成長する。
それを近くで見守ることが出来たら―――それだけふっかは幸せだった。
照が幸せだったら、なんでもいい。それ以上なんて望まないし、望みたいとも思わない。
だからこそ、ふっかはこの淫らな関係を終わらせたかった。
そんなことを思っていると、照は動きを止めて屹立をズボッと抜く。そして、ふっかの腹に向かって性器を扱いて精液を撒き散らした。
ふっかはぼんやりと照の様子を見ながら、この不毛な関係に息苦しくなった。
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