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「気持ちよさそうだけど、ダメなの?」
「きっ、気持ちよくないし…!そういう問題じゃ…っ」
言いかけた唇は、またしても強引に塞がれた。
今度は、逃がさないと誓うような激しさで。
歯列を割って入り込んでくる舌の熱さに、意識が白濁していく。
「はっ……んぅ……」
押さえつけられた手首。
私の肌を這う、彼の熱い指先。
腰から太腿へと、ドレスを押し上げるように移動していく手のひらが、焦らすように肌を滑る。
その感触に、ゾクゾクとした快楽を感じ始めている自分に、ひどく戸惑った。
「気持ち良いんでしょ? ほら……強がらなくても、素直になっていいんだよ」
耳元で囁かれる低く掠れた声。
その振動がダイレクトに脳を揺らす。
涙目になりながら彼を睨みつけるけれど
彼はそれを「もっと触ってほしい」という合図だと受け取ったかのように、さらに指先を動かした。
(絆されちゃ……ダメなのに……っ!)
必死に理性を保とうとするけれど、触れられるたびに身体がどんどん敏感になっていくのが分かる。
「こ、こんな…したって……好きになったり……しないん…だから、ね……っ」
「ふっ、そういう強情なところも本当に可愛いね」
悪魔のような笑みを浮かべる彼の姿が、涙でぼやけていった。
「ば、ばかにしないで……っ」
「してないよ、ただ……君のそういう反抗的なところが、凄く興奮するんだ」
その一言と共に再開される、逃げ場のない愛撫。
抗う術もなく翻弄されるしかない自分への嫌悪感と
それを上回る激しい快感が、私の思考回路をショート寸前まで追い詰めていく。
(もう、怖い……! なんでこんなにキス上手いのよ……感じたくないのに、身体が勝手に……っ!!)
「でもいいよ。セシリーの身体に、少しずつ教えてあげるから。誰のモノなのかをね」
熱に浮かされた頭の中で、思考がぐるぐると渦巻く。
けれど、彼が私のすべてを暴き
暴き立てるように求める中で、結論を出す暇など与えられないまま、夜は白々と明けていった。
◆◇◆◇
その後のことは、ほとんど覚えていない。
ただ一つ、魂に刻み込まれるように確かだったのは。
「愛しているよ、セシリー。一生、私の檻の中で愛でてあげる」
狂おしいほどの激しい愛撫を受けながら
何度も、何度も繰り返し囁かれ続けた、その呪いのような愛の言葉だけだった。