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いかりというものをしりました。
わたしは女の子のおかあさんをゆるせないらしいです。わたしもそれはかんじました。
わたしは女の子のことが大好きです。
わたしといっしょにあそんでくれた。わたしのはじめてのおともだちになってくれた。こんなにきたないわたしの。
女の子のきれな青い目がわたしをうつしてくれてる。その目に。人生ではじめて、わたしを見てくれる人がいた。
でも、女の子のおかあさんとおとうさんはその目をよごしてる。女の子をけがしている。わたしの、わたしだけのあの子を。
そんなの、ゆるせない。
許せるわけ、ないでしょう。
わたしがたくさんのことをおもってるとおかあさんがわたしにいいました。
「そんなに許せないなら殺せば?」
わらいながら、かるくいいました。
おかあさんはわたしがほんとうに生まれたすぐのこと、おりょうりでつかう、あぶないものでおとうさんをさしました。おかあさんはそれが『殺す』ということだと、おしえてくれました。
おとうさんいがいにも、おかあさんはいつも来る男の人をさしています。
「わたしもそれすれば、女の子のことしあわせにできる?」
「その子のこと傷つける奴らなんていいんだよ。大事な子なんだろ?」
「だいじな…」
わたしは女の子が大好きです。
ぜったいぜったい、だれにもわたしたくないです。
だれにも。
女の子としょうらい、けっこんしたいです。
女の子とずっとしあわせにくらしたいです。
そのためには、女の子のおかあさんとおとうさんはじゃまです。
「おかあさん、その殺すってどうやったらできる?」
わたしがきいたらおかあさんはにこっとわらってくれた。
「私のバッグ貸すからそん中に入れときな。指紋なんて気にしないでいいんだよ。あんたはこの世に居ないんだから」
そういうとじゅんびをしてくれました。
明日、あさおきたら、女の子とこうえんで会って……。
「だったら、わたしもいきたい…!!」
わたしがいえに1人でいくというと、女の子はふあんそうな、しんぱいそうなかおをしてわたわたとそういいました。
「だいじょうぶだよ!お名前きくだけだしっ!!」
わたしは女の子ににこにこえがおでそうこたえると、女の子のあたまをぽんぽんとなでて、こうえんをでました。
女の子のいえは、さいしょに女の子がつれられたときに、あとをついていって、わかりました。
こうえんを出て右にいって、そのあとまた右、その次は左……。あまりこうえんからはなれてないから、左や右になん回か曲がるだけですぐにいえにつきました。
ピンポンをならすと、女の子のおかあさんとおとうさんがあばれるかもしれないし、出てこないかもしてないので、いちおう、ドアがあくかかくにんしてみました。すると、ドアはかんたんにあきました。
「おじゃましま〜す…」
ちっちゃなこえでそうこたえて、わたしはドアをしめました。
ドアをしめて、おくつをぬごうと下を見たとき、わたしはいかりがこみあげてきました。
そこに、こどもようのちっちゃなおくつがあるんです。それぞれ、ばらばらにおかれていますが、たぶん女の子ように、むかしおかあさんとおとうさんがかってあげたんだとおもいます。
わたしはゆるせませんでした。
どうしてむかしはしあわせだったのに、女の子のしあわせをうばったのか。どうして、しあわせだった女の子の、美しくかがやいている女の子の目を、ひとみを、よごして、けがしているのか。どうして…どうして…。
ゆるせない。
女の子はそのしあわせが大切だった。女の子はそのしあわせな時間が大好きだったはずなのに。どうしてしあわせだった時間が消えてしまったのか。
ゆるせない。ゆるせない。
ゆるせない。
ユルセナイ。
許せない
許セナイ。
許さない。許したくない。絶対に。
私は女の子の親を許せなくなり、靴を脱いでそのまま女の子の親の元へ行った。念の為、一応は鍵を詰めておいた。誰かに邪魔をして欲しくないから。
女の子の親の元へ行くと、そこは目に見えて地獄絵図だった。
母親の方は頭を掻き毟り、床に小さく頭をぶつけ、を繰り返し、枯れきった声で叫んでいる。父親の方は毛布にくるまり、パーカーを被り、目は虚ろでぶつぶつと何かを呟いている。壁や床、机には所々に母親のと思われる血がついていて、ゴミ袋が山積みになり、蝿が集り、机の上にはいつのかも分からないカップラーメンと私がいつも食べていたサンドイッチの食べかけが置いてあった。
「あの」
私はそんなことはお構い無しに女の子の親に話しかけた。母親の方は驚きと警戒の目で私を見て、父親の方は話しかけられてもまだぶつぶつと何かを唱え、頭をこっちに向けても、その虚ろな目に私は何も映っていなかった。
「女の子のお父さんとお母さんですよね」
私はぶっきらぼうに女の子の親に対してそう言い、鞄の中から包丁を取り出し、鞄を床に落とした。そして、鞄の中から出した包丁を女の子の親へと向けた。
今から、言いたいこと全部言うんだ。それから、女の子のを、女の子の瞳を汚して穢したこいつらを、女の子と同じように穢すんだ。汚すんだ。
真っ赤な液体で。体を真っ赤に穢すんだ。