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絹ごし木綿豆腐
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sik「 」のみ 他の人 名前+「」本文中にキャラクターの死亡描写が含まれます。苦手な方は閲覧をご遠慮ください。
kgt「……っ、うるさい、何も言わんで……!もういいから!もう無理、無理なんや……! ほっといてって言ってるやん! 僕を一人にしてよ!!」
カゲツくんの怒鳴る声。
俺とリトくんは目を合わせ頷き声のする方へ急いで向かった。
声はカゲツくんの部屋から響いていた。彼の部屋の扉は開いていて、中からウェンくんが押し出される。
akg「うわっ、!ととっ」
ウェンくんを追い出したあと部屋の扉は勢いよくバタン!と、閉じられ扉の外にはウェンくんが立ちすくんでいた。
「どうしたの?!ウェンくん。なにがあったの」
慌てて俺が聞くも、どこか上の空のようだった。リトくんの呼び掛けで現実に戻ってきたのか、いつものように
akg「んぇ、あぁ…なんでもないよ〜」
というふにゃっとした返事が返ってきた。
akg「ただ…ただ、カゲツきゅんを慰めようと…なぐ、さ…め」
ポツリ、ポツリと話し始めた彼の目にはだんだんと涙が溜まってきてとめどなく溢れてきてた。
「あわわわわっ?!え゛ッ、ウェンくん!大丈夫?!ぇーと、どしよ!どーしよ!💦」
usm「テツ、落ち着け。どうしたんだウェン」
慌てふためいている俺の横でリトくんがウェンくんに問いかける。
akg「だいじょーぶ、ッグス…ダイジョーブだから!何にもないから。気にしないで」
彼は強がる。心配をかけたくないのか…
usm「泣いてて大丈夫なわけ、ないだろ!」
そう言ってリトくんは、ウェンくんと俺の手を引っ張って部屋に連れてく。
usm「…んで、テツは落ち着いたか?」
「はい、シュミマシェン」
パニクってるところをここでは歳下のはずのリトくんに落ち着かせてもらった。本来、俺がする立場のはずだったのに。
usm「ウェン、話せそうか」
リトくんがウェンの方を見ると、ウェンくんはいつもの笑顔で、
akg「いいけど、何もないよ〜」
と、言って起きた事を話してくれた。
akg「ほら、マナが死んじゃってからカゲツきゅんってずっと塞ぎ込んでたじゃん?ずっと会えてなかったし。だから話そうと、部屋に行ったの。何も話せることなかったのにね…んで、部屋に行ったっけ追い返されちゃったの。僕は、ただ…」
そこまで話したウェンくんの目には、また涙が溜まり、引き攣った笑顔があった。
akg「ただ…ヒッ、グズッ吐き出して欲しかった。上手いことなんて何も言えない。ぅ゛ーズビッ…気の利いた慰めも、傷を治す薬も持ってない。何もでぎない、それでも、本当に…ウッぅッ話して欲しかったの。泣き叫んだっていい、マナ名前を呼んで叫んだっていい、めちゃくちゃな言葉でいいから、全部僕に吐き出して欲しがったんた゛。」
ウェンくんは、ぐしゃぐしゃになった顔を両手で覆い、掠れた声を絞り出した。指の隙間から、堪えきれない涙が次々と溢れて床に落ちる。肩が激しく上下した。鼻をすすり、震える手で何度も涙を拭うけれど、一向に止まる気配はない。いつもは誰かの涙を拭っていた彼の、それは年相応な、あまりにも幼く無力な姿だった。
話を聞いていた俺とリトくんの目には涙が溜まっていた。普段本音を話さない彼の本音が聞けた。皆何かを抱えている。当然、ウェンくんもカゲツくんもそれぞれの想いを抱えている。そこに気づけなかったのが悔しい。話を聞いてあげられなかったのが悔しい。もっと吐き出して欲しかった。俺もリトくんもそう思っただろう。
usm「…それをカゲツに聞かせに行かなきゃだろ。あいつはお前のことが大好きだ。兄のようにも思ってる。ウェンのその思いを聞かせたらカゲツも話してくれるだろうし」
akg「…グスッでッ、でも…」
「俺もリトくんに賛成だね。カゲツくんならわかってくれる。そう思ってる。今、彼には話せる人が必要だと思う。」
akg「、!」
ウェンくんがハッとした顔でこちらを見る。
akg「…また、いって、いいのかなぁ?」
涙を拭った彼が聞く。
usm,tt《もちろん》
最後の涙を拭い、顔をキリッとさせ、宣言する。
akg「わかった。もう1回!行ってくる!ありがとー!」
彼はすぐ部屋から出ていき、カゲツくんの部屋へ足を進める。
「リトくん、今回はありがとう。」
ウェンくんが居なくなった部屋で呟く。
usm「迷惑、かけたからな…」
「いいや、あれは迷惑とは思ってないわ」
usm「いや、俺が思ってるからいーの。」
「いやいや、」
usm「いやいや、」
なんてことをやってると、走る足音が近付いてくる。そして、扉が勢いよく開き、
akg「ねぇ、カ…カゲツきゅんが、いないのッ!」
ウェンくんが震えた声で訴える。
俺は急いで部屋から出てカゲツくんの部屋へ向かう。なんだか廊下…いや、施設も外も仄暗くなっていた。皆異変に気づいたのか部屋から出てきていた。
カゲツくんの部屋に着く。扉が開けっ放しになっている。
「カゲツくん!」
そう呼んでも返事は返ってこない。部屋中探したが、何処にもいない。今、いなくなるのは非常にマズイ。今の彼の精神状態なら何をするか分からない。一刻も早く見つけなければ!
とりあえず施設の中を手分けして探してみる。
皆で探すが、何処にもいない。ロウくん曰く、施設の中か、周辺ぐらいで気配がするらしい。施設の中は全滅か…なら、外か?
ウェンくんが思い出したように言う。
akg「もしかしたら、いや…そうかも!」
と言って走り出す。向かった先は施設の外でベンチがついてる大きな桜の木の方向だった。
皆ウェンくんを追いかけて走り始める。
ウェンくんは先に行ってしまったようで遠くにいる。桜の木の下で固まっていた。嫌な予感しかしなかった。次の瞬間
akg「カゲツきゅん!!」
ウェンくんの叫び声が響き渡る。
急いで木の下へ行くと、血の海の真ん中で、ウェンくんがカゲツくんを抱き抱えながら座り込んでいた。
akg「ねぇ!カゲツきゅん!しっかりしてよ!なんで、なんで死んじゃうの、!やだよ!」
カゲツくんからは浅い呼吸音しか聞こえない。なにかを話そうとしてるのか口は動いているが何も聞こえない。
akg「なんで、抱え込んじゃったの!死なないでよ…吐き出してよ!カゲツきゅんの想い…もっと話して欲しかったよ゛!!」
『話して欲しかった』
その叫びが響いた瞬間、カゲツくんの顔からそれまでの張り詰めた苦痛が、すうっと引いていくのが見えた。取り返しのつかないことをしたという激しい後悔の涙がその頬を伝う。けれど、それと同時に彼の口元が、ほんの微かに、本当に微かに綻んだ気がした。それは、ずっと欲しかった答えをようやく貰えたかのような、酷く切ない安堵の表情だった。カゲツくんの口から何かが聞こえた。1歩離れたところにいる俺には聞こえなかったが、ウェンくんにはしっかりと聞こえたようだった。
akg「なんで、ンズッ…なんで今、」
血を失い、生気が失われてく彼の瞳に、最期に小さな光が灯る。もっと生きたかったという後悔もあるが、最期にウェンくんの本音を知れて安心したのか…
最後の息をふっと吐き出し、呼吸が完全に止まった、その時だった。それまで空を覆っていた重苦しい曇天が嘘のように割れ、窓から狂おしいほどの黄金色の陽光がなだれ込んできた。彼の笑顔を彷彿とさせるような。一歩後ろの俺の視界を真っ白に染め上げるほどの、あまりにも唐突で、暴力的なほどの晴天だった。
2人の涙を輝かせる。
この場所に来てから初めての快晴だった。
あとがき
おほーん。kgtはまさかの自殺ENDでした。次は誰になるのでしょう。
コメント
1件
ああ、これは…めちゃくちゃ重い回だったね…。 ウェンくんが本音を吐露するシーンでウッてなったよ。「話して欲しかった」ってあの叫び、ずっと我慢してた分だけ響くものがあってさ。普段ふわっとしたキャラが泣き崩れるギャップが刺さる。 で、カゲツくんの最期の微かな笑み…あれ、ウェンくんの本心がちゃんと届いて、初めて報われたような表情だったのが余計に切ない。 最後の快晴がもう、残酷すぎるだろ…次が誰になるか気になりつつ、今はちょっと余韻に浸らせてくれ。