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ドンッ!

何か大きなモノがが落下したような、

そんな音が鳴り響いた。

ここは地底の世界。もちろん空なんて見えない。

上を見上げればそこそこ高い天井があるだけ。

洞窟のような場所だった。

僕は、この地底世界を治める王であるアズゴアとその妻であるトリエルの一人息子だった。

その日は、ちょうど昼頃に起きたんだったかな。

11:00くらいに起きて、ママがバタースコッチパイを焼いてくれていて、そのパイを食べ終わってから、僕は少し遺跡の方を散歩しに行ったんだ。

そしたら

あの落下音が聞こえた。

僕は咄嗟に、音が聞こえた方に行った。

そしてたどり着いたのは遺跡を抜けた先にある小さな花畑のような場所だった。

その花畑には、1人のニンゲンがいた。

きっと落ちてきたのはあの子だろう。

僕はニンゲンを見るのが初めてだったから、とても心がはずんだ。

僕の存在に気づいたニンゲンは、とても驚いた顔をして警戒していた。

「あれ、ひょっとしてキミは…」

「地上から落ちてきたの?」

僕がそう声をかけると、ニンゲンは少し戸惑いながら、「あぁ…」と言った。

「怪我は無い?大丈夫?立てる?」

ニンゲンは、適当に相づちをうっていたが、どう考えても大丈夫な状況ではなかったはずだ。

なんせ地上からこんな深い地底に落ちてきたのだから。

でも不思議なことに、ニンゲンはほとんど怪我をしていなかった。

「キミ、名前は?」

「キャラ…」

「キャラって言うんだ!いい名前だね。」

「僕の名前はアズリエル。

アズリエル・ドリーマーだよ!」

キャラは僕の顔をじーっと見てから、地上から落ちてきた大穴に目をそらした。

そんなキャラの表情が少し曇って見えた。

「キャラは見たところニンゲンだよね?」

「いいなぁ!僕も地上を見てみたい!」

僕は昔から、地上の世界への強い憧れを抱いていた。発展した世の中。数々の乗り物。地底にはないものばかりでとても楽しそうに思えた。

でもそんな地上に憧れを持つ僕に対してキャラは一切明るい顔など見せず、むしろもっと暗くなっていった。

「えっと…アズリエル…だったか?」

「ここから地上には戻れないんだな?」

キャラは、周りを見渡しながらそう言った。

「しかし…帰れないとなるとな…どう生活しようか…」

確かに、キャラは地上に帰れない限り住む場所がない。かと言って…地底のモンスター達が、ニンゲンを受け入れてくれるだろうか…。

「安心してキャラ!地底のみんなはとても優しいんだ!事情を話せば、優しく接してくれるさ!」

「あ、でも住む場所がないのか…」

「ここから地上には出れないし…」

そう言って僕はある提案をした。

「キミ、僕の家に来る?」

「……いいのか?」

キャラは遠慮の入った声でそう言った。

「もちろん!多分ママとパパも許可してくれるよ!」

そうして…地上から落ちてきたニンゲン、キャラと僕は一緒に暮らすこととなった。

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