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レベル3 近道 保志
「あちっ! あちちちちっーー!」
白い靴がモウモウと煙を上げだした。このままだと、足の裏が火傷する!それにしても、熱くて凄い汗を掻く!
「ひっ、工具箱は確か……?」
俺は真っ青な顔をして、体中から汗を噴き出していた。必死に考えるが、今にも電力がまた更に上がりそうで、緊張して思考がまとまらない。広大な地下発電所は、恐らくレベル2の排水溝からは、大量の水が流れ込まないように弁があるはずだ。だから、工具箱があるとしたら……。レベル2の排水溝の中に今でもあるか、後は、俺と一緒に水に流されたから弁の辺りかだ。それとも、あの大きな排水溝の中の奥で。どこかに引っかかっているのなら。考えたくないが、もうおしまいなんだ!
「……あった!」
レベル 2とレベル 3にはハッチで繋がっていたんだ。そのため水がこちら側に入らない仕組みだ。よく覚えていないが、俺はそのハッチを開けてここへと来たんだ。そのハッチに工具箱が引っかかっていた。必要な工具だけを水浸しの工具箱から取り出した。
「や、やばい……このままだと……。発電所は蒸気タービンで発電しているから、蒸気のエネルギーが高い状態でタービンを通過して、元の水に戻せなくなるほど高温になると、水蒸気爆発をするぞ!」
レベル 3の発電床の温度が更に上がっていた。靴の下からはモウモウと煙が勢いよく立ち上る。熱くて仕方がない。
今度は俺は変電所へと走った。