好きを育てる

こんなに詮索好きではなかったはずだが、阿部は渡辺の相手が気になって仕方ない。目黒は言ったら絶交されるし、渡辺に聞いても言わないだろうし、しばらく、皆んなを観察してみようと思う。

新しく入ったのは、目黒・向井・ラウール。違う気がする。

じゃあ昔からの6人。渡辺を除いて5人、阿部も除いて4人。

いや、新しく入ったうちの2人も入れる。

目黒ー阿部ちゃん、そんな詮索好きは好きじゃないよ？

阿部ー分かりました！

目黒ー俺たちのこと話ししよう？

阿部ーたとえば？

目黒ー明後日、撮影休みなんだけど、どこか行きたいとこない？ 家にばかりいるの好きじゃないし。

阿部ーん〜、プラネタリウムは？

目黒ーいいね、行こうか？

阿部ーめめが好きかと思って。

目黒ーん、好き。

阿部ー俺は家にいたがるからダメだね。外に出て行かなくちゃ。

目黒ー仲良しさんって見てくれるよ、翔太くんと出かけても、そんな目で見られるし。

阿部ーそんなに出かけるの？

目黒ーあ〜べ〜ちゃん？

阿部ーあっ、聞かない。

デートはプラネタリウムに行って、食事は不二家レストラン。

2人は満足して帰って来た。

ソファに座ってキス。

何度も優しいキス。

こんなに幸せなんだから、周りのことは放っておこう。

やっと、そう思うようになってきた。

ドライブはよくする。

たまに、誰もいない海を見つけると、降りてみたり、ちょっと変装して、展望台に行ってみたり。

渡辺ー阿部がお前のこと気になるらしい。

◯◯ー言ったの？

渡辺ーいや？目黒が詮索やめさせた。

◯◯ー言ってもいいのに。

渡辺ーばか、言わないよ。

2人はシーツの海の中で話してる。

渡辺が起き上がると、首筋から背中を舐める。

クスクス笑う渡辺。

振り向いて抱きつく渡辺。

2人はまたシーツの海に潜っていく。

目黒と阿部の付き合いも少しずつ進んでいる。

ベッドで寝転がり目黒が阿部の首筋を舐めた。阿部は首をすくめて笑う。

シャツのボタンを外し鎖骨を舐める。甘い声を出す。

阿部も同じことをする。

くすぐったいと目黒が笑う。

2人はまだここまで。

目黒が渡辺に言ったら、「中学生みたいだな」と言われた。

それでもいい。ちょっとずつが楽しい。

目黒が聞く、そんな頃もあったでしょ？

渡辺はもう忘れたと言う。

熱い時間を過ごす渡辺たちには遠い昔のように感じる。

優しくするけれど、すぐ熱くなる。

こんどは、1度昔のように優しくしてみようかと思う。楽しみが出来た。

目黒に言ってみる。

目黒ー満足できるの？

渡辺ーできるわ！

目黒ー優しく可愛くだよ？

渡辺ー任せろ！

目黒ーまた教えて？

渡辺ーん〜話せたら。

目黒ーそこまで言っといて、話せないの？

渡辺ー分かった分かった。

渡辺とパートナーは満足できるのか？

目黒が楽しみに待っている。