💜💙短編集

⚠️オメガバース

______

狐「おかめさん。僕ね、好きな人ができたんです。」

そうやって微笑む彼は、俺が密かに恋心を秘めていた彼で。

頬を赤く染めた彼は、窓から差し込む夕暮れ時の太陽が、たまらなく似合っていて。

きらり、光る首輪が、なんだか喜んでいるようだ。

おかめ「…そっか、おめでとう。」

近くにあった、マグカップのコーヒーを飲み込む。コーヒーを、冷や汗と絶望を一緒に飲み込む。

最悪だ。最悪だ。俺のものであって欲しかったのに。俺のものにして、俺だけのものにしたかったのに。

大人ぶった回答をしてみたけれど、今すぐにでも泣き叫びたい。泣いて、縋って、俺にしろだなんて、叫んでしまいたい。

狐「ありがとうございます！」

でも、照れたように笑う彼を見て、俺はもう何も言えなくて。

ただ、その幸せそうな笑顔をずっと隣で見ていたいと思っていた。

もう叶わないけれど。

おかめ「…誰が、好きなの？」

狐「…えっと、」

少し恥ずかしそうに俯いてから、艶めいた唇が開かれる。

反応的に、俺じゃないんだろうな。

狐に思われる、そいつがたまらなく憎たらしい。なんで、なんで俺じゃないんだ。

小さな唇が、ゆっくりと開かれる。

狐「般若さん、が好きで…。」

般若？急に出てきたその名前に、少しびっくりする。

なんで、般若なの。

言っちゃった、って言って顔を赤くする狐の唇に目がいく。

今、その唇を強引にでも奪って、無理矢理押し倒して、全部全部中に出して、うなじも噛んで、番になって、俺のものにでもしたら、狐は振り向いてくれるのかな。そんなふうに、そんな最低なことを思う。

狐「……おかめさん…？」

黙り込んだ俺を、心配そうに覗き込んでくる。俺の気持ちになんて微塵も気付かない狐が、話を変えようと明るく言う。

……あぁ、もう。本当に、俺は馬鹿だ。

おかめ「…俺もね、好きな人がいるんだ。」

そう、少し笑って言ってから立ち上がる。

狐はきょとんとした顔をしてから、少し寂しそうに笑った。

なんでそんな顔するんだよって言いたかったけど、でもそれは俺が言える立場じゃないなと言葉を飲み込む。

狐「お互いに、幸せになりましょうね！」

そう言って微笑む狐。

無理だよ。俺の幸せには、狐が必要なの。狐の幸せには、般若が必要なんでしょ。

俺とじゃないんでしょ。般若と結ばれるんでしょ？そんなの、嫌だ。

狐「…あ！もうこんな時間ですね…！そろそろ帰りますね！」

おかめ「……うん。」

狐が、俺の家から出ていって、ドアが閉まる。

ぼろぼろと、涙が止まらない。

おかめ「狐……、っ、」

俺はもう、君の隣にはいられない。

君の隣にいるのは般若だ。俺じゃない。

馬鹿みたいだ。馬鹿みたいだ。

俺が狐に恋をしたのはいつだっけ。

もうずっと前すぎて覚えてない。でもそのくらい前からずっと好きだったんだよ。ずっとずっと前から好きだったんだ。

狐がΩだって知って、運命だって、思っていたのに。

おかめ「くそっ……、」

ぐずぐずと鼻を鳴らしながら、しゃがみこむ。目から零れる液体が鬱陶しくて仕方ない。

おかめ「…幸せになんて、ならないでね。」

___

翌日、ダンスの練習で、スタジオに向かう。

少し遅刻しちゃって、慌ててスタジオに入ると、もう全員集まっていたようだ。

阿形「あ、おかめ兄さんおはよ〜」

おかめ「……おはよ。」

少し遅れて来た俺を特に気にした様子はなく、みんなは練習を始めていた。俺も慌てて準備をする。

般若「狐、ちょっといいか？ここの振り付けに関してなんだけどさ…」

狐「あ、はい！」

般若が狐に振り付けの相談をしている。2人して、俺の知らないことを話す。

その度、俺は胸が締め付けられる思いだった。

……あぁ、もう嫌だな。

狐は、嬉しそうに般若と話している。何その顔。俺、そんな顔見せてもらったことないよ。

般若「うん、それで大丈夫だ。ありがとうな。」

狐「いえいえ！般若さんこそ、ありがとうございます！」

2人のその空間が、なんだかとても居心地が悪くて、俺はそっとスタジオを抜け出す。

……やっぱり俺、2人なんて見てられないや。

おかめ「……っ、うぇ、っぐ……」

もう嫌だ。もう嫌だよ。

狐のあんな顔なんて見たくないのに。でも見てしまうんだ。だって好きなんだもん。俺は、ダンスの練習なんてほっぽり出して、静かに泣く。こんな惨めな思いはもう嫌で仕方ないんだ。

2人の幸せなんて願えない。そんなの見たくないんだもん。

もう俺じゃないと無理だよ。狐には俺が必要なんだよ。般若じゃなくて、俺が運命の相手だったらよかったのにね。

おかめ「……っ、狐……っ」

ぽろぽろと涙を零しながら言うその言葉は、きっと届かないのだろうけれど。

おかめ「っ、好き……。」

そう呟いた瞬間。

ガタンと大きな音がしてから、俺のいるスタジオのドアが開く。

狐「……っ！え、？」

そこには、驚いたような顔をした狐がいた。

俺は慌てて涙を袖口で拭うがもう遅かったようで、狐は俺の元まで駆け寄ってくる。

狐「どうしたんですか？どこか痛いんですか……？」

そんな心配そうな目で俺を見るなよ。そんな優しさなんていらないんだよ。

俺は狐に優しくされる資格なんてないんだよ……。

おかめ「っ、なんでもない。……もう練習戻るから、先に行ってて。」

狐「え？で、でも……。」

おかめ「……いいから。」

そう言って狐に背中を向けようとするが、それは出来なかった。いつの間にか俺の前まで来ていた狐は俺の手をぎゅっと握っていて、そして少し潤んだ瞳で俺を見つめていた。

狐「でも、泣いてるじゃないですか……っ！」

そう涙ながらに言う狐に、俺は何も言えなくなる。

なんでそんなに優しいんだよって言いたいのをぐっとこらえる。そんな優しさなんていらないから。まだ、勘違いしちゃうよ。だからもう俺に優しくしないでよ。

狐「…ん、」

狐が、ぎゅっと抱きしめてくれる。あぁ、狐は優しいな。本当に。

おかめ「……なんで、こんなことするの。」

俺は、狐にそう聞いた。

なんで、俺なんかに優しくしてくれるの。もう、期待させないでって言いたいんだ。

狐「え？だって……、泣いてるから……。」

そう言って俺の背中をさする狐。

ほら、そうやってまた期待させる。俺は狐の運命の相手じゃないっていうのに。ねぇなんでそんなことするのさ。俺勘違いしちゃうよ？

優しく背中をさするその体温が心地よくてたまらなくなってしまって、ぎゅっと狐を抱きしめる。

好きでごめんね、狐。

どうか、どうか。想うだけは、許してほしい。

____

数ヶ月後、般若と狐は、特に進展はなさそうで、ホッとしたような気がしている。

冷蔵庫のものが少なくなっていて、食材の買い出しに、スーパーへと向かう最中、街中で見覚えのある人影とすれ違う。

おかめ「…般若？」

なんだか、いつもよりもオシャレな気がする般若が、嬉しそうに横を向く。

般若の資産にあるのは、般若よりも幾分か背の低い、見慣れた人物。

阿形「兄貴ってば〜！」

阿形。阿形である。

阿形は、般若と一緒に、楽しそうに笑って、話している。

それはいつも俺たちに見せる、いつもの笑顔じゃない。般若だけに見せる笑顔。

遠ざかっていく2人を、なんとなくでついていってしまう。

人通りが少なくなっていく道に入ると、なんだか真剣な顔をした般若が、阿形へ向き直した。阿形は阿形で、慣れたように、少し背伸びをする。

般若「…ん、」

2人が、唇を重ねた。

軽いリップ音の後、少し照れたように、顔を離した。

そういえば、最近になって、阿形はつけていた首輪の色が変わっていた。

今まではメンバーカラーでもある赤色をつけていたのに、最近は黒色の首輪を使っていた。

2人の姿をみて確信した。

般若は、阿形と番なのだ。

おかめ「…っはは、」

手を繋いで歩いていく2人を、そっと見守る。

2人は、番っている。般若にはもう、阿形がいる。

神様はどうやら俺に味方をしてくれたらしい。

よかったね、きっつん。

君の恋は、叶いそうにもないようだ。

諦めて、俺のところにきて。

_____

狐『お、おかめさん、今から家に行ってもいいですか。』

啜り泣いたような声で、電話がかかってくる。

こうやって電話をかけてくることはわかっていた。

今日、般若から阿形と付き合っている報告を受けた。

狐は、笑って誤魔化して、祝福していたけれど、顔が引き攣っていたのを見逃していない。

おかめ「ん、いいよ。いつでもおいでよ。」

俺がそう言って電話を切れば、少し経った頃に家のインターホンが鳴る。ドアの前にいるのは間違いなく狐だ。だけどそれも分かってた事だったし、あまり驚きもしないでドアを開ける。

おかめ「……いらっしゃい。……入って。」

狐にそう言えば、そっと頷く。そんな様子すら愛おしいと思ってしまう自分になんだか笑ってしまう。

リビングへ狐を連れて行って、ソファーに2人で腰掛ける。お互い何か話がある訳ではないようで、ずっと無言の時間が続く。そんな時間も案外嫌いじゃないんだけど。

覚悟を決めたように、狐が口を開いた。

狐「失恋、しちゃいました…」

おかめ「そっか。」

狐「……慰めて、くれませんか……？」

チラリとこちらを見た後に、恥ずかしそうに言う狐はとっても可愛らしい。

なんでこんなに可愛いんだろうね。こんなに可愛い子が好いてくれたらなんて幸せなのだろう。

好意の先は俺じゃなくて、俺に被せた般若なんでしょう。

おかめ「うん。いいよ、おいで？」

そう手を広げれば、狐が俺にぎゅっと抱きついてくる。そしてそのまま俺の肩に顔を埋める。そんな狐を俺もそっと抱きしめると、なんだか少し落ち着く。

狐「般若さん…ｯ般若さん…ｯ」

肩に顔を埋め、般若の名前を泣きながら呼ぶ狐。

なんで俺を見てくれないのさ。

叶わない恋は、全部俺のせいにしちゃえばいいのに。そしたら俺が全部慰めてあげる。

もういっそこのまま攫ってしまおうか。

おかめ「…きっつん？」

すん、と鼻を揺らす。

なんだか、甘い香りがする。今まで一度も感じた事のないような、甘い香り。でもなんかわかるんだよね、これ俺の大好きなきっつんの香りだ。

おかめ「……もしかして、発情期きた？」

確認のように俺が聞くと、びくっと体を震わせて顔を真っ赤にする狐は 首を縦に振った。その反応に、俺は少し嬉しくなってしまう。

おかめ「……きっつん、こっち向いて」

俺の声に反応して、ゆっくりと顔を上げる狐は、なんだかとても色っぽかった。潤んだ瞳に上気した頬。そして何より、甘い香り。俺を誘うように香り立つこの香りが、たまらない。

おかめ「…離れないの？俺αだよ？」

狐の運命の相手じゃないし、般若でもない。

でも、それでもいいなら……。俺を選んでくれるのなら、俺が君の運命になってあげる。

おかめ「……きっつんが望むなら、俺のものにしてあげるよ？」

そんな俺の言葉に、狐はまた泣きそうな顔をする。

狐「…般若さんのこと、忘れさせてください…、」

俺はそのまま、狐をその場に押し倒した。

_____

ベッドの上で寝転がる狐にのしかかるようにキスをする。そのキスも、なんだか甘いような気がした。

そう思わず呟いてしまった。

だって本当に甘いんだ。今までしたどんなキスよりも甘くて、癖になるような甘さ。そんなキスは、俺の理性を壊していくには十分だった。

狐「っん、ふっ……んんッ！」

一生懸命、唇を合わせる狐がたまらなく愛おしい。

代わりでもいいよ。代わりでもいいから、狐の特別でいさせてほしい。

おかめ「……きっつん。好きだよ、大好き。」

狐「ッ好き……です。好きです……」

愛を囁けば狐も泣きながら言うから、そんな君も俺は大好きだったよ。

君が俺を選んでくれてよかったとさえ思うんだ。

君を幸せにしてやれるのは、運命の相手でも般若でもない。俺だけなんだよ。

狐「…んっ…」

するり、と狐が着ていたシャツのボタンを外させる。狐は、視線をさ迷わせた後にキュッと目を瞑る。恥ずかしいのか腕で胸を隠しながら膝をすり寄せている狐だが、そっとその手を掴んで退かしてやると驚いたように目を開けて俺を見る。そんな様子も愛おしくてまたキスをする。そしてそのまま狐の乳首へと吸い付く。

狐「ん……ッ、やぁっ……」

嫌だって口では言うけど体は正直だ。だってそうでしょ？そんなに気持ちよさそうにしてたんじゃ説得力もないじゃない。発情期なんだから仕方ない、失恋したから仕方ない、って言って、全部俺に身を任せればいい。

狐「ッやぁ！っ、おかめさ……そこ、やだ……っ」

おかめ「……本当に？こんなに気持ちよさそうなのに？」

そう言いながら舐めていた乳首を甘噛みすると、高い声を出して体をのけ反らせる。

ほらやっぱり気持ちいいんじゃんって小さく笑えば頬を膨らませて拗ねる狐。

おかめ「……可愛いね、」

狐「可愛くないです……っ」

そんな所も可愛くて仕方ない。

俺はそっと狐のズボンに手をかける。そしてそのまま下着ごと脱がせると、少し反応している狐のモノが目に入る。そんな所をまじまじ見る事なんてなかったからなんだか新鮮で思わずじっと見てしまう。

すると視線に気づいたのか慌てて足を閉じようとするけど俺が足の間にいるからそれも叶わないようだ。

おかめ「きっつん、足開いて。」

狐「だ……って……」

そんな俺の言葉を聞いて恥ずかしそうにゆっくりと足を開かせてくれた。その反応に思わず口角が上がるのが自分でもわかるくらいだったし、そんな俺に狐は顔を赤くする。

そのまま俺はそっと狐自身に触れると、また高い声で鳴く。

狐「……ッん♡、や……ぁ……♡♡」

おかめ「……気持ちいいの？」

狐「っん……、きも、ちぃ……♡」

素直に答える狐はやっぱり可愛い。そんな素直な狐にご褒美をあげたい所だけど、なるべく早く番になってほしいから俺はそのまま手を上下に動かし始めた。

狐「あっ♡、やぁッ♡、おかめさっ……♡♡やだぁ♡♡」

やだやだと言う割には気持ちよさそうにしている狐。俺の手が動く度に体をビクビクとさせて喘いでいる。

狐「……んっ♡、おかめさ……っ、だめ……出ちゃうからぁッ♡♡♡」

敏感な先端部分を指の腹でぐりぐりとすると腰がびくんと跳ね上がる。

おかめ「出していいよ？」

狐「っでもぉ……♡あ”っ♡やｯ♡♡んんっ〜〜ッ♡♡♡♡」

びゅくびゅくと白濁液を吐き出す狐は、はぁはぁと息を乱している。そんな様子に俺は思わず舌なめずりをする。あぁ、可愛いな……。もっと乱れてしまえばいい。俺のせいで乱れてる姿、もっと見たいな。

おかめ「きっつん可愛い……まだ足りないんじゃない？」

俺の手から逃げようと腰を捩らせるけどそんなの気にしない。後ろまで伝ってしまった精液を指に絡ませてそのまま後孔へ触れさせる。すると途端に体を強ばらせるから少し指をずらして孔の入口を撫でるようにする。

狐「んっ♡、あ”ぁ〜ッ♡♡♡」

指の腹で優しく撫でてあげれば、また甘い声を上げる。

狐「おかめさ……っ、やだぁッ♡そこやだぁっ♡♡」

そう言って俺の腕を掴むけどそんな抵抗で俺がやめると思うのがおかしいでしょ？ そのまま指を入れてあげればきゅうっと指を締め付けてくる。その感覚に俺は思わず笑みがこぼれる。

おかめ「きっつん、ここ気持ちいい？」

そう言いながらゆっくりと指を動かすとビクビクと体を震わせて反応するからそれが嬉しくて何度も同じ場所を責め立てる。すると次第に声が高くなってくるから本当に可愛い、とつい口に出してしまいそうになる。

狐「……ッあ”♡、おか……めさっ♡♡やぁ”ｯ♡♡」

指を増やしてバラバラに動かせば、さっきよりも大きな声で喘ぐから本当に可愛い。もっと乱れてほしいなって思うけど、俺もそろそろ限界なんだよね。だからもういいかなって思って指を引き抜くと物欲しそうな目で俺を見る狐が目に入って思わずニヤけてしまいそうになる。

興奮したせいか、さっきよりも、甘い甘い香りが、部屋に充満している。あぁ、この匂いに当てられると頭がおかしくなりそうになる。俺は早急にズボンと下着を下ろす。俺のモノはもう完全に出来上がっていて早く狐が欲しいと言わんばかりに主張していた。その様子をじっと狐に見られてしまえばなんだか恥ずかしくて顔を手で覆った。

おかめ「…ごむ、」

狐「…いらないです…。」

俺がそう言うと、狐は恥ずかしそうにしながらそう呟いた。

どうしようね、俺との子供ができたら。そしたら俺が、責任とって2人とも幸せにしてあげる。

おかめ「……きっつん。」

俺は狐を優しく抱き寄せてキスをする。そしてそのまま自身を狐の後孔へと押し当てる。ゆっくりと腰を押し進めれば中がうねって絡みついてくるようで気持ちが良い。思わず出してしまいそうになるのを必死に堪えた。

狐「ん”ッ♡、はぁ……ッ♡」

全部入ると、少し苦しそうな声を出すから心配になるけれど、すぐに大丈夫と言うように微笑んでくれるから、またキスをした。

狐「ん”ぉｯ♡、あッ♡や”ぁ……っ♡♡♡」

ゆっくりと動き始めれば、甘い声を出す。その声を聞く度に俺は嬉しくなるんだ。だって狐が俺で気持ちよくなってくれてるってことだからね。もっと、もっと俺を求めてほしい。

狐「ん”ぅッ♡♡♡お”く……っ♡だめぇっ♡」

奥を突けばまた一段と高い声で喘ぐ。

ばちゅ、ぱちゅ、と、肌がぶつかり合う音が部屋に響いて、それがまた興奮する。

狐「あッ♡やぁ”っ♡♡♡はんにゃさ……っ♡♡すきぃ……っ♡♡」

般若のことを好きって言いながら俺に抱きついてくる。

俺はその行動がひどく恨めしい。

今誰に抱かれてるの。今誰とセックスしてるの。なんで、俺をみてくれないの。

おかめ「……っ、きっつん……好き。好きだよ……！」

狐「んっ♡お”くッ、あたってるぅ”♡♡♡やらぁ♡♡あ”♡」

何度も奥を突かれているからもう限界なのだろう、俺の腰の動きに合わせて必死にしがみついている。そんな姿にまた興奮してしまう自分がいて笑えてきちゃうな。

だってこんなに可愛い子が俺の腕の中に居るなんて信じられないでしょう？だから少しぐらい夢を見させてよ。全部俺の所為にしていいからさ。

狐「おかめさっ♡♡イくッ♡イッちゃ……あ”ぁ〜〜ッッ♡♡♡♡♡」

ビクビクと痙攣して、俺のモノをきゅうっと締め付けてくるから俺もそのまま中に出した。そしてゆっくりと引き抜けばまた甘い声を出す狐。

狐「…おかめさん、もっと、もっと…♡♡」

熱に浮かされ潤んだ瞳で俺を見る狐。

そんな目で見られたらもう我慢なんて出来ないじゃないか。

狐「…はんにゃさん、」

_______

水面から浮上するようにして、目を覚ます。

なんだか、美味しそうな香りがして、その匂いの元を辿れば、見覚えのある黒髪。

狐「…おかめさん、おはようございます。」

昨日貸してあげたシャツとズボンに身を包み、フライパンを振る狐。その姿を見て思わず俺は目を擦った。

おかめ「……おはよう、」

そう言って笑った彼はやっぱり可愛かった。

朝ご飯も美味しくてなんだか嬉しくなる。これからも一緒に食べたいなと思ったりして。そんな事を考えては幸せだなと感じる自分がいた。だからそれでいいんだ。

狐「これ、服ありがとうございます。お返ししますね。」

おかめ「え？別にいいのに……。」

そう言って、昨日着ていた服を持ってきて、今着ている服を、するりと脱いでいく。

昨日身体中にたくさんキスマークをつけたせいで、狐の肌に合わない椿が大量に咲いている。

そんな中、首が露出された際、青色の首輪が目に入る。

おかめ「…。」

昨日の夜、狐は、首輪を外してくれることはなかった。

何度キスをしたって、ナカに出したって。頑なに、首輪を外してくれなかった。

おかめ「きっつん、それ外してよ。」

俺がそう言えば狐は驚いた顔をして俺を見る。

そして、少し間を置いてからゆっくりと首を横に振った。

その反応を見て、やっぱりなと納得する。

おかめ「ねぇ、首輪外してよ。」

そう言って手を伸ばせば、狐はまたビクリと肩を揺らす。

そのまま、近づいて、狐の首に手を伸ばし、ゆっくりと、青色の首輪の縁をなぞる。

狐「……外しません。」

誰のために？そう告げたかったけれど、ぐっと言葉を飲み込んで、狐の顔を見る。

その目を見ればわかるのは、諦めの気持ちだった。でもそんなことを知らないふりして、狐にぎゅっと抱きつく。

おかめ「…好きになって、ごめんね。」

狐が俺の子を孕んでくれたらよかったのに。

そしたら、狐は、俺から離れないでいてくれただろうか。

_____

作者から。

いつもより心情描写多めで書いてみました。書きにくかったので今度からいつものに戻します。

セフレendぽぱでした。感情は一方的なのに身体の関係はあるのがめちゃくちゃ好きです。いつか続き書きたい。

BSSとNTR大好き…。みんな書いて…。

関係ないんですけど、最近💜💙の薔薇小説更新なくて泣いてます。みんな書いて…。私に💜💙の栄養素ちょうだい…。

次回もよろしくお願いします！