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逆効果の鉄鉄ルール!「見せつけ作戦」が大火事になる件連日の「モテ期サバイバル」に心身ともに削り取られた怜也は、ついに一つの結論に達しました。
(……このままだと、いつか刺される。いや、由奈か絵美さんに拉致される。これ以上、知らない女子から声をかけられないためには……『僕はもう、誰かのものだ』ってハッキリ見せつけるしかない!)
怜也は、登校直後の教室で、隣の席の茜に決死の覚悟で提案しました。
「あ、茜さん……。今日、一緒に腕を組んで廊下を歩いてくれないかな?」
「…………はぇッ!? 怜也きゅん、今なんて!? もしかして公開プロポーズ!? やばくなーい? ちょー盛れるんだけどー!!」
茜は椅子をひっくり返さんばかりの勢いで立ち上がり、怜也の右腕に自分の胸を押し当てるようにがっしりと抱きつきました。
「お安い御用すぎて草! あーし、一生離さない自信あるよ? マジで愛が溢れすぎて決壊しそうなんだけどー!」
「(うわ、すごい感触……。いや、今は耐えろ怜也。これで平和が手に入るんだ!)」
決死の「カップルアピール」登校
怜也は引きつった笑顔を浮かべ、茜と腕を組んで廊下へと繰り出しました。
「見てろよ、これでみんな『あぁ、長島くんは鶴森さんの彼氏なんだな』って諦めるはずだ……」
しかし、怜也の計算は**「工業高校という特殊環境」と「女子の心理」**を完全に見くびっていました。
廊下に出た瞬間、周囲の視線が突き刺さります。だが、聞こえてきたのは「諦め」の溜息ではなく、さらなる「熱狂」の声でした。
「ちょっと見て! あの二組の長島くん……あの超絶ギャルの茜ちゃんを、あんなに堂々とエスコートしてる!」
「ヤバい……。普段あんなに大人しいのに、彼女の前ではあんなに大胆なの? あの『ギャップ』、マジで尊死(たふし)するんだけど……!」
「えっ……?」
怜也は耳を疑いました。
女子たちの目には、**「美女を連れて歩く余裕のある強者」**として、怜也の価値がさらに跳ね上がって映っていたのです。
「(ち、違う! 『僕はもう売り切れです』って言いたいんだよ!)」
焦った怜也は、さらに追い打ちをかけるように、茜の肩を抱き寄せました。
「ね、ねぇ茜! 喉乾いてない? 飲み物買ってあげようか!(大声)」
「やばーい! 怜也きゅんが超絶スパダリ(スーパーダーリン)モードなんだけどー! あーし、マジで今日が命日かもー!」
茜が幸せそうに怜也に顔を埋めると、それを見た他クラスの女子たちが一斉にスマホを取り出しました。
「撮った!? 今の怜也くんの独占欲全開な顔、撮った!? 待受にする!!」
「私も! 誰かのものになればなるほど、奪いたくなるのが女心だよね……!」
「(逆だあああ! 完全に逆効果だあああ!!)」
幼なじみの「大噴火」
そこへ、背後から氷点下の殺気が吹き荒れました。
「…………長島。あんた、何やってんの?」
振り返ると、そこには拳を真っ白になるまで握り締めた由奈が立っていました。彼女の足元の床が、怒りのオーラでひび割れて見えるほどです。
「あ、由奈……。いや、これは、その、女子避けの作戦で……」
「作戦なわけないでしょ、このド助平!!」
由奈の怒声が廊下に響き渡ります。
「見せつけるなら、私とやりなさいよ! なんでよりによって、その金髪なわけ!? 私との十数年の絆は、その数週間の『柔らかい感触』に負けたってこと!? ええ!?」
「由奈ちゃん、嫉妬乙(おつ)ー! でも残念、今日の怜也きゅんはあーしを『選んだ』んだよ! ちょー運命感じちゃってるんだけどー!」
茜が勝ち誇ったように舌を出すと、由奈の理性がついに限界を突破しました。
「……分かったわよ。そこまでやるなら、私も容赦しない。長島、あんたの左腕は、今日から私が占有するから!!」
由奈は強引に割り込み、怜也の左腕を万力のような力で抱え込みました。
結末:さらなるカリスマへの道
かくして。
右腕に超絶ギャルの茜、左腕に最強の幼なじみ由奈。
二人の美女を両脇に従え、涙目で震えながら歩く怜也の姿は、全校生徒の目に**「築留工業の絶対覇王(ハーレムマスター)」**として刻み込まれました。
「見ろ……長島様だ。二人の傑物女子を完璧に従えていらっしゃる……」
「昨日までの『優しい長島くん』は仮の姿だったんだ。あれが彼の『本性(キング)』なんだな……!」
「(違う……僕はただ、静かに暮らしたいだけなんだよぉぉ!!)」
この日を境に、怜也の下駄箱には「私もその列に並ばせてください!」という、さらに斜め上の熱烈なラブレターが殺到することになるのでした。