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船は一時間程をかけて、ゆっくりと湖を周遊して、船着き場へと戻った──。


観光船を降りて水辺を並んで歩きながら、空を雲がたなびいて流れていくのを見上げていると、こんな風に何気ないひとときを共に過ごす幸せを感じるようだった。


「こんな時間も、いいものですね……」


彼も同じことを感じていたのか、傍らでそう呟いて、


ただ同じ気持ちを共有できることが嬉しくも思えて、「はい…」と、頷いた。


──ふと彼が足を止め、「そう言えば……」と、辺りを見回した。


「この近くに美味しい店があるので、行ってみませんか?」


「そうですね、そろそろお腹がすきましたよね」


互いに通じ合えたことが微笑ましくも思えて、繋がれた手を我知らず握り返すと、彼は一瞬驚いたように私に顔を向け、それから握る手にぎゅっと強く力を込めた……。


──お店に入り、メニューを見ていると、


「ここは、何でも美味しいですから……」


彼が感慨にふけるかのように、そう話した。


「このお店も、お父様と一緒に来られたんですか?」


気恥ずかしさから、見つめられる視線をつと逸らして、尋ね返した。



「ええ……ここは、昔と変わらないですね…」


呟いた彼が、店内をぐるりと見渡して、幼い頃の光景を懐かしむように、メガネの奥の目をふっと細めた。


お店の天井を何気なく見上げると、取り付けられたくるくると回る羽付きの照明が、湖から吹く風を緩やかにかき混ぜていて、彼と二人で過ごす空間をより心地のいいものにしていた──。

「責め恋」美形な医師は、サディスティックに迫る

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