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私にとって、 その人は私のすべてだった。
私が彼を選んだ理由はわからないけど、 それでも今こうして二人で歩いている。
こんなことが起こるなんて思ってなかったから。
でも今は、隣にいるあなたを見つめていたいと思うんだ。
「ねぇ……」
声をかけようとした瞬間、 視線を感じたのかこちらを振り向いてくれた。
いつもみたいに優しい笑顔を見せてくれると思っていたけれど、そうじゃなくて少し驚いたような表情をしている。
「ん?」
聞き返す言葉には疑問符がついているはずなのに、それはとても穏やかで優しさを含んでいる気がする。
「あ、あのね……なんでもないっ!」
私は慌てて顔を逸らして歩き出す。
本当はもっと言いたいことがあるんだけど、いざ口にしようとすると恥ずかしくて言えない。
だから今日も言えずに終わる。
いつか言える日が来るかな? あなたのことが大好きだって。
「変われるわけないじゃん!だってあたしだもん!」
「あなたはもっと自分を好きになれるはずよ。私にはわかるわ」
「もう無理だよぉ……こんなんじゃ友達できないよぅ……」
「大丈夫、できるさ。君を信じてるよ」
「そう言ってくれるのは先生だけですよーっ!!」
「あら?じゃあ私がなってあげましょうか?」
「あっ!!それいいかもっ!!」
「おいおい冗談きついぜハニー」
「ちょっと待てぇいっ!!!!」
「どうしたんですかぁせんせっ!?」
「それは私のセリフだぞ生徒どもっ!!」
「お前ら、いい加減にしろよ!もう怒ったからな!」
「こいつらは、僕が守るんだ!!」
「みんな僕の友達だ!!!」
【名前】南沢泉里(みなみさわいずみ)
【性別】女 【年齢】17歳 【誕生日】9月14日 【クラス】1年3組→2年生5組 【身長】166cm 【容姿】黒髪ロングストレートヘアで胸まで伸びている。瞳の色は茶色。顔立ちは非常に整っており、美人というよりは美少女と言った方が似合う容貌をしている。肌色は白くきめ細やかな質感をしており、スタイル抜群である。
【性格】基本的には温厚な性格だが、一度怒らせると怖い。普段は優しい口調で話すが、本気でキレると荒々しい口調になる。
【趣味/特技】読書、料理、ピアノ演奏 【好きなもの】小説(ミステリー)、コーヒー、クラシック音楽、美術館巡り、映画鑑賞、サイクリング、散歩、旅行 【苦手なもの】幽霊、虫全般、ホラー系映画、炭酸飲料、ピーマン、生魚 【座右の銘】
《愛》……それは宇宙を創造する偉大なエネルギーである。
〈プロローグ〉 今年もまた、夏が来た。
私はその事実を噛み締めるようにして窓の外を見つめていた。見慣れているはずの景色なのに、今日ばかりはとても特別なものに思える。
だってそうだろう? 今日から夏休みなのだ! 高校二年生の私にとって初めての長期休暇であり、青春の日々の始まりだ。友達と一緒に海に行ったり夏祭りを楽しんだりするんだろうなぁ……あー、想像しただけで胸が躍ってくる。
さて――そろそろ現実逃避はこの辺にしておこうか。
私が眺めているのは窓から見える外の景色ではなく、机の上に広げた参考書だった。
「……うぅ」
思わず口から情けない声が出てしまう。しかしそれも仕方ないと思うのだ。なぜならば目の前には膨大な量の課題があるのだから。
私の通う学校では成績に応じてクラス分けがなされており、当然のことながら私は最底辺クラスのE組に所属している。つまり頭が悪いわけだが、それ故に授業についていくことが難しいのもまた事実だ。そこで私が考えた苦肉の策というのが、休み時間にクラスメイトから勉強を教えてもらうことだったのだが……。
「ねぇ、この問題教えてくれない?」
そう言って隣の席にいる女子生徒に声をかけると、彼女はこちらを一別した後で教科書を閉じると静かに立ち上がった。
あれ? 私何か悪いことでも言っただろうか? 疑問符を浮かべていると、その子は教室から出て行ってしまった。それから数分後、戻ってきた彼女の両手には大量の本を抱えていて――。
「これ全部読んでおいてね」