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前のメールが気になってしまいハイスピードで仕事を仕上げる。
「ようやく終わった…」
本来の仕事の方を終わらせ、興味の方に意識を向ける。
「ファイルに同封されてたリンクは…あった」
リンクをクリックしてマップにとぶ
「新世界創造区域…」
そこは、少し山に入ったところに位置していた。
検索アプリを起動し、新世界創造区域と打ち込む。
そこは少し異次元な雰囲気を醸し出す如何にも可笑しな街だった。
私は行ったことなんか無いはずだが少し見覚えがあった。
調べたところによればこの新世界創造区域はいわゆる未開拓都市と呼ばれるもので、一般人の立ち入りが禁止されているような所であり、その都市はごく一部の地位の高い人、いわゆるエリート層の人々が住んでいるらしく、そこに住んでいる人々はそこを、
一度失われた理想郷
**ロストユートピア**と呼んでいる
この理想郷は一度失われたと言われているが、
この場所が失われた、という歴史はなく、謎に包まれていた
そんなことより、何故このメールを送信してきた人はここに足を運ぶよう言っているのかが、私の探求心を擽る、そもそもこんな会社、よりによって私に来るはずがなかったのだ。
この会社はブラックなだけあって当然社会的地位は低く、それ以前に私を知っている人など居やしないのだ。
何で私を知っている人が居ないって言い切れるかって?
その理由は単純、
誰かと関わりを持っていた記憶がない
嘘だと思うだろうが事実なのだ。
社会人になる前の記憶が、
大学に居た記憶が、
中学に居た記憶が、
全て、
私が存在すらしていないように…
勿論、社会人の記憶はある。
けれども、子供の頃や、学校に行っていた記憶はない。
本当に…
何も…
私は知ることすら許されていないようで
最初は私の戸籍などを全て調べた
それでも有力な情報はなかった
だから、このメールを見て、
少し
希望が見えたんです
だから、上司のように悪戯だと思えなかった
少し、自分が何者か
分かるように思えるんです
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