コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
指定された9月14日当日
その日、私はそこに行ってみることにした
足を運んでみればそこは、人がいそいそと行き交い、山の中に位置しているのに都会のようにも感じられた
そして、一人、行き交う人々とは違い、異質な雰囲気を醸し出している人物がいた。
「やぁ!こんにちは!」
前述した通りの人物は私に向かって挨拶をしてきた。
ここで返さなければ社会人として失格であろう
「こんにちわ…」
恐る恐る挨拶を返す。
するとその人はこう言った
「あれー?元気ないねぇ?僕ら昔、二人でひとつって誓ってたのに」
は?
意味が分からない…訳が分からない…
どうして私の昔が分かるの?
私でさえ知らないのに…
もしかして…人違い…?
「人違いでは?」
「いいや違うね」
「なぜ?」
「その躰僕の一部が混じってるから」
「どういう…こと?」
訳がわからない…一部が混じってる…?
「つまり、君は僕と同化してたってこと」
「同化…?」
わたしは人間のはずだ…人が何かと同化するなんて聞いたことも見たこともない
「そう、同化。
だから僕の中に君の一部も入ってる」
「…私は…私には…そんな記憶…ない…です」
自分とは思えないほど震えた声が出る
まるで…嘘がバレかけてるみたいな…
私は真実しか言っていない
なのになんでこんなに焦っているの
それを察したのか目の前にいる人物はニヤリと笑い、「こんなところで話すのもアレだし、僕の家にいこうか」と少しやさしめの口調で話しかけてきた
「ね?僕まだ話したいことたくさんあるしさ」
私は怪しいと思い、断ろうとした
だけど気がつけばその人物についていっていた
「ここが僕の家、さあ入って入って」
その人が自分の家だと言っている所は1人で
使用するだけなら大きすぎで、8人くらいが丁度いいくらいの大きな家だった
少し急かされながらも家に入ればどこか
具現化し難い感覚がした
決定的な何かはないがどこか現実ではないような雰囲気が漂っている
「どうして玄関で立ち止まってるの?
もしかして気分でも悪かった?」
家に漂う雰囲気に圧倒されて動けなくなっていたようだ
意識を体に戻し歩き始める
「いやぁ~…こんなとこにいるなんて…」
目の前にいる人物はぶつぶつと
なにか呟いていた
最初の方は聞き取れたが
最後の方は酷く沈んだ声で何か言っていたこと以外良く聞き取れなかった
でも、1つ言えることは…
この人は過去に何か大きな後悔をしている