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第一話
入学・討伐班結成
太王暦758年。
地球は、死にかけていた。
進み続ける砂漠化。
枯れていく大地。
そして、わずかに残された水の多い土地を巡って繰り返される国同士の争い。
だけど、人類にとっての敵は、人間だけではなかった。
砂漠化した大地に適応し、いつしかこの世界に姿を現した新たな生物。
異形の姿をした化物たちは、砂漠を住処とし、自分以外の生物を捕食する。
もちろん――人間も。
そんな化物たちを討伐することを生業とする者たち。
その未来を担う若者を育成するために設立された学校がある。
国立天楼寺學園。
そこへ入学することは、誉れとされていた。
そして今日。
私、早乙女綺。晴れて首席合格しました。まぁ……当然と言えば当然なのだけど
入学式を終え、それぞれの配属クラスへ向かう。
もちろん私は、前線部隊を育成するAクラス。
ここにいるのも当然ね。
教室へ入り、自分の席に着く。
周囲を見渡せば、すでに何人かの生徒たちが会話を交わしていた。
「……なかなか個性派揃いね。このクラス」
そんなことを考えていると、教壇に立った教師が手を叩いた。
「諸君! 入学おめでとう!」
一瞬で教室が静まり返る。
「今日から諸君らには、この天楼寺學園で化物討伐について学んでもらう。だが、化物討伐は決して一人で行えるものではない」
教師はそう言って、手にしていた名簿へ目を落とした。
「諸君らには、生死も、寝食も共にする討伐班を結成してもらう!」
教室からざわめきが起こる。
「討伐班は一班につき、四名から五名で構成する」
その言葉を聞きながら、私は再び周囲を見回した。
一体、誰と組むことになるのかしら。
教師は名簿を確認しながら、一人ずつ名前を呼び上げていく。
そして――
「次! 早乙女綺!」
「はい」
「神剣朔夜」
……ん?
聞いたことのない名前ね。
「御厨七鳳」
「はーい♡ あたし、御厨七鳳。よろしくね!」
元気よく手を上げた人に視線を向ける。
……かなりガタイいいわね。
というか、あたし?
制服の袖を引きちぎって、ノースリーブにしてるし……。
「皇刃可威」
「ぼ、僕は……皇刃可威……よ、よろしく……」
見るからに気弱そうな男の子。
そして――
「椥辻椿希」
「うちは椥辻椿希。仲良ーしたってな?」
関西訛りの少女が、にこりと笑った
……この班、大丈夫かしら。
「初めまして。早乙女綺です。よろしくお願いします」
とりあえず、挨拶だけはしておく。
「綺ちゃん♡ 可愛い名前ね。」
七鳳が嬉しそうに笑う。
「え、ええ……ありがとう」
その時だった。
教室の後方から、微かな物音が聞こえた。
「……ん」
それまで机に突っ伏していた人物が、ゆっくりと身体を起こす。
眠そうに大きな欠伸をして――
ゆっくりと、その瞳を開いた。
その瞬間。
それまで騒がしかった教室が、嘘のように静まり返った。
彼は、かなりだらしなく制服を着崩していた。
無造作に跳ねた髪。
気怠そうな表情。
そして――
眠たそうに細められた、その瞳。
黄色。
「……っ」
息を呑む。
ありえない。
この世界で、人間が黄色の瞳を持つなんて。
だって……。
だって、黄色は――
化物の瞳。
誰も口を開かない。
誰も、彼から目を逸らすことができない。
そんな教室の空気など気にも留めないように、彼はゆっくりとこちらを見る。
そして、低く呟いた。
「……神剣朔夜」
――その名前を聞いた瞬間。
私は思った。
え。
この5人で?
この5人で、寝食を共にするの?
生死を共にする?
いやいやいや!!
無理でしょー!?
コメント
1件
うわ、めっちゃ面白かった…! 世界観が一気に引き込まれるし、化物の瞳が黄色って伏線がもう刺さる。綺ちゃんの「無理でしょー!?」ってツッコミ、めっちゃ共感した(笑) この5人の班、絶対波乱しかないやつだ…続きが気になりすぎる🥀