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「勘ちゃん、私、ラガいらない…」
怖い思いをしてまで買った、綺麗な色のラガを一口食べただけで要らぬと言う。
「どうして?」
まっとうな質問を返すと、はなは口ごもりながら答えた。
「あの人が売ってたものだもん」
口をきゅっと結び上目遣いに勘助を見る。
きれいな薄紅のラがは、飴が少し溶けている。
「分かったよ、おれが食べる」
はながぱっと笑顔に変わった。
はなのラガを頬張った。
しかし、それは食べられること無く吐き出してしまった。
「がはっ」
苦しさに顔を真っ赤になっているのがわかる
ふらつき、地面に膝をついた。
「勘ちゃんっ」
はなが驚いて勘助に駆け寄った。
勘助は服を握りしめ、荒い呼吸をしている。
「い゛っ、痛いっ」
はなは、自分がどうして良いのか分からず、勘助の背中をさすった。
とにかく、今持っていた携帯用の水を差し出す。
「ありがとう………」
よろめきながら立ち上がり、手渡された水を飲む。
身体の中に感覚が戻ってきた。
さっきまで痛みしか感じなかった。
「大丈夫…?」
心配そうにはなが聞いた。
「平気だよ、ごめん」