テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「最終幕」 星降る刃、永遠の誓い
月殿本丸の大扉が、爆音とともに吹き飛んだ。
吹き込む冷気の中、月殿の主――白銀の鎧を纏った「月将ルナ」が、玉座から立ち上がる。
その背後には、黒い霧のような魔力が渦巻いていた。
「よくぞここまで来たな……だが、この城は私と共に永遠に月に抱かれる」
ルナの声は氷のように冷たく、しかしどこか哀しみを帯びていた。
あなたは仲間たちと目を合わせる。
ラシードが先陣を切り、ルナの守護兵を弾き飛ばす。
リュミエールは詠唱を始め、鐘の残響を武器に変えて仲間を守る。
カイラスはかつての主君に剣を向け、一言だけ告げた。
「俺はもう、あなたの傀儡じゃない」
ルナの魔力が爆ぜ、城内が光と闇に引き裂かれる。
床が崩れ、星空が足元から広がったかのようだった。
その時、あなたは懐から星欠片を取り出す。
空から降り注ぐ無数の光が、それに引き寄せられた。
欠片は震え、形を変え――やがて、全ての光が一本の槍に収束した。
それは夜空そのものを封じ込めたような、蒼く輝く槍。
「……これで、終わらせる!」
ラシードとカイラスが左右からルナを押さえ込み、リュミエールの魔法が彼の動きを封じる。
あなたは全身の力を込めて槍を突き出した。
刹那、眩い光が爆ぜ、静寂が訪れた――。
煙の中、ルナは膝をついていた。
その瞳から、一筋の涙が零れる。
「……私も、本当はこの島を守りたかった」
そう言い残し、彼の身体は光となって夜空に還った。
城外。
夜明けの空に、星はもう見えなかった。
だが、あなたたちの胸には確かに残っていた――戦い抜いた誇りと、共に歩む仲間の存在が。
ラシードが笑い、カイラスも口元をほころばせる。
リュミエールが小さく呟く。
「これからは……みんなで守っていこう。この島を」
朝日が昇り、海を金色に染めていく。
あなたは星槍を静かに地面に突き、仲間たちと肩を並べた。
――こうして、星の戦いは終わった。
だが、冒険はまだ続いていく。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!