「俺も新しい俺になるからシャワーしてくる。ベッドに入ってて」
颯ちゃんはそう言い、私と入れ違いにお風呂場へ行った。
どうするのが正しいのかわからないので、彼の言う通りにするしかない。
台所を通りベッドへ向かう時、買ったばかりの真新しい食器が水切りに並ぶのが目に入った。
「新しい生活だ……」
そう呟き布団に潜るように横になると、一瞬……恵麻ちゃんの震えた顔を思い出したけど、すぐに今見た新生活を思い起こさせる水切りの様子が瞼に浮かぶ。
そして、ガタッとお風呂の扉が開く音に息を潜めた。
颯ちゃんは布団から出ている私の頭を一撫ですると、布団に潜り込んで来る。
「リョウ…ずっと大切にする…俺のものになって……」
体重を私にほとんどかけることなく覆い被さった颯ちゃんは、ゆっくりと唇を重ねてから、唇はそのままに私を抱きしめた。
二度三度、しっかりと合わさった唇を彼の舌が割る。
私はこれまでに数回経験した彼の舌が口内を動く感覚と、初めての彼の素肌にクラッ……とした。
パンツ姿の彼と、薄い部屋着ワンピースの私。
颯ちゃんは、私の口から溢れそうになった唾液を吸うと首筋にキスを始める。
そしてキスをしながらワンピースのボタンをはずし、唇を徐々に下げていった。
私の鎖骨をしゃぶった颯ちゃんが
「リョウの肌…甘い……」
そう言ったと思うとチリッ……とした痛みを鎖骨下に一瞬感じる。
「俺のリョウ」
お臍の下辺りまであるワンピースのボタンを全てはずした颯ちゃんは、私の上体を抱き上げるようにすると肩からワンピースを落とし再び仰向けに寝かせた。
そのまま彼の手はお尻を滑るように撫でたのではなく……ワンピースを足から抜く。
「綺麗…リョウ……すげぇ綺麗で……緊張する」
颯ちゃんは下着姿の私を見下ろし、ゆっくりと首、肩、腕、胸、お腹……を撫でる。
力を入れずに、ただ自分の手のひらと私の肌を馴染ませるかのようにゆっくり……繰り返し撫でる。
緊張のあまり浅い呼吸をする中、時折酸素を求めて深い呼吸をする自分の胸が大きく盛り上がるのを感じ羞恥に目を閉じた。
「リョウ?嫌?」
私は目を閉じたまま頭を横に振る。
「嫌じゃない…緊張するけど……」
「俺も」
そう言った彼の唇が私の唇に重なり…私はすぐに舌を受け入れる。
颯ちゃんの舌が、歯磨きより丁寧なんじゃないかと思うほど丁寧に私の歯をなぞりながら、彼の右手は私のブラストラップを肩から下ろす。
すぐにブラの上から颯ちゃんの手が私の胸を包むと、先ほどの撫でる感覚とは違う胸の形が変わる感覚に息を止めた。
「リョウ、俺に任せて…優しくするから、な?」
左手で私の頭を撫でる彼の熱を持った右手はブラの内側でしっかりと私の胸を揉み始める。
繰り返し繰り返し…指で撫で、手のひらで撫で、5本の指を胸に食い込ませ、手のひらで軽く押さえられる…はぁ……っ…決して喘いだのではない。
緊張を口から吐き出しただけだ……と自分自身に意味もなく言い訳をする。
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新しい生活、新しくなる2人 その門出を見届けます.。.:*ෆ