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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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マドレシスが残した静寂の中、夜が訪れていた。戦士たちはそれぞれの思いを胸に静かに息をついていた。だが、その夜、マドレシスは一つの奇妙な夢を見ることになった。

夢の中で、彼は遠い風景に立っていた。そこは、栄華を誇った神々の世界。壮麗な神殿と黄金の広場が広がり、そこにはまだ若き日のネメシスが立っていた。彼は穏やかで優しい顔をしていた。

「これは…ネメシスか?」マドレシスは驚きながら、目の前の光景を見つめた。

夢の中のネメシスは、ただの若者であり、野心が輝いていた。彼は階段を駆け上がり、マデスと世界を守るために奮闘していた。

「俺もいつか、あなたのように強くなりたい。」若きネメシスは、マデスに向かって言った。

マデスは微笑んで肩に手を置き、答えた。「お前は十分に強い、ネメシス。だが、強さとは力だけではない。心の在り方だ。」

その言葉を聞いて、ネメシスは頷いた。そして、彼は背中を追い続け、求め続けた。しかし、その追求は次第に歪んでいった。

時が経つにつれて、ネメシスは地位を確立していったが、心には次第に嫉妬が芽生えていった。マデスが神々から称賛を受けるたびに、彼の心には影が広がり、やがてそれが彼の全てを蝕むようになった。

「なぜ、俺はマデスのように認められないのか…」ネメシスの心の中で、暗い感情が膨れ上がっていく。彼は力を求め、力を手に入れるために、禁断の知識と闇の力に手を伸ばしてしまった。

その結果、彼は神々の中で異質な存在となり、孤立していった。そして、彼は全てを失い、マデスにさえも背を向けた。

「俺が間違っていたのか…?」ネメシスの心は、深い後悔と悲しみに満ちていた。だが、彼はその感情を認めることができず、さらに深い闇へと沈んでいった。ついには神々の敵となり、18の厄災であったマデスを利用して、君臨することとなったのだ。

夢の中で、マドレシスはすべてを見届けた。彼はネメシスがただの悪しき存在ではなく、かつては善良な神であったこと、そして堕落の過程に深い悲しみがあったことを知った。

目が覚めた時、マドレシスは涙を流していた。戦いの中で倒すべき敵として向き合ったネメシスが、実はかつて心優しい神であったことを思うと、胸が締め付けられるような思いがした。

「ネメシス…もう戻れなかったのか…」マドレシスは静かに呟き、夜の静寂の中で天を仰いだ。戦いは終わったが、彼の心には新たな問いが残されていた。

マドレシスと18の厄災

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