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ふうま
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ふうま
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洋館のガレージ。
黒い車の前で、ふうはやは装備を確認していた。
予備の弾倉。
通信機。
ナイフ。
すべてを手際よく整える。
少し遅れて、りもこんが駆け込んできた。
rm「お待たせしました!」
fu「時間通りだ。」
rm「今日は褒めてくれないんですね。」
fu「事実を言っただけだ。」
りもこんは苦笑する。
rm「相変わらずですね。」
ふうはやは車の鍵を放り投げた。
fu「乗れ。」
⸻
今回の任務は、港に停泊している貨物船の確認だった。
取引が予定通り行われているか。
それを見届けるだけ。
戦闘の可能性は低い。
そう聞かされていた。
海風が強い。
港には大きなコンテナが並び、クレーンがゆっくりと動いている。
rm「静かですね。」
fu「ああ。」
ふうはやは周囲を見渡す。
……静かすぎる。
その違和感を覚えた瞬間。
パンッ!!
乾いた銃声が港に響いた。
fu「伏せろ!」
ふうはやがりもこんの腕をつかみ、コンテナの陰へ引き込む。
次の瞬間、さっきまで二人が立っていた場所に弾丸が撃ち込まれた。
rm「っ……!」
りもこんの息が止まる。
rm「予定と違う……!」
fu「落ち着け。」
ふうはやは冷静だった。
耳元の通信機からノイズが走る。
mb『こちら本部。状況を報告しろ。』
fu「待ち伏せだ。人数は不明。」
mb「了解。応援を向かわせる。」
通信が切れる。
fu「応援が来るまで持ちこたえる。」
ふうはやが周囲を確認しようと顔を出した、その時。
mb「きゃっ!」
少し離れた場所から、子どもの泣き声が聞こえた。
港の見学に来ていた親子だった。
突然の銃撃に巻き込まれ、物陰から動けなくなっている。
りもこんの表情が変わる。
rm「子どもが……!」
飛び出そうとする。
しかし、ふうはやが腕をつかんだ。
fu「行くな。」
rm「でも!」
fu「敵の位置が分からない。今動けば、お前も撃たれる。」
りもこんはふうはやを見つめる。
rm「じゃあ、あの子はどうするんですか。」
fu「応援を待つ。」
rm「間に合わなかったら!」
fu「……。」
ふうはやは答えない。
その沈黙が、りもこんには答えに思えた。
rm「俺、行きます。」
腕を振りほどこうとする。
fu「待て!」
rm「ごめんなさい!」
りもこんはコンテナの陰から飛び出した。
rm「危ない!」
親子の元へ走る。
その瞬間。
パンッ!!
銃声。
弾丸が地面をえぐる。
りもこんは親子を抱き寄せ、コンテナの陰へ転がり込んだ。
rm「大丈夫ですか!」
mb「は、はい……!」
その姿を見たふうはやは、小さく舌打ちする。
fu「……無茶を。」
すぐに周囲を見渡す。
敵の狙撃位置を探す。
クレーンの上。
コンテナの隙間。
そして――。
fu「あそこか。」
高い場所に一瞬だけ光るスコープ。
ふうはやは迷わず煙幕弾を投げた。
白い煙が一気に港を包む。
fu「りもこん!そのまま親子を連れて左へ!」
rm「はい!」
煙に紛れ、ふうはやは別方向へ走る。
敵の注意を引きつけるために。
銃声が続く。
だが、狙われているのはふうはやだけだった。
その隙に、りもこんは親子を安全な場所へ避難させる。
数分後。
サイレンが港に響いた。
応援部隊が到着する。
敵は撤退した。
⸻
帰りの車内。
二人とも無言だった。
静かなエンジン音だけが響く。
しばらくして、ふうはやが口を開いた。
fu「命令違反だ。」
りもこんは前を向いたまま答える。
rm「分かってます。」
fu「次は止める。」
rm「……止まりません。」
即答だった。
ふうはやは少しだけ驚く。
rm「見捨てられません。目の前で助けられる人がいるなら、俺は助けます。」
信号が赤になる。
車が止まる。
ふうはやはハンドルを握ったまま、小さく息を吐いた。
fu「……その考え方では。」
一拍置く。
fu「長生きはできない。」
りもこんは少し笑った。
rm「かもしれません。でも。」
窓の外を見ながら続ける。
rm「誰も助けられないまま長生きするより、俺はその方がいいです。」
その言葉に、ふうはやは何も返せなかった。
⸻
その夜。
ボスは執務室で港の報告書を静かに閉じた。
mb「親子を救ったそうですね。」
部下がそう報告する。
ボスは穏やかに微笑む。
bs「そうか。けが人は?」
mb「ありません。」
bs「それは良かった。」
部下は安心したように頭を下げ、部屋を出ていく。
扉が閉まる。
静寂。
ボスは机の上に置かれた港の地図を見つめた。
赤いペンを手に取り、一か所に小さな丸をつける。
bs「予定より三分。」
静かな声。
bs「……早かった。」
それだけつぶやく。
そして地図を裏返し、何事もなかったように別の書類へ目を通し始めた。
その三分が何を意味するのか。
まだ誰にも分からない。
コメント
1件
うわ、この話……心臓がぎゅってなった……🥀 りもこんの「誰も助けられないまま長生きするより、俺はその方がいい」って台詞、すごく響いた。ふうはやの「長生きはできない」っていう冷めた言葉が、逆に彼の優しさの裏返しにも見えて。 でも最後のボスの「三分、早かった」が何を意味するのか……ここで終わるの、気になりすぎる。次の話、絶対読みます🌙