テラーノベル
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そして、試合後の部室にて
神童「監視役でもユニフォームは
いるだろう、ほら。」
剣城「や、やめてくれ!」
剣城「俺を、俺を仲間だと言わないでくれ!」
剣城「情けなんて、いらない!!
監視役って思ってほっといてくれ!」
パシッ!!(ユニフォームをはたき落とす)
神童「……これは情けなんかじゃない。
キャプテンとしての判断だ。」
神童「今までの試合、お前は一度も
フィールドに出なかった。」
神童「だがベンチでお前の視線が俺たちの
プレーを追っていたのは知っている。」
神童「お前が何を監視し、何を
報告しようと構わない。」
神童「ここにいる以上、お前も雷門の
『音』の一部なんだ。」
剣城「勝手なことを…っ!!」
剣城「俺はフィフスのシードだ!お前らの
不協和音を、内側から壊せるんだぞ!?」
天馬「剣城……。」
パッパッ(ユニフォームを拾い、砂を払う)
天馬「壊すなんて…そんなことを
言わないでよ、剣城だって…」
天馬「さっき三国先輩が化身を止めたとき、
拳を握りしめてたじゃないか!」
天馬「あの時、剣城の中から吹いてきた
風は…すごく熱くて、真っ直ぐだった。」
剣城「黙れ!貴様に何がわかる……っ!」
剣城「(拳を握っていただと…?無意識に
泥臭い足掻きに共鳴してたというのか!)」
天馬「わかるよ。だって、サッカーが
好きな人の風は…」
天馬「みんな、同じ匂いがするんだから!」
天馬「剣城も、本当は…」
剣城「やめろ!!」
ドンッ!!(天馬の肩を突き飛ばし、部室の壁に
背を向ける)
剣城「…勝手にするがいい。その
ユニフォーム、預かっておいてやる。」
剣城「だが、勘違いするな。」
剣城「俺がそれを着る時は、お前たちの
『甘い夢』を地獄に変える時だ。」
バタンッ!!(乱暴に部室のドアを閉めて去っていく剣城)
信助「…行っちゃったね。」
浜野「ちゅーか、あいつ照れてんの?
威嚇してんの? どっちかなー。」
速水「どっちにしろ心臓に悪いですよ…。」
速水「いつ内側から爆発するか分からない
爆弾を抱えてるようなものですよ…。」
神童「(…剣城、お前の宿す『闇』は本当に
俺たちを壊すためのものなのか?)」
神童「(それとも…壊れそうな自分を、
守るための鎧なのか?)」
────────────────────
ガチャッ
円堂「……おやおや、騒がしい部室だ。」
円堂「神童くん、君の判断は嫌いじゃないよ。」
神童「監督…。俺は、キャプテンとして
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らいむ②
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甘いのかもしれません。」
円堂「ううん、甘くて上等だ。」
円堂「カレーだって、隠し味に甘みが
なければ深みが出ないだろう?」
車田「ははっ、監督らしいや。」
車田「…さて、次はどこだ?」
神童「…次は、『万能坂中』だ。」
三国「フィフスセクター直轄の常勝校。
そして……」
三国「シードが複数人、送り込まれていると
いう噂がある。」
南沢「……万能坂、か。」
南沢「シードが1人でもあんな厄介なのに、
それが複数人…。」
南沢「三国、次は『1点も通さない』なんて
そんな安い約束は通用しないかもな。」
三国「あぁ。だが守るだけが俺の仕事
じゃない。」
三国「俺たちが信じた音が、本物かどうか。
次はその真価が問われることになる。」
その頃、校舎の裏。
剣城「(熱くて、真っ直ぐな風……。)」
剣城「(……そんなもの、俺のどこに
残っているっていうんだ。)」
聖帝『剣城京介。』
聖帝「次戦の万能坂中との試合は、
雷門の“不協和音”を完全に沈黙させよ。』
剣城「……仰せのままに、聖帝。」
────────────────────
南沢篤志 side
スタスタ…
南沢「?」
フィフスの偉い人「南沢篤志くんだね?」
南沢「あぁ、そうだが…」
フィフスの偉い人「1つ、話をしようか」
南沢「は?」
フィフスの偉い人「万能坂中の試合日、
雷門から離反して裏切りなさい。」
フィフスの偉い人「我々に協力するのです」
南沢「そんなことして、何を…!?」
フィフスの偉い人「すれば、雷門の皆に
危害は加えません。」
フィフスの偉い人「“こちら側”は、ですが」
南沢「分かった…ッッ、協力するから……!!」
南沢「お願いだ…あいつらは……」
南沢「あいつらは内申点だけじゃなくて…」
南沢「少しの間、その間だけは…、」
南沢「本当のサッカーで繋がり合えた、
“友人(なかま)”なんだよ!!!」
南沢「だから、傷つけないでくれ……」
フィフスの偉い人「…賢明な判断だ。」
フィフスの偉い人「君のその『友人』想いの
心に免じて、一つだけ慈悲を授けよう。」
スチャッ(懐から一枚のチップを取り出し、
南沢の胸元に突き立てるように差し出した)
フィフスの偉い人「明日の試合、開始前に
君は雷門を離反するように」
南沢「……!」
フィフスの偉い人「そうすれば、万能坂の
シードたちには“手加減”を命じておこう。」
フィフスの偉い人「…彼らが暴走して、君の
大切な仲間の『選手生命』を奪う前にね。」
南沢「……っ」
南沢「(……内申点? 将来? んなもん、
もうどうだっていいさ……。)」
南沢「(三国…お前の守るゴールは、
俺が壊す。)」
南沢「(それが…お前を、みんなを守る
唯一の道なんだとしたら…。)」
南沢「喜んで、重淵(ちょうえん)の果てまで」
ゴォォッ…(両目に、微かに十字の闇が宿る)
コメント
1件
わあ、第11話、すごく胸に響きました…! 剣城くんの葛藤と天馬くんのまっすぐな言葉のぶつかり合い、神童くんのキャプテンとしての判断、どれも熱かったです。 特に天馬くんの「サッカーが好きな人の風はみんな同じ匂いがする」っていう台詞、すごく好きだなあ。 それにラストの南沢さん…「友人(なかま)を守るために自分が壊れる」って、もう切なすぎます。次が気になって仕方ないです。続き、楽しみにしてますね🌷