〚Part 3 ねむけ〛
 
 
 
 
 
 
 
 
 良く晴れた平日の昼下がり
 レオリオは自室のカーテンを閉めると、ベッドに座るクラピカの腰をしっかりと抱く
 「もう我慢できねぇ、久しぶりに・・・いいよな?」
 勉強の息抜きにクラピカとスキンシップをとっていたところ完全にソウイウ雰囲気になってしまった
 同居の母も仕事で出かけている、つまりレオリオにとってはクラピカと愛し合う絶好のチャンスなのだ
 我慢できないのはクラピカも同じだったようで珍しくクラピカのほうから積極的にキスをしてきた
 「んっ・・・」
 何度も角度を変えて深く舌を入れ合ったりしてお互いをむさぼり合っていく。普段のオーラ補給の優しい口づけとは全く違う
 レオリオはクラピカがベッドに頭をぶつけないように優しく後頭部を支えると自分の枕へとゆっくり押し倒した
 
 さて、可愛いクラピカをじっくり味わおうとクルタ服のインナーに手を差し入れたときに視線を感じる
 「あ、ドア閉めてねぇ」
 レオリオとクラピカが二人同時に扉の方向に視線をやると・・・隙間から猫が覗いていた
 
 「レオリオ、覗かれているぞ///」
 「そうだった、コイツがいるんだったな・・・」
 一度ついてしまった情欲はおさまらず、レオリオは元気な自身にちょーーっと待ってろよとお願いすると一度クラピカの上から降りて部屋の外に出ると”にゃーん”と脚に擦り寄ってきた猫を抱きあげる
 
 レオリオと猫が階下に向かう音を聞きながらもクラピカは自身の熱が昂っていくのを感じるためとりあえず服を脱いで一糸まとわぬ姿になっておくと素肌のままタオルケットに潜り込み、レオリオが戻ってくるのを待った
 「悪いなクラピカ、あいつはごはんあげて日向ぼっこのお気に入りスペースにクッションを置いてやったからしばらくはいい子に寝てると思うぜ」
 レオリオはクラピカの格好に「誘ってんのか」と嬉しそうに笑いながら、二人はふたたびシーツの海へと溺れていくのだった
 
 
 
 「水、飲みにいくか・・・」
 深く、ゆっくりと愛し合うことができてかなりの満足感を得たふたりはそのままの空気感でまどろんでいたが喉の渇きをかんじてキッチンへと降りていくことにした
 レオリオが素早く服を着ていき、気だるげなクラピカに服を着せてやると「腰がいたい」と呟くクラピカをお姫様抱っこしてやった
 慎重に階段を降りていき、クラピカをリビングのソファーへとゆっくり降ろす
 ”にゃーん、にゃーん”
 二人の気配を感じたのか猫は窓辺からトコトコとリビングにやってくる
 「すまない、起こしてしまったかな?」
 クラピカは優しく猫の背を撫でると膝の上へと乗せてやると猫は丸くなっている
 「クラピカ、お前の抱っこも慣れて来たもんだな」
 レオリオは水のグラスを手渡すとクラピカの横に腰を下ろした
 「今までペットを飼ったことはないし、子どもの頃はよく鳥に乗っていたが猫には縁がなかったからな・・・。よくセンリツとバショウの猫カフェ談義を聞いて写真を見せてもらっていた程度だった。だが可愛いものなのだよ」
 港町育ちのレオリオは鳥に乗る???クルタ族は飛んだりできたってことか?????と経験したことの無い光景に頭をひねりながら、最近ようやく少しずつ話すようになったクラピカの子ども時代やクルタ族の暮らしの話に優しく耳を傾けた
 
 「あ、そうだクラピカ。お前にコイツの特技見せてやるよ!」
 レオリオはキッチンに向かうと何やらゴソゴソとアルミホイルの箱を引き出し始めた
 その音を聞いてピョンッと猫がクラピカの膝を飛び降りてレオリオのほうへと急いで走っていく
 「ホラ!久しぶりに俺とも遊ぼうぜ!」
 レオリオはアルミホイルで小さなボールを作ると猫に向かって勢い良く投げた、そのボールを猫は器用に肉球で叩き返す
 「コイツすごく運動神経良くてな、バレー選手みたいなことできるんだぜ」
 レオリオが近くにボールを投げたら猫は肉球でアタックし、遠くに投げたときは落とさずに両手でキャッチすると咥えてレオリオの元へと持ち帰ってくる
 「すごいな・・・。レオリオ、ゴンとキルアとセンリツにも動画で送っていいか?」
 「いいぜ、コイツのすごさを教えてやってくれ」
 クラピカは名付けて”猫に遊んでもらっているレオリオ”と題した動画を撮影すると友人たちに送信し、自分も猫とボールで遊んでみたいとレオリオに投げ方のコツを教わった
 「レオリオ、猫にも利き手はあるのか?」
 先程から猫は右手を主に使ってキャッチしたりアタックしている
 「あると思うぜ、おふくろが昔飼ってた猫は左利きだったって。でもコイツときどき左手も使ってボール返してくるぜ?」
 クラピカは自分にボールを持ち帰ってきた猫に「飼い主に似ず品性のある遊び方だな」とフワフワの頭を撫でてやった
 「私の周囲にもペットを飼っている人物は・・・あ、いたか。キルアが犬を飼っているな」
 ゾルディック家で出会った恐怖の番犬を思い出す
 「いやおめー、あれはペットじゃねーだろ・・・。ゴンなんか動物に囲まれて暮らしてそうなイメージだけどな」
 「そういえばクルタの村で食料を管理する小屋には守り神が居て食料を食べる悪さをするネズミを退治してくれるから守り神をみかけたら大切にしなさいと長老から教わっていたんだが、今考えるとひょっとして猫のことだろうか」
 当時は守り神って何だろうと子ども心に考えていたことを思い出す
 「たぶんそうだな、元々人間が猫を飼い始めたのってそういう理由だって言われてるしな。港のほうにいくと漁師とか猫を大事にしてたりするぜ」
 お前もきっとそういう生まれなんだろうな、とレオリオは膝元の猫に語り掛けた
 遊び疲れたのか猫はポトンとボールを落とすとカーペットの上でゴロンと寝転がる
 「いっぱい遊んで疲れたか?」
 レオリオはクッションを手に取ると自身も猫の横に寝転がった
 クラピカは猫の玩具を片づけるとレオリオと猫へと近づいて行った
 「大きい猫みたいだな」
 レオリオはクラピカに腕の中に来るように招き入れるとクラピカはレオリオの懐に潜り込むとレオリオはクラピカの柔らかい金髪を優しく撫でてくれた
 「俺さ、クラピカの髪の毛ってなんかに似てる触感だとずっと思ってたんだけどよ。猫と一緒だったんだな」
 クラピカは猫の頭を撫でてやると疲れた猫はウトウトと瞼を瞬きし始める
 「君は、ハンター試験の頃から豪快に寝ていたのだよ」
 思い返せばレオリオとは一緒に眠ることは多かったと思う。4次試験のゼビル島では敵に襲われないように身を寄せ合って木陰で眠っていたものだ
 猫はスピスピと寝息をたてて気持ちよさそうに眠ってしまった
 「お前の体調が安定したら、一緒に旅するのも悪くねぇな」
 少し前まではクラピカにとって未来とは考える必要もない者も同然だった
 「ああ、そうだな。オレもこの世界をゆっくり旅をしてみたいとおもう・・・」
 「そのためには頑張って医師免許取らねーと・・・」
 最近、レオリオの主任医師であるチードルはクラピカに口頭質問の文章を送ってきて「レオリオが気を抜いている時に出題してください→子」とクラピカを巻き込んでレオリオに医療知識を叩きこもうとしている、それほど彼の将来性に期待しているという事だろう
 寝転んでいるとウトウトと自分も瞼が下がってきた。隣のレオリオを見上げると先に寝息をたてて気持ちよさそうにうたた寝を始めている
 「ねむいな・・・」
 クラピカも午後の陽気に誘われてレオリオの胸元の香りを嗅ぐとそのまま眠りへとおちる
 
 
 
 「ただいまー、あらあらみんなしてリビングで寝ちゃってるじゃない」
 レオリオの母は猫、クラピカ、息子の順にそっと頭を撫でると静かにキッチンへと繋がる扉を閉めた
 
 
 (猫にあそんでもらうオッサン面白いな、妹連れて俺もそっち遊びに行きたいから住所教えて)
 (ミトさんが次のレポート試験で全部80点以上取れたら遊びに出てもいいって約束してくれたから俺頑張るからね!)
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