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「神様を殺しに行きたいんだけどねー。」僕は食べていた冷凍の魂を吹き出した。
「何を言ってんの?」
「あのね、神様だってね、私の夢のなかにさえ入れば勝ちなんだよ。」
「無理だろー!」
と言っては見たものの、よく考えたら地獄に餌が流れるのが嫌という理由だけで、閻魔大王を葬り地獄を滅ぼした妖怪が暗夢だった。
「早く食べ終わってちょうだい。」
「はい、ご馳走様でしたよ!」
そう考えると神様も殺れるような気がする。
というわけで天国に着いた。天国には大きな城があって、そこに神様がいるのだが…?
「いないじゃん、暗夢。」
「うーん。白夜くん、ちょっと世界一周ドライブしない?」
「はえ?」
すると、暗夢のコートのポケットから車が出てきた。四次元ポケットじゃないんだから…。
「じゃ、行くよ~」
車は異常なほど速かった。後で聞いたら、光速の二倍の速さで走るらしい。それでも天国と地球を隅々まで走るには相当な時間がかかるし、すれ違いもあり得るだろう。
「この世の全てを股にかける鬼ごっこね…。勝機はあるの?」
「白夜くん、バックして!」
すると後ろには神様がいた。ずっと少し後ろをついてきてたらしい。性格が悪いが、それに気づくのは、もっと性格が悪い暗夢だ。
「はい、タッチ!」
神様は夢へ連れ去れられた。
しばらくして。
「暗夢起きた?神様に勝ったの?」
「うん、神様の魂美味しいな〜。」
「随分拍子抜けだね!?ていうかズルいよ!僕も食べたい〜。」
こうして僕たちは神様の魂を食べながらあっさり熊野神社に帰った。
「そういえば暗夢、次の神様ってどうなるの?」
「あれ、言ってなかったっけ?白夜くんがなるんだよ。」
「え…。」
急に何を言い出すのだろう。
「万が一神殺しが行われた時、原則神殺しの主犯が新たな神となるんだけど、私の野望は夢の妖術での日本統一。神なんて役職いらないの。だから特例で、白夜くんを神に推薦するしかないの。」
「え、馬鹿なの?普通に考えて僕妖怪なりたて半年でなんも特殊能力持ってないよ?どうせ神殺し再来で終わるよ!今度こそ死ぬよ?」
「白夜くん、天国と妖界は立憲君主制。神なんてほぼお飾りで、実際には偉い天使がいて、そこが政治の実権を握ってるよ。昔は権限が強かったら神殺しなんていくらでも起きたけど、今はただの象徴。」
「じゃあなんで神殺ししたの?数万年ぶりらしいけど?」
「あの戦争に消極的な神がウザいから、新たな神に推薦出来る妖怪の友達がいるうちにさっさと消えて欲しかっただけ。」
正直ツッコミどころ満載だが、この妖怪の奇行には慣れてきた。それよりも、はっきり恐れることが一つある。
「じゃあ、君は…。」
「そう…。戦争を再開させる。そして今度こそ、私が天下をとるの。」
正直恐怖だ。ただ恐らく暗夢は本気だ。万年を今日の為に過ごしたのだろう。こんなに真剣な暗夢を、文化祭の壁新聞のレタリング以外で見たことない。多分断ったら、あさひちゃんの写真とか関係なく、喰われる。
「分かった。ただ条件は、今みたいに一応現実世界にも溶け込めるようにしてね。あと、流石に怖いからボディーガードは頼むよ。」
「分かってるよ。じゃあ最初は神主総会からだね。」
神主総会とは半世紀に一度、全国の神社にいる神主や天使、神への忠誠心が強い妖怪が参加して天地の運営方針を決める会議だと言う。本来やるのはあと三十年後くらいらしいが、神が変わったから前倒しされたようだ。ていうか、神社の神主ってちゃんとした能力者なんだ…。
「まあ今日の総会もお飾り。エリート天使が書いた原稿をただ読めばいいからね。ただ、私の思想に逆行するのは直すよ。」
「立憲君主制舐めすぎだろ…。」
そして神主総会本番。神の所信表明演説。
「えっと…我々は方針転換し、妖界の闘争を容認する方向で…。」
案の定神主からのヤジが鳴り止まない。「殺すぞー!」なんて叫び声も聞こえてきた。まあ皆戦争反対だろうしね。
すると、ある一人の神主が質問をしてきた。
「あなたね、そんなこと言って、誰かに弱みでも握られてるんですかー?」
「えっ、弱みって程じゃないですけど、夢界隈の暗夢さんに妖怪にされてて…、多分断ったら殺されるんで。」
と微笑みながら質問に答えると、ヤジが止まり、雰囲気が凍りつき、数秒後にざわつき始めた。
「え、暗夢ってあの最恐妖怪の?」
「ああ、伊勢神宮の神主のお祓いも全く効かなかったやつ?」
「え、これ誰も対抗できなくない?」
「私一回会ったことあるけど、めっちゃ可愛くなかった?」
暗夢の最恐っぷりが天地共に随分広がっているらしい。まあ、そりゃざわつくよね。ていうか誰だ
修学旅行の男子部屋してるやつ。
暗夢のお陰で無事ではないにしても総会は終了した。
「めっちゃ怖かったー!」
「白夜くんお疲れ様。」
「なんとか暗夢が通したい案は通ったよ。何回か殺されかれたけど。」
とりあえずは一段落。だけど心配は尽きない。
「で、これからは夢の大戦争?」
「うん。私が勝つよ、絶対に。」
咲乃ルイ
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