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rtmn リクエストありがとうございます!!
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「おらっ、テツ喰らえ!!!!」
「いった゛ぁ?!?!?!リトくん力強すぎ?!?!?!」
「こんな暑いのに今日も元気やな〜」
「ね〜、僕もアイス食べ終わったから参戦しちゃお!!
マナも食べ終わったら来てね!!強制参加だから!!!」
「もちろんやん?俺の秘められた力見せたるわい!!!」
久々の休日、照りつける太陽、セミの大合唱、溶けるアイス、ベンチから見える景色は 水風船を投げ合う同期たち。
この世の幸せやん、最後の走馬灯にはこれがええな いやさすがに嘘か、、
俺の名前は緋八マナ、オリエンスの..って、まぁ分かるか、 7月はほぼ毎日緊急要請だのパトロールだの予定があり睡眠時間は3時間、ご飯は菓子パン、同期たちとはヒーロー活動の話しかしてないと思う。
そんな俺らに与えられた数少ない休日。こざかしーの姿を見ないだけでも嬉しくて涙が出そう。あいつら毎日見てると鬱になりかける、あれは誰しも。
「やー、あっつい、、」
気温は40度を超えている。暑いに決まってる、こんなの
その気温のせいでのぼせたのか頭がぼーっとする。
不意に、下を見る。
あれ、俺のズボンってこんな赤やったっけ。
「?べとべと、」
下が回らない。なんだか服が生暖かくてベタベタする。手が赤い。日焼けしたか?
「くらえKPアターーック!!」とか「いって゛ぇ゛?!?!舐めるなよ俺様をぉ?!?!」とか 「お前投球フォーム完璧すぎるだろwww」とか同期の楽しそうな声が遠くなる。
「マナも早くっ…マナ?!?!鼻血!!」
「あぁ、?はなぢ、?」
「な、なんか多くない?..マナ?聞こえる?」
ウェンが喋ってるのになんも聞こえへんわ、ただの鼻血やし大丈夫やろ、なんて思いつつ何度か空振りさせながら持ってきてくれたティッシュを掴む。
「えぇっ、、どうしよ、リト達ー!!マナがなんか鼻血出してるんだけど!!」
「鼻血ぃ?大したことねーじゃん」
「いや、それがすっごい量でっ、なんかマナもフラフラしてて!!」
ぼんやりとした頭にウェンの大声が響く。身体が全然動かないのが妙に気持ち悪い。
2人も事の深刻さに気づいたのか、バタバタとした足取りで俺の近くに来る。
「だいじょぶ、や、ただのはなぢ、ゃから」
思うように口が回らない。まぶたも重い。
「っと、テツは救急車!ウェンはなんかもう冷やせそうなの!!最悪水風船でもいい」
「う、うんっ、わかった」
「わかった!!!」
2人は各々に走り出し、リトは俺の体を少し前のめりにして支える。
俺の体がリトの腕の中にすっぽり収まって、リト服まで血が染みる。
「りと、ち、が」
「いいって、それより絶対寝たら駄目だからな?」
「?わぁった、ふくが、りと、」
多分言葉のキャッチボールできてへんな、これ
俺の服がどんどん赤くなって、血の気が引くのがわかる。絶対今凄い顔青白いんやろうな、
「きゅっ、救急車!!呼んだよ!!すぐ着くって! 」
「はいリト!! 冷やせるの水風船しか無かったけど、、!!」
「サンキュー、とにかく救急車来るまで待つしかねぇな」
鼻を強く抑えられて痛い。
目の前で慌ただしくしている様子をぼんやりと眺めているうちに、ついに視界が見えなくなっていく。まぶたが酷く重く、段々と周りの音も消えて、そのまま意識を落とした。
8話 に続く