テラーノベル
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心の病気なんて適切な診断と体に合う薬の前では体の病気とさほど変わらない。
いつの間にか死にたくなくなって、いつの間にかやりたいことも出てきて。
辛かった時期なんて鑑みられない。
あれほど生きることを苦痛に思って、あれほど死にたいと心から願っていた、あの時間も。
ここを出たらどうやって死んでやろうかと立てた計画も、自殺願望も。
何もかもなかったことにされて、働けるようになったら働けと言われる。
薬を飲んでいれば普通なんだから大丈夫、前を向いて生きなさいと言われる。
そんなこと無い、辛い日だってあると訴えてもそれが普通だと言われる。
私は普通になるために頑張っているのに、それが普通だと言われる。
普通でいるためにどれだけ努力しても普通だから、で片付いてしまう。
普通に近づいたら、普通でなかった頃は消されてしまう。
ただサボっていた人間と同じ扱いをされてしまう。
ブランクだと言われてしまう。
辛かった時期なんて省みられない。
普通にしていられるようになったら普通以上を求められて。 どんなに辛かったと言っても過去の話。
どんなに死にたかったと言っても過去の話。
普通に戻れば皆と同じことができなくてはいけない。
皆と同じ事ができない私は頑張ってやるしか無い。
他の人が喋りながらでもできることが頑張ってもできない。
そんな悔しさ情けなさを抱えて生きろというのか。
頑張ればできるんでしょ、で片付けられて。
もっと頑張ってねって注意されて。
また生きづらい現実に打ちのめされなくてはいけないのか。
次こそ酷く打ちのめされた時、私の支えは何もない。
推しもいない、絵も描けない、小説も書けない、誰にも頼れない。
感情も希望も持たぬまま生きろというのか。
吐き出すものも吐き出すところもないまま。
普通に見えているのは外側だけ。
内側はずっとずっと根深く硬くて冷たいだろう。
ここだけは誰にも普通と言われたくない。
ここだけはずっと忘れず見つめていたいものである。
コメント
1件
読ませていただきました…。心の病気を抱えた人の「戻る」ことの重みが、ずしりと胸に響きました。「普通に見えているのは外側だけ」という一文に、どれだけの人が救われただろうと思います。回復したように見えても、内側の冷たい部分を抱えながら生きる覚悟を綴ったラスト、とても美しくて切なかったです。MAKOさんだから書ける描写だなと、じんわりきました。続きを静かに待っています🌷