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ウィド&ディレ
92
榎本くもり
10,056
#面白くないかも
如月玲
37
谷崎爽奈
81
陰陽師姿で腰に刀を差した僕らは、石畳の上を歩いいている。その石畳が途切れ、後1歩進めば落ちてしまいそうな位置で風間先輩がぴたりと止まり、手拍子をした。すると、何もなかった下から地面が持ち上げられ、それから、榎木園先輩が何かを操るような動作をして、気を操り、舞殿の屋根を取ったような場を作り出した。
風間先輩がもう一度、手拍子を打ち鳴らした。 そしていきなり完全な闇が空間を支配する。
次の瞬間、重厚な太鼓の音が空気を震わせた。 その音に呼応するように、五芒星が浮き上がり、五人の足元へ鋭いスポットライトが突き刺さる。僕らは同時に地を蹴り、宙を舞った。五つの影が描く放物線。ダンッ。全員が同時に着地した。
「はっ!」
風間先輩の鋭い呼声。 それを合図に、僕らは静止した。
太鼓の連打が徐々に熱を帯び、心臓を直接叩くような轟音へと変わっていく。すると、音に呼応するかのように魔の物が増えていく。魑魅魍魎 百鬼夜行その言葉がぱっと思い出しそうなほどだ。十五節目——そこで、僕らは腰から刀を抜いた。
鋭い居合の一閃が、空を切る。
そのまま腰を落とし、立ち上がりざま、切っ先を喉元へ向ける中段の構えを取る。
そこからは、加速する演武の嵐だった。 横一文字、袈裟斬り、逆袈裟斬り、胴斬り、突き。 三味線の速弾きに合わせ、斬撃の速度を極限まで上げていく。あえて型を崩し、焦燥と荒々しさを演出する。
僕が一際強く、横一文字に空間を薙ぐ。 直後、空中に垂直に立てた刀から手を離し、五芒星の中心を向いて、二度の柏手を打つ。
五芒星が夜中のキャンプファイヤーのように一際強く光る。そして、五芒星の中心から、真っ赤に燃え盛る大きな怪鳥。
ビュロロロロと大きく鳴きながら朱雀が飛び出して来た。そして、僕は五芒星の外側を向く。
朱雀が、魑魅魍魎の中に入り、魑魅魍魎を燃え盛り灰にする。
次に榎木園先輩がゆるりと、袈裟斬りと逆袈裟斬りを3連。 即座に、垂直に立てた刀から手を離し、五芒星の中心を向いて、二度の柏手を叩いた。
すると五芒星が緑に光り、中心から鹿の体に青い鱗、獅子のような鬣、漆黒の角、燃え盛る四肢、体のから時々ぼうぼう火が出る。
キェェェェェと高い声で鳴きながら麒麟が飛び出して、天空を駆けた。そして、榎木園先輩はクルリと五芒星の外側を向く。
麒麟が歩くと、植物が芽吹き、花が咲き、蔦が絡まり、魑魅魍魎を絞め殺す。
田井中先輩は、刀を水平に持ち右に一回転、続いて左に一回転。 それから、ドスリと床に刀を立ててから手を離し、五芒星の中心を向いて、二度の柏手を打つ。
五芒星がまるで金のように鮮やかに、一際強く光る。そして、五芒星の中心から、真っ白な虎。
グルルルルと鳴きながら白虎が飛び出して来た。そして、田井中先輩は五芒星の外側を向く。
白虎は、巨大な爪を用いて魑魅魍魎を引き裂いて殺していく。
水城先輩は、抜いた刀をまるで筆のように操り、空中に円を描くような流麗な円月斬り。直後、垂直に立てた刀から手を離し、五芒星の中心を向いて、二度の柏手を打つ。
五芒星が真っ青な常夏の海のような光が強く光る。そして、五芒星の中心から現れたのは、水をまとった真っ青な、透き通るような。龍。
鳴き声一つ上げずに、水しぶきだけを上げて青龍が召喚された。そして、水城先輩は五芒星の外側を向く。
青龍は、水の中に魑魅魍魎を閉じ込めおぼれ死なせる。
風間先輩は、大太刀をゆっくりと頭上に掲げ、そのまま地面を叩き斬るような力強い真っ向唐竹割りを繰り出した。それから刀を腰の鞘に戻し、五芒星の中心を向いて、二度の重い柏手を打つ。
五芒星が一際光らない。そして、五芒星の中心から、鳥や虎や龍とは比べ物にならない程の8つの頭を持つ大蛇が出てきた。
シューシューと鳴きながら八岐大蛇がにゅるりと出て来た。そして、風間先輩は五芒星の外側を向く。
八岐大蛇は、魑魅魍魎をまるで蠅をくらうカエルのようにバクリ バクリと食べていく。
それからは、三十秒間の全力。生徒会全員が指の先まで神経を尖らせ、魑魅魍魎を燃やし、切り刻み、絞め殺し、溺死させ、喰う。
それから全員が違う動きをしていたが、右手で最後の一振りを掴み、左手で空を切って鞘を作ったようにして、その鞘に虚空での納刀の所作を見せる。
柄と鞘の端を握り、自分の目の前で、掌でじりじりと、その「重み」を押し潰していく。 鉄が軋み、悲鳴を上げるような三味線の怪音が最高潮に達した瞬間――。
合わせた両手から、すべてが霧散した。 右手をずらし、掌に柔らかな息を吹きかける。
大量の式札があふれ出し、僕らも、舞殿もすべてを覆い隠す。それがどんどん、朱雀 白虎 麒麟 八岐大蛇 青龍の順にどんど運移り変わり、式札の数がどんどん減少し、すべてが消えた時、生徒会全員のそれぞれが五芒星の頂点で膝を突き、狩衣の大きな袖に顔を隠す。
盛大な拍手が沸き起こり、その二十秒後、重厚な琵琶の音が幕引きを告げた。バタン。と音がして、ドアが絞められ、閂がかけられた。
「感想は?」
「結構いいんじゃない?結構合うべきところは合ってたし。」
「えぇ、練習した甲斐がありますよ。」
「まぁ、体育祭を楽しんだという事で、記念に一枚とっておこうぜ。」
パシャリ
コメント
1件
うわっ、これめっちゃカッコいい…!陰陽師×舞殿の演武、映像がバチバチに浮かぶわ。五人がそれぞれ違う神獣(しかも八岐大蛇まで!)を召喚して連携して戦うとことか、最高すぎる。“重みを押し潰す”納刀の所作とか細かいこだわりがシビれる。体育祭の余興ってのがまた渋いな。ゆのさんの戦闘描写の解像度、めちゃ好みです🔥