第2章「仄暗い願い」その14
「……それで、お願いって?」
言い方がきつかったり、感じが悪かったりしていたが、それでも――赤鐘は今まで多くの情報をくれていたように思う。
そんな赤鐘の、お願い。
修介だけでなく、姫乃も香島も、赤鐘の次の言葉を固唾(かたず)を呑(の)んで待っていた。
「そんなに気負わなくていいわ。今は、覚えておいてくれればいいから」
「……どういうこと?」
そして修介が密かに気になっていたことがある。
普通に考えると、脚本コースである修介よりも、同じ俳優コースの姫乃や香島に頼むほうが自然だ。
それなのに、今の赤鐘は――まっすぐ修介だけを見ている。
なぜ自分に――その問いを口には出さず、修介は赤鐘からの返事を待った。
「もし今後、あなたが『怪しい』と思った人がいたら……私にも教えてほしいの」
「怪しいって……赤鐘さん、安藤が倒れたのは、誰かが原因だと思っ*******
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