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#異世界転移
花月夜れん
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設楽理沙
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耀聖(ようせい)
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耀聖(ようせい)
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狩りの邪魔にならないよう、また動物と間違えられて射抜かれることのないように注意しながら、雲嵐は狩猟の様子を写生している。
紙の上に映し出されていっているのは、第二皇子が見事な体格をした牡鹿を仕留めたところ。確か志勇皇子という御方だったか。
志勇皇子もまた、暁明皇太子とは仲が良いと聞いたことがある。
煜峰は皇太子と同母の兄弟同然に育てられたわけだし、またこれまでの言動や行動からいって皇太子を慕っているのは疑いようもない。けれど、志勇皇子の方はどうだろう。
淑妃という身分の高い母親と、朝廷で権勢を振るう胡家という後ろ盾。皇太子の座についても全くおかしくない人物でありながら、暁明皇太子を本当に慕っているのだろうか。
麗霞の妄想でいけばこういう場合、一方は白で一方は黒というのがお決まりだ。もちろん白は煜峰殿下で、黒は志勇殿下。
この狩猟大会で志勇皇子が暁明皇太子に何かしなければいいけど……。
なーんて。
妄想が過ぎる。
つい癖で刺激的な展開を求めてしまうが、志勇皇子に対してあまりにも無礼というものだ。
志勇皇子はとっくに次の獲物を探しに行ってしまい、辺りには誰もいない。
『雲嵐の近くには寄るな』
真剣な顔で言った煜峰の言葉が脳裏に浮かび、今更ながら雲嵐と2人きりの状況に不安を覚える。
近付くなっていうのは、雲嵐が何かしてくるということなのか。
山の中へ入るのに丸腰というわけにはいかない。当然雲嵐だって短剣くらいは持っているだろうけど、まさか突然襲いかかってくるとか?
雲嵐様に怪しい動きなんてみられないもの。大丈夫よ、多分。
何事もなく、早く野営地まで戻りたい。
雲嵐が妙な動きをしないかとソワソワとしながら描き終えた紙を整理していると、事は麗霞の予想外の方向へ動いた。
「うっ……!」
ヒュッという空を切るような音が聞こえたと思ったら、雲嵐の呻き声が聞こえてきた。
近くに繋いでおいた馬が嘶き、暴れている。
「雲嵐様?!」
うずくまった雲嵐の左肩には一本の矢。すぐにそばへ駆け寄ると、何本かの矢が追加で飛んできた。
何これ? どうなってるの?!
瞬きする間に、どこからともなく覆面を付けた男たちが物騒な物を手にこちらに向かってくる。
「逃げましょう」と言う前に、今度は別の男たちが出てきた。加勢しに来たのかと思えばそうではなく、最初に矢を放ってきたと思しき男たちとやり合っている。
甲高い笛の音と男たちの怒声。そして、激しく金属がぶつかり合う音。
現実のものとは思えない光景に固まっていると、雲嵐が立ち上がり脇目も振らず逃げ出した。
「あっ……雲嵐様!!」
呆けている場合では無い。後に続いて自分も逃げなければ。
逃げていく雲嵐の前に、一人の覆面男が躍り出てきた。
その後は一瞬の出来事だった。
振り下ろされた剣に続いて見えたのは、真っ赤な血飛沫。倒れた雲嵐にとどめを刺すかのように、もう一度剣がその首に突き立てられていた。
「きゃあああぁぁっ!!」
何で雲嵐様が?!
ただの画人よ?
雲嵐様が狙われていることを煜峰殿下は知っていたの?
混乱と恐怖の中で麗霞の目に入ったのは、雲嵐が先程まで描いていた絵。
早く逃げればいいものを、どうしても置いてはいけずに取りに行ってしまった。
「いっ……!」
太腿を矢が掠めていったが、幸いなことに少し傷が付いただけでまだ走れる。
絵の束を抱きかかえて逃げようとする麗霞に、覆面男たちが襲いかかってくる。標的が雲嵐から麗霞に変わったらしい。
目撃者は殺される。そんなのはお決まりだ。
普段大した運動もしていない麗霞に追い付くことは、覆面男たちからしてみれば造作の無いことだった。
助けに来てくれた男たちの妨害をくぐり抜け、覆面男が麗霞の後ろからかけてくる。
その手には血に濡れた剣。
さっき雲嵐を殺した人だ。
もう逃げきれない。
「ゆ……煜峰殿下ぁっ……!!」
雲嵐様が狙われていると知っていたのなら、助けに来てよ――!!
ヒュッと風の音がした。
きっと剣を振り下ろす音だ。
背中に衝撃が走る前に、麗霞が悲鳴をあげるより前に、男の短い呻き声が後ろから聞こえてきた。
「え……」
コメント
1件
うわああ第33話、めっちゃ胸が痛い回だった…!!😭💔 雲嵐様があっさりやられちゃう展開、まさかすぎて声出たよ…。麗霞ちゃんが混乱しながらも絵を守ろうとする必死さと、「煜峰殿下ぁっ!!」って叫ぶシーン、感情がグッと来た…! 狩猟大会って平和イベントかと思ったら一気にサバイバルホラーじゃん…!次どうなるの気になりすぎるよ〜!!🔥 ありみ先生、今回も心臓ギュッと掴まれた…続き楽しみにしてます!!🌸